安全な生成 AI の取り組みに着手するための公共部門向けガイド
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 10 月 20 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
生成 AI には公共部門に革新的な影響を与える可能性があります。生成 AI を活用すれば、常時接続の AI コラボレーション機能によって、公共機関の職員のコラボレーションを促進し、創造性や生産性を高めることができます。実際には、生成 AI をコンテンツの草案作成と反復のためのプレインストーミング アシスタントとして機能させることや、公共機関のウェブサイトで住民との会話的かつリアルタイムのインタラクションを推進することも可能であるということです。
AI はミッションの成果を加速させ、行政機関が機能する仕組みの未来を形作っています。KPMG の調査によると、行政機関の意思決定者の 77% が組織でのより積極的な AI 導入を望んでおり、職員側もその準備ができていると考えています。また先月には、連邦政府が保健、運輸、環境保護、社会福祉の各サービスにわたる 700 件以上の AI ユースケースを文書化しました。
安全な生成 AI の取り組みにすぐに着手していただけるよう、このたび公共部門向けの生成 AI スタートガイドを作成しました。Google Cloud の AI スペシャリストやお客様から寄せられた推奨のベスト プラクティスが盛り込まれており、AI の導入を開始するための手順ガイドとして行政機関のリーダーの方にご活用いただける、ダウンロード可能な電子書籍です。ガイドでは、最初のユースケースを 30 日でリリースするおすすめの方法と、成果を測定するための適切な重要業績評価指標(KPI)を設定するおすすめの方法をご紹介しています。重要なのは、この電子書籍で責任ある業務慣行に確実に従うための AI ガバナンス プロセスの確立方法についても説明し、その各ステップに役立つリソースを提供しているという点です。
生成 AI で新しい働き方と公共サービスの提供方法を実現する
行政機関では、意思決定を行うため、公共サービスを提供するため、ミッションを前進させるために、毎日時間と労力を費やして情報を探しています。情報に基づく意思決定には情報が必要であり、適切な情報の収集には時間がかかります。
このガイドでは、行政機関(保健福祉、労働、運輸、教育の各分野)における生成 AI の潜在的な価値を、推奨のユースケースとお客様事例を含めてご紹介します。ガイドを読み終える頃には、成功が約束された責任ある AI 導入に着手するための知見を獲得していることでしょう。
以下に実際のお客様事例をいくつかご紹介します。
- ミネソタ州とミシガン州ディアボーン市は、多言語で 24 時間 365 日対応の行政サービスを住民に提供するため、AI ベースのコンタクト センターを構築しました。
- ウィスコンシン州労働力開発局は、未処理分の失業申請を解消するため Google Cloud AIと ML を導入しました。毎週平均 157,000 件の申請を処理して、2~3 営業日以内にほとんどの支払いを住民に提供できるようになりました。
- テネシー州メンフィス市は高解像度の映像を AI で解析して、地域における道路の陥没の特定と修繕、街区の荒廃状況の判別を行いました。
- Nerdy Inc の Varsity Tutors プラットフォームは AI を活用し、学習、社会的交流、自己啓発の成果に影響する 100 以上の変数を考慮して生徒とチューターのマッチングを行っています。Varsity Tutors のチューターはさらに、AI ドリブンな適応型評価を利用して生徒が科目を理解できているかをすばやく把握し、200 の科目と 4,000 のスキルにわたって生徒の強みと成長の可能性がある分野を特定しています。
未来へ向けた進化を段階的に進める
生成 AI のように新しいテクノロジーが急速に進化すると、ついていくのが大変になることがあります。Google Cloud は公共部門の戦略的パートナーとして、リーダーの皆様が適切なフレームワーク、ツール、ガバナンス構造を通じて進むべき方向を計画し、AI に対する責任あるアプローチを組織全体に浸透できるよう支援しています。Google は、誰にとっても簡単でスケーラブルな機能を提供することで、AI による進化を牽引していきます。
生成 AI が市民のエンゲージメントとサービスの未来をどのように改善できるかの詳細は、新しい 10 ステップのガイドをダウンロードしてご確認ください。
-Google Cloud、公共部門担当マーケティング ディレクター Katharyn White