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サステナビリティ

Google Cloud、サステナブルな変革を加速させる新プロダクト、パートナー、プログラムを発表

2022年7月7日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 6 月 28 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Google では、サステナブルな未来を築く道は私たちが日々の暮らしで行う小さな決断から始まると考えています。産業界、行政機関、大企業は、そのような決断を適切なデータあるいは分析情報がない状態で行わなければならないという課題に直面しています。新製品の原材料選定、干ばつになることを見越して農作物に水をやるタイミング、投資先とすべきグリーン ファンドなど、組織にとっては小さな選択であっても、それぞれに特有な(かつ、多くの場合には複雑な)情報を理解することが求められます。

サステナビリティを改善する方法と重要な影響を与える行動の仕方を知りたいと、誰もが思っています。米国では今年、「二酸化炭素排出量の減らし方」の検索数が過去最大となり、「グリーンウォッシングとは何か」の検索数が、過去 10 年間で 5 倍に増加しています。企業も個人も同様に、サステナビリティに関する意欲を行動に変える方法を知りたいと願っています。

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Google Cloud Sustainability Summit では、サステナビリティに関する Google ソリューションを拡張し、新しいデータセット、ツール、パートナー プログラムを立ち上げることができました。これにより、サステナビリティに関わる選択が誰にとっても簡単になります。

気候変動に関わる分析情報をあらゆる組織に提供

Google は先週、公共部門を対象とする2 つの新しい気候情報分析サービスを発表しました。これらのサービスにより、インフラストラクチャおよび天然資源に対して気候変動がもたらすリスクを各機関が把握しやすくなります。この分析情報は、行政機関が物的資源と天然資源を管理する方法を変革する際に活用でき、気候変動の脅威に対する機関のレジリエンス改善に役立ちます。また、どの業界もサステナビリティを軸にした変革という新しい時代を迎えています。あらゆる変革と同様に、変革する方法、理由、対象については、現状に関する正確なデータと、それらの決定がもたらす潜在的な影響に関する分析情報に基づく必要があります。これらの分析情報をすべてのお客様にお届けできるように、Google Cloud 上で Google Earth Engine の一般提供を開始したことをお知らせします。

Google Earth Engine は元来、科学者と NGO に向けて 2010 年に提供を開始した、惑星規模の環境モニタリングを行う最先端テクノロジーです。Google Earth Engine は、何百もの人工衛星やその他の情報源からのデータを地理空間クラウド コンピューティング リソースと組み合わせて、世界における動植物の生息地や生態系の状態、および時間の経過による変化について、適時に、正確かつ高解像度で、意思決定に関連した分析情報を表示します。一般に公開されている最大級のデータカタログと、50 年前から 15 分ごとに更新されているグローバルなデータ アーカイブにより、人間の活動と環境負荷の間で発生するトレンドを検出して相関関係を理解することがこれまで以上に正確にできます。

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Google BigQuery、Google Maps Platform、Earth Engine を駆使することで、Google は地理空間クラウド サービスとソリューションの強力な組み合わせを提供し、データの規模、複雑さ、形態にかかわらず、お客様のロケーションを考慮した分析ニーズに応えます。これにより、再生農業分野のスタートアップ企業である Regrow のようなお客様は、気候変動をめぐる世界共通の課題に貢献することが容易になり、地理空間データに関わる独自のビジネス課題に取り組むことができるのです。

「Regrow は、再生農業を世界中に普及させることを目指しており、気候変動を緩和することを最大の使命としています。Google Earth Engine のおかげでこの取り組みは容易になっています。このプラットフォームにより当社のテクノロジーを拡張し、データとレポートへの信頼を高めることができました。」Regrow、CTO、Juan Delard de Rigoulieres Mantelli 氏

カーボンフリー エネルギーに関する分析情報をお客様と共有する

Google は 2030 年までにグローバルな事業活動全体で 24 時間 365 日カーボンフリーなエネルギーを使用することを目標に掲げましたが、その達成にはエネルギー消費量と生産量を追跡するための、より優れたツールが必要であることは明らかでした。結局のところ、測定しなければ管理はできません。さらに、既存のクリーン エネルギーを追跡するアプローチは、時間ごとのエネルギー使用量を追跡するようには設計されていませんでした。過去 10 年間、Google はパートナーとともに、カーボンフリーの未来に向けて事業を進めるための分析情報と知識を集めてきました。新しいパイロット プログラムを通じて、24 時間 365 日カーボンフリーなエネルギーに関する分析情報を Google Cloud をご利用のお客様と共有できるようになったことを嬉しく思います。

