新しい調査: 検索の放棄が世界中の小売業者をいらいらさせている
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 3 月 24 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
検索の放棄(買い物客が小売業者のウェブサイトで商品を検索しても探しているものが見つからない場合に発生)により、全世界で年間 2 兆ドル以上1、米国だけで年間 2,340 億ドル以上の損失が小売業者に生じています。
今回は、Google Cloud の委託により実施された Harris Poll 調査( 14 か国で過去 6 か月間に小売ウェブサイトを訪問して検索機能を使用した 18 歳以上の成人約 13,500 人を対象とする調査)で明らかになった検索の放棄の影響(ブランドのロイヤリティや買い物客のセンチメントにおけるその位置づけを含む)に関する新しいデータを公表します。
良い(悪い)検索体験はすぐさま小売業者に影響する
Google Cloud は 2021 年に検索の放棄の調査を開始し、買い物客や小売業者に対する検索の放棄の影響を調べました。Harris Poll が 2022 年のピーク ショッピング シーズン(ブラック フライデーとサイバー マンデー)に行った最新の調査では、小売業者のウェブサイトにおける標準以下の検索体験は、販売機会の喪失と買い物客のセンチメントの両面で、これまでと変わらず大きな代償が伴うことがわかりました。
米国の消費者は、小売業者のウェブサイトでの検索がうまくいった場合、大多数(92%)が検索していた商品を購入します。また、4 分の 3 以上(78%)が、最初に検索した商品以外にも 1 点以上の商品を購入しています。検索がうまくいった場合、平均して 3 点の商品が追加で購入されています。
一方、米国の消費者の半数以上(53%)は、小売業者のウェブサイトの検索機能または検索ボックスを使用した検索がうまくいかなかった場合、通常はカートを放棄し、見つけられない商品がそのウェブサイトに 1 点でもあれば別のウェブサイトに移動すると回答しています。世界的にも同様の割合(53%)であり、インドの消費者はカートを放棄する可能性が最も高くなっています(63%)。
検索バーは小売業者にとって最も重要なオンライン アセット
米国の買い物客は、オンライン ショッピングの際に検索機能または検索ボックスに依存しています。小売業者のウェブサイトで商品を検索する最も一般的な方法であり(69%)、ウェブサイトの通常の閲覧(63%)が僅差で続きます。当然のことながら、消費者の 10 人中 9 人近く(88%)が、小売業者のウェブサイトにアクセスする際に優れた検索機能が非常に重要または絶対に不可欠であると回答しています。
しかし、検索体験には一貫性が欠けています。小売業者のサイトで検索機能を使用するたびに、探している商品(12%)または適切な代替品(11%)に正確にたどり着けると回答している米国の買い物客は 10 人に 1 人にすぎません。
2022 年 11 月から 12 月に実施した調査では、米国の消費者の 4 人中 3 人以上(76%)が、小売業者のウェブサイトの検索機能または検索ボックスを使用したことがあるが、探していた商品が見つからなかったと回答しています。これは平均して、その月に 4 回発生しています。世界を見ると、この数は大きく異なります。たとえば、日本では買い物客の検索がうまくいかない回数は 1 か月に約 2 回ですが、インドで小売業者のサイトでの検索がうまくいかない回数は、それよりもはるかに多い 1 か月に 5 回となっています。
希望の商品を見つけるために顧客が検索、フィルタリング、絞り込みを繰り返し行うことを期待できる時代は終わりました。世界中の人々は、自分の意図を深く理解し、関連する結果を返し、自分に合ったおすすめで新商品を簡単に見つけられるようにすることをサイトの検索エンジンに期待しています。
たとえば、e コマース サイトで「花柄のゆったりした半袖ロングドレス」を検索する場合、買い物客は検索を何度も調整し、最終的に買い物を諦めるのではなく、ぴったりな結果がすぐに表示されることを期待しています。しかし、さまざまな機能、とりわけ自然言語を理解するなどの機能がなければ、多くの小売業者の検索エンジンにとって、買い物客が探しているものを正確に理解することはまだまだ困難です。その上、買い物客が探しているものを理解できないことには代償が伴います。
検索の放棄は依然として多いが、ロイヤリティの獲得は可能
米国(78%)および世界(72%)の消費者の大多数は、ウェブサイトで希望の商品を見つけるのが難しい場合、そのブランドへのロイヤリティが低下すると回答しています。
10 人中およそ 8 人(米国: 81%、世界: 80%)は、小売業者のウェブサイトで検索がうまくいかなかった場合、そのサイトを離れて別のサイトで商品を購入する可能性が高いと回答しています。10 人中およそ 8 人(米国: 82%、世界: 77%)は、検索が使いにくいと感じたことのあるウェブサイトを避けていると回答しています。
小売業者にとって幸運なことに、消費者の 86% は、検索がうまくいかなかった後、割引やプロモーションを提供する(46%)、ウェブサイトをアップグレードする(45%)、あるいは消費者が検索した目当ての商品を記載したメールを送信する(36%)ことで、ロイヤリティを取り戻すことができると回答しています。
Google Cloud の AI テクノロジーを利用すれば、小売業者は買い物客が求める検索および閲覧体験を手にすることができます。また、Google Cloud の Discovery AI が Shopify の Commerce Components に統合されたことで、世界中のさらに多くの小売業者が、Google 品質の検索機能を使用してデジタル ショッピング体験を簡単に更新できるようになっています。
詳細な調査結果については電子書籍をダウンロードしてください。また、カスタマー エクスペリエンスを改善し、検索の放棄に取り組むための小売業者向け Google Cloud ソリューションについて詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。
1. 各国の現地通貨は、2023 年 3 月 16 日の為替レートを使用して米ドルに換算されています。