2022 年のリサーチ イノベーターの成果と 2023 年の応募受付開始のお知らせ

※この投稿は米国時間 2022 年 12 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Google Cloud は 2020 年にリサーチ イノベーター プログラムを立ち上げ、最新のクラウド テクノロジーを利用した科学的ブレークスルーの実現に寄与してきました。リサーチ イノベーターは、Google の専門家へのアクセスや仲間からのサポートにより、実社会に影響を与えるプロジェクトを急速に進展させることができます。さらに Google Cloud 研究クレジット、研究の共有に対するサポート、講演機会、Google カンファレンスへの無料招待なども提供されます。第 2 団のコホートである 62 名の研究者が本年度のプロジェクトを完了したことを称して、そのいくつかをご紹介します。

オーストラリアのニューイングランド大学応用農学リモート センシング センターに所属する James Brinkhoff 准教授は、Google Cloud と Google Earth Engine を使用して、オーストラリアにある稲田を網羅したリアルタイム マップを開発しました。このデータに機械学習モデルを適用することで、オーストラリアの稲作農家が稲田の管理を最適化して、米の生産量を持続的に増やせるようにする予測を生成できます。この予測は、気候変動によって予想外の状況や極端な状況になって場合でも機能します。

オランダのライデン大学メディカル センターに所属する博士研究員兼データ サイエンティストの Marieke van Buchem 氏は、自然言語処理（NLP）ツールを利用して、病院における臨床人工知能（AI）の導入を加速させ、規模を拡大させました。同氏は、スタンフォード大学の共同研究者とともに、がん患者のうつ病リスクを特定するプログラムを先導しました。Google のオープンソース、BERT（Bidirectional Encoder Representations from Transformers）を使用した彼らのモデルは、患者が発するメッセージから憂慮すべきものとそうでないものを区別し、異なる属性を持つ患者のサブグループ全般にわたって正確な結果を生み出すことに成功しました。

エジンバラ大学情報学研究科の研究員、Ignacio Carlucho 氏は研究チームとともに、自動運転などの予測不能な状況においても不特定数のチームメイトと連携する方法をロボットに教えるモデルを開発しました。同チームは、8 個のGoogle Cloud グラフィカル プロセッシング ユニット（GPU）を同時に使用して、ロボットの 1,000 万もの異なる行動（タイムステップ）をシミュレーションするモデルを実行しました。この学習フレームワークにより、チームとの連携で偶発的に遭遇するさまざまな問題に対処するロボットの学習能力が向上しました。

ワルシャワ大学コンピュータ サイエンス学部の助教授で、カリフォルニア大学ロサンゼルス校デヴィッド ゲフィン医科大学院の研究員も務める Neo Christopher Chung 氏は、CT スキャンや PT スキャンなど、がんの病理画像の検証に AI を活用し、患者の病状および予後の診断の正確性を向上させました。同氏はワルシャワ大学計算生物学および機械学習グループの共同研究者とともに、数百ギガバイトから数十ペタバイトに及ぶデータセットの処理に Google Cloud の GPU を使用して、腫瘍を正確に分類し、同時にその決定プロセスを説明できる高性能 AI を開発しました。

カルガリー大学ワークランド教育学部の准教授を務める Gregory Tweedie 氏は、カナダ医師免許の外国語テストの正確性評価に機械学習を活用しました。同氏のチームは、数種類の国際的に標準化された言語テストにおける受験者の得点を、Google の VertexAI を使用して 90% の精度で予測するアプリ、TestPredikt を開発しました。この研究は、言語テストスコアの主要な予測因子を識別することで、言語テストを公正化し、利用しやすくしました。

2022 年のリサーチ イノベーターとそのプロジェクトの詳細については、こちらをご確認ください。2023 年のコホートへの参加を申し込むには、1 月 29 日までにお申し込みフォームにご記入ください。Google Cloud のご利用については、ご自身の研究に対する無料クレジットにお申し込みください。