過去とリアルタイムのデータ、および地域や時間ごとの粒度のデータを利用することで、お客様は消費電力のプロファイルを明確に把握できます。このパイロット プログラムでは、お客様が既存のカーボンフリー エネルギー(CFE)スコアとスコープ 2 の二酸化炭素排出量を基準化して、最適なエネルギー ポートフォリオの予測と計画を支援し、最終的にカーボンフリー エネルギーの取引を実施できるようにします。

このような知識の共有は、すべての企業が野心的なネットゼロ基準を達成するための鍵となるでしょう。たとえば、Iron Mountain のような会社は、カーボン・フリー・エネルギー コンパクト活動に参加して脱炭素化を推進しています。

「Google が先駆けとなった 24 時間 365 日カーボンフリーのエネルギー目標を当社も 2021 年に採用しました。この目標に向けて前進するためには、優れたデータを利用できることと、そのデータをソリューション プロバイダと共有できることが重要だと認識しています」と、Iron Mountain でエネルギーおよびサステナビリティ担当ディレクターを務める Chris Pennington 氏は述べています。「24 時間 365 日体制に向けた初期のステップは、Google をはじめとする主要パートナーによって可能となりました。このようなパートナーは、現在のパフォーマンスを評価し、24 時間 365 日体制への取り組みにおける次のステップを特定するために必要な分析情報を提供してくれています。より良い結果をより早く達成するためには、コラボレーションが大きな価値を持つと位置づけています。」

Carbon Sense スイートの拡張

Carbon Sense プロダクト スイートの最新リリースでは、新しいデータを追加してレポートの対象範囲を拡大することで、クラウド アーキテクトや管理者がサステナビリティを優先しやすくしています。

昨年、Carbon Footprint for Google Cloud を発表しました。これは、企業が Google Cloud サービスを使用する際の二酸化炭素総排出量を測定、レポート、削減できるようにするものです。来年初めには、Carbon Footprint for Google Workspace の提供を開始し、Gmail、Meet、Google ドキュメントなどのサービスに関連する排出量について同様のレポート機能を提供できるようになる予定です。

また、レポート作成のために Carbon Footprint のデータにアクセスする必要があるサステナビリティ チーム向けに、Carbon Footprint に特化した Identity and Access Management(IAM)のロールも提供を開始する予定です。これにより、Google Cloud の技術者でないユーザーでも簡単に排出量データにアクセスして、追跡や情報開示に利用できるようになります。クラウド コンピューティングの専門家でなくても、クラウド利用に伴う二酸化炭素排出量のデータの閲覧とエクスポートが可能です。

Shopify のサステナビリティ チームと IT チームは、サステナビリティの目標について密接に連携して取り組んでいます。「Shopify は、世界中の何百万人もの起業家にとって、最も低炭素なコマース プラットフォームとなることを使命としています」と、Shopify のサステナビリティ担当責任者を務める Stacy Kauk 氏は述べています。「Carbon Footprint のようなツールを使うことで、当社のエンジニアは技術的な決定が二酸化炭素に与える影響を把握し、高速でレジリエンスを備えた低炭素のコマース ソリューションを構築し続けることができます。」

また、サステナビリティの専門家でなくても、サステナブルなコンピューティングを選択することは可能です。Google は IT チームやチームに所属する管理者、クラウド アーキテクトのために、低炭素モードを導入しようとしています。このモードでは、新しい低炭素ロケーションのバリュー グループを使用して、Google インフラストラクチャ全体の低炭素ロケーションにクラウド リソースを制限できます。Google Cloud の使用による総排出量を削減するために最も効果的な行動の一つは、Google のインフラストラクチャに電力を供給するカーボンフリー エネルギーがより多いロケーションを優先して使用することです。他の選択肢と比較すると、二酸化炭素排出量を 5~10 倍削減できる可能性があります。

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排出量データをエンジニアの手に委ねている企業の一つに Uber があります。「Uber では、サステナビリティに組織全体で真剣に取り組んでいます」と、Uber のサステナブル エンジニアリング担当リード兼シニア セキュリティ エンジニアである Michael Sudakovich 氏は述べています。「乗客に対してよりサステナブルな選択肢を提供することから始まり、今では、Carbon Footprint によってエンジニアに利用サービスのクラウド排出量に関するデータを提供し、排出量削減のための提案をできるようになりました。2030 年までにカナダ、ヨーロッパ、米国で、2040 年までに全世界で Uber をゼロエミッションのプラットフォームにするために、すべての人がよりサステナブルな選択ができるよう支援することは、当社の全チームにとっての優先事項です。」

