初の「Google for Startups アクセラレータ: 欧州における気候変動」に選出されたチームのご紹介
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 3 月 14 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Implement Consulting が Google のサポートを受けて実施した調査により、エネルギーと排出量の削減を促進するには、デジタル技術が不可欠であることがわかりました。適応策や気候対策に向けて画期的な技術で取り組むスタートアップ企業は、気候行動を加速させるうえで重要な役割を担っていますGoogle では、AI を活用した技術によってサステナビリティを推進するスタートアップ企業の活発なエコシステムを育成するとともに、彼らの成長を支援するメンターシップの機会、技術的な専門知識、クラウド テクノロジーを提供する橋渡しをしたいと考えています。
そしてこのたび、初の「Google for Startups アクセラレータ: 欧州における気候変動」に選ばれた 14 チームをご紹介します。
本プログラムの発表以来、何百件もの優れた取り組みに関して応募が寄せられました。その中から、農作物保険、衣料品の再販プラットフォーム、テクノロジーを使用した排出量の報告など、さまざまな問題に取り組んでいるスタートアップを選出しました。これらの画期的な企業は、7 つの異なる国に拠点があり、さまざまな業種に焦点を当てていて、創業者や経営者といった多様な経歴を持つ人々が集合しています。
これらの企業に共通していることは何でしょうか?それは、AI、地理空間データ、分析などのクラウド技術を活用して、企業、コミュニティ、人々のサステナビリティを高めるために取り組んでいるということです。
コホートのご紹介
気候変動適応策に取り組むスタートアップ企業
選出されたプロジェクトは、ビッグデータと AI を使用して、気候変動の影響への適応策を促進し、食糧安全保障の維持に取り組んでいます。イスラエルの AgroScout は、農家が農作物やサプライ チェーンの監視、検出、報告を行い、農産物の品質を確保して、温室効果ガス排出量および対象となる化学物質の適用を削減できるよう支援しています。テルアビブを拠点とし、ディープ ラーニングを使用して炭素隔離のマッピング、測定、監視を行い、スケーリングする Albo Climate も一緒に参加します。また、農業生態系を対象としているオランダの Agcurate は、衛星を活用した農業インテリジェンスと連携して、農家や農産物小売業者に農作物保証サービスを提供しています。
「Albo Climate のビジョンは、広大な生態系における炭素隔離を高い精度と透明性で監視し予測することで、自然に基づいた気候変動の緩和策候補を適応させることです。Albo にとって、Google アクセラレータは市場開拓戦略を強化し、独自の AI モデルを向上させ、UI インターフェースの完成度を高めるための素晴らしい機会です。Google の仮想マシンを統合することで、Albo のシステム アーキテクチャと予測プロセスの自動化に役立ちます。当社のクライアントがクラウド上で直接 AI モデルにアクセスして使用し、クエリを実行し、迅速かつ安全に結果を得ることができます」と、Albo Climate の CEO である Jacques Amselem 氏(博士)は述べます。
スコットランドの Earth Blox は、天然資源をよりサステナブルに管理するために、Google Earth Engine を活用して、森林や土地被覆の評価を行う必要があるパートナーに正確な地理空間データを提供しています。また、エストニアの Single.Earth は、AI に基づく手法で森林の健全性を評価し、定量化しています。ベルリンを本拠地とする Blok-Z は、再生可能エネルギーの発電と消費をブロックチェーンで追跡、検証、照合しています。
「私たちの目標は、電力小売事業者に、再生可能エネルギーの由来を完全に検証したうえで販売できるようにする、サービスの差別化要因を提供することです。技術分野で優れた能力を発揮する人々から、その専門知識を使用して、当社のユーザー エクスペリエンスとプラットフォームの機能を向上させることができる絶好の機会といえます」と、Blokz UG の CEO 兼共同創設者である Selim Satici 氏は述べます。「特に、コア インフラストラクチャの改善に役立つ Google Cloud のサービスとブロックチェーン ツールについて詳しく知りたいと思っています」。
サステナブルなサプライ チェーンに取り組むスタートアップ企業
よりサステナブルなサプライ チェーンを構築するうえで、AI は不可欠といえるでしょう。アムステルダムに本社を置く Dayrize は、幅広い商品を取り扱う企業が、消費者製品の ESG 影響評価を迅速に実施できるようにしています。スペインの BCome は、より環境に優しいバリュー チェーンを構築するために繊維企業を支援していることから、この両社は同様の技術的な課題を見つけられる可能性があります。ファッション業界でも、ベルファストに拠点を構える RESPONSIBLE は、過剰消費を避けるためのソリューションを提供しており、消費者が中古のストリートウェアを購入したり交換したりできるようにしています。
「私たちの最終的な目標は、ファッション業界で循環性を高め、衣類が埋め立て地に廃棄されないようにすることです。Google の AI 技術と e コマース / ショッピングの専門知識が、Google アクセラレータの期間中に、当社が業界を刷新するような優れたアイデアを提供できるようサポートしてくれることを願っています」と、Responsible の共同創設者兼 CEO の Mark Dowds 氏は述べます。
環境への影響度の測定に取り組むスタートアップ企業
このコホートのスタートアップ企業は、さまざまな分野にわたり環境への影響を評価するためのツールを開発しています。デンマークの Legacy は、不動産ポートフォリオの炭素会計と影響評価の簡素化に取り組んでおり、ロンドンを拠点とする Mortar IO のような企業と協業できるかもしれません。Mortar IO は、顧客がサステナブルな改修を低リスク、低予算で行うための方法を特定できるよう支援しています。英国の ESGgen は、企業が自社の環境、社会、ガバナンスの対策を監査できるようにし、ドイツの ecolytiq は、金融機関が顧客に環境報告書を提供するのを支援しています。最後に、ドイツを拠点とする eevie は、自社の脱炭素化キャンペーンに参加した従業員に報酬を与えています。
スタートアップ企業向けのリソース
このコホートは、今月ミュンヘンで行われるブートキャンプに参加し、Google チームや対象分野のエキスパートと緊密に連携して、サービス、エンジニアリング、ビジネス開発、資金調達に取り組む予定となっています。プログラムの多くは、スタートアップ企業に以下を提供することに重点を置いています。
Google のメンターや業界のエキスパートによる、カスタマイズされたトレーニング サポート(対面式やバーチャルでの活動、1 対 1 のメンタリング、グループ学習セッションなど)を提供します。
気候変動の最も困難な課題の解決に役立つイノベーション(クラウド コンピューティング、AI、機械学習、地理空間分析など)に関し、Google Cloud の専任技術エキスパティーズが、初期段階にいる参加者の取り組みを加速できるようサポートします。
気候変動対策に関心のあるパートナー候補、ベンチャー キャピタル企業、投資家との接触が可能です。
Google for Startups クラウド プログラムによるプロダクト クレジット。初年度は Google Cloud と Firebase の使用量のうち最大 $100,000 までクレジットでカバーされ、2 年目にはさらに 20% のコスト(最大 $100,000 まで)がカバーされます1。
12 週間後の、2023 年 6 月 1 日に開催される Demo Day に、このプログラムは締めくくられます。参加者の詳細については、Google for Startups ウェブサイトをご覧ください。
1. 利用規約が適用されます。
- Google for Startups アクセラレータ ヨーロッパ責任者 Noa Havazelet
- EMEA サステナビリティ担当責任者 Adam Elman