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通信

5G を再考する: クラウドの必須事項

2025年2月26日
Eric Parsons

Head of Emerging Segments, Business Area Cloud Software and Services, Ericsson

Muninder Sambi

VP, PM and GM, Networking, Google Cloud

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※この投稿は米国時間 2025 年 2 月 20 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

通信業界は重大な岐路に立たされています。5G 需要、コネクテッド デバイスの急増、ネットワーク アーキテクチャの複雑化により、ネットワークの管理と運用方法の根本的な変革が求められています。

自律的な未来 — 効率性とイノベーションを推進する自律型ネットワーク

今後はスケールとパフォーマンスだけではなく、自律的なネットワークも重要になります。通信事業者は、AI の力を活用することで既存の自動化ツールから大きく飛躍し、生産性と収益性を大幅に向上させ、まったく新しいビジネス チャンスを開拓できます。

自律的ネットワーク運用(ANO)は、通信事業者が競争力を維持し、顧客が求めるモバイル ネットワークの「常時稼働、常時高パフォーマンス、常時安全」なエクスペリエンスを提供するために必要不可欠なものとなりつつあります。さらに、機密性の高い顧客データを扱っていて、サイバー攻撃も増加しているモバイル ネットワークのような重要なインフラストラクチャの場合は、セキュリティを強化して保護するために AI ベースの技術がきわめて重要です。

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自律型ネットワークには豊富なデータが必要

モバイル ネットワーク向けの自律型ネットワーク運用による変革を実現するには、豊富で詳細なモバイル ネットワークのテレメトリー データを利用できる必要があります。モバイル ネットワークでは膨大な量のテレメトリー データが生成されますが、それをプロセスの改善、エクスペリエンスのカスタマイズ、新しいプロダクトやサービスの開発に活用できます。

そのため、RAN、モバイルコア、その他の機能など多様なソースからテレメトリー データを収集、集約、分析できるようになることがますます重要になっています。また、こうしたさまざまなソースからの情報をまとめ、AI アルゴリズムがリアルタイムでネットワークの成果を学習、適応、最適化するためのコンテキストを導き出すことができる、堅牢なデータモデルが必要です。

たとえば、AI は動的なネットワーク最適化を可能にし、エネルギー効率を高め、プロアクティブな脅威検出やパーソナライズされたサービスを実現できるほか、顧客の解約も予測できます。通常、こうした分野で成功するためには、有用なソースからの良質なデータを使って AI ネットワーク エージェントをトレーニングする必要があります。

完全な自律性を実現するために、AI と膨大なデータセットを有効活用するには、これらのプロセスに必要なスケーラビリティ、柔軟性、処理能力を獲得することが不可欠です。

完全な自律性を生み出すためには 5G ネットワークの変革が必要

通信サービス プロバイダは、厳しい規制基準を満たし、キャリア グレードのスケール、パフォーマンス、信頼性を提供するために、数十年にわたってオンプレミス ネットワークを設計および構築してきました。自律的なオペレーションで新たな成果を生み出すためには、新しい AI モデルを効果的に活用できる動的な環境と、膨大な量のテレメトリー データを使用して AI モデルをトレーニングできる柔軟な処理能力が必要です。

たとえば、ある通信事業者は、さまざまな AI モデルのトレーニングに使っているテレメトリー データを、迅速な障害復旧やネットワークの最適化にもすばやく広げて活用することができます。そのうえでクラウドは、AI やグローバルな可用性、スケール、弾力性、クラウドネイティブ AI サービスを重視して最適化された最先端の Cloud TPU と GPU にアクセスできるモバイル ネットワーク事業者向けのインフラストラクチャになります。クラウドはまた、通信事業者が自律的なオペレーションを実現するための急速なイノベーションもサポートできます。

通信事業者はこのことを認識し、モバイル ネットワークの運用にクラウドを採用しています。しかし、既存のオンプレミス システムを単にリフト&シフトしてパブリック クラウドに移行するという当初のアプローチは、満足できるものではありませんでした。このアプローチはしばしば運用の複雑さを増大させ、AI を活用したネットワーク運用に必要なアジリティを妨げてきました。

自律型 5G を実現するための不足に対処する

「常時稼働、常時高パフォーマンス、常時安全」なモバイル ネットワークを実現するには、段階的な変更では不十分です。通信事業者は、AI とデータドリブン インテリジェンスの可能性を最大限に引き出す道筋を切り開くために、モバイルコア ベンダーとクラウド プロバイダに注目しています。

Ericsson と Google Cloud は、パブリック クラウド インフラストラクチャでモバイルコア ネットワークの構築と運用を行う方法の根本的な変化を推進するために共同で取り組んでいます。パケットコアの技術スタックを進化させ、信頼性とスケール重視で設計した Google Cloud のインフラストラクチャ上で自律的に運用するために連携しています。

両社は引き続き、技術革新、合理化された配信モデル、そしてなによりも絶え間ないイノベーションという共通の企業文化を含めた、さまざまな面でのノウハウを結集し、通信事業者が自律型ネットワークのビジョンを実現できるよう支援していきます。

自律型ネットワーク向けに構築された 5G

完全な自律性に向けた変革によって、通信事業者の成功が具現化されます。5G モバイルコア ネットワークのクラウド化は、それを実現するための重要な役割を果たします。Ericsson と Google Cloud は、この変革を推進できるよう取り組んでいます。

つまり、通信事業者はこうした変革に投資することで将来にも通用するサービスを提供できるようになり、6G のような次世代技術への道を開いて、モバイル接続の未来をいち早く体現できます。Ericsson と Google Cloud は、ともにモバイル接続の新時代を切り開いています。

この取り組みについては今後の投稿でさらに詳しくお知らせしていきます。どうぞご期待ください。

-Ericsson、新興セグメント、ビジネス分野クラウド ソフトウェアおよびサービス責任者 Eric Parsons

-Google Cloud、ネットワーキング担当バイス プレジデント Muninder Sambi

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