最後に、Carbon Footprint は、スコープ 1 と 3 の両方の排出量をレポートデータに追加しています。これは、お客様が Google Cloud を使用する際に発生する Google のスコープ 1 および 3 の排出量を割り当てたものです。排出量スコープの違いについてはこちらで詳しい説明を参照できます。簡単に分類すると、スコープ 1 は組織が直接管理する排出源からの排出量、スコープ 2 は組織が使用するエネルギーの生産に関連する排出量(すでに Carbon Footprint に導入されていたスコープ)、スコープ 3 はバリュー チェーンの上流から下流に至るまでに存在する間接的な排出量です。ユーザーはもうすぐ、Google Cloud の使用に関連する排出量を包括的に把握できるようになります。

「SAP ではサステナビリティを文化と事業の中核と位置付けており、組織全体に浸透するよう努めています。SAP Cloud の展開戦略では、2030 年までにネットゼロにするという目標の達成を支援する、サステナブルなデータセンターに注力しています。Google Cloud の使用に伴う二酸化炭素総排出量の把握、レポート、削減を行うために Carbon Footprint を活用しています。当社、そして当社と Google 共通のお客様が、バリュー チェーン全体をよりサステナブルなものにするために、Google データセンターが役立っています」と、SAP のマルチクラウド プロダクトおよびサービス担当責任者である Tom Lee 氏は述べています。

サステナビリティ エコシステムの成長

サステナビリティを重視した Google Cloud パートナーのエコシステムは、並外れた速さで拡大を続けています。グローバル企業や行政機関によるサステナビリティ プログラムの推進を支援するテクノロジー プロバイダが参加するこのイニシアチブに、革新的なソリューションを持つ複数の新しいパートナーが加わりました。本日は、パートナーがこのイニシアチブに参加しやすくなり、また組織がサステナビリティの目標達成に役立つツールや専門知識を見つけられるようにする、2 つの新しいプログラムを発表します。

1 つ目は Google Cloud Ready - Sustainability です。これは、お客様のサステナビリティ目標達成を支援する Google Cloud 上のビジネス向けソリューションを持つパートナーを対象とした、新しい検証プログラムです。GCR-Sustainability の指定を受けたパートナーは、二酸化炭素排出量の削減、バリュー チェーンにおけるサステナビリティの改善、組織の ESG データ処理の支援、気候リスクの特定によるレジリエンスの改善を実現するソリューションを提供します。

Carto、Climate Engine、NGIS、GEOTAB、Planet、Atlas AI、ElectricityMap は、Google Cloud Ready - Sustainability の指定を取得済みです。パートナーの多くは、地理空間データ、気候データ、アナリティクスなど、ESG の課題に対処する次世代テクノロジーに関して技術的な知見を有しています。Dun & Bradstreet のようなプロバイダは、この新しいサステナビリティ検証プログラムに期待を寄せています。

「気候に関わる事象の規模や頻度が高まる中、企業の拠点やサプライ チェーン全体にわたって、気候データをビジネス リスク マネジメントに取り入れることが不可欠となっています。Google Cloud Ready for Sustainability のようなプログラムは、従来の財務的考慮事項に加えて気候に基づくリスク要因を考慮するなど、ESG に関する変革を促進するソリューションの利用を加速します」と、Dun & Bradstreet で ESG プロダクト担当責任者を務める Rochelle March 氏は述べています。

Cloud Ready for Sustainability は Google Cloud Partner Advantage の一環であり、ビジネスモデル、顧客要件、成功指標、戦略的優先事項のすべてにおいてパートナーの成功を最大化するよう設計されています。Google Cloud Ready for Sustainability の詳細と申し込み方法については、こちらを参照してください。

2 つ目のプログラムとして、Google Cloud Marketplace Sustainability Hub を立ち上げます。これにより、検証済みのサステナビリティ ソリューションをお客様が簡単に利用できるようになります。Marketplace Sustainability Hub では Google Cloud Ready for Sustainability のソリューションが展示される予定で、サイトから直接購入できます。Marketplace Sustainability Hub は近日中に立ち上げる予定ですので、ご期待ください。

Sustainability Summit のエキサイティングなコンテンツをお見逃しなく

明日 6 月 28 日には、技術者、開発者、ビジネス リーダー、サステナビリティ リーダーを招いて、現在の気候変動対策リーダーが未来に向けた体制をどのように整備しているか学びます。講演、動画、プレゼンテーション、デモのすべてをこちらから確認できますので、お見逃しなく。


- Google Cloud、グローバル サステナビリティ担当マネージング ディレクター Justin Keeble
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