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パートナー

Google Cloud の機能を活用して ISV を支援

2020年8月3日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 7 月 14 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

企業は主要なアプリケーションをクラウドで実行することで、強化されたグローバルな可用性、セキュリティ、弾力性を低費用で活用できるというメリットを享受しています。しかし、企業が必要としているのはこれだけではありません。デプロイの柔軟性を高める、分析や AI / ML を通じてデータの価値を引き出す、クラウドで実現できるテクノロジー エコシステムを活用するといった、多くのニーズを抱えています。

こうしたニーズに応えるために、独立系ソフトウェア ベンダー(ISV)はより多くのパブリック クラウド パートナーを求めています。クラウドで自社サービスを実行するだけではもはや十分ではないため、変革せざるを得ない状況にあるといえるでしょう。これはつまり、よりアジャイルにマルチクラウド アーキテクチャやプラクティスを採用してポータビリティを実現し、イノベーションと差別化を可能にする真のパートナーシップを築く能力が必要であることを意味します。

本日 Google Cloud は、ISV がこのクラウド変革を加速するために役立つ新しいリソース、Google Cloud ISV / SaaS センター オブ エクセレンス(CoE)を発表いたしました。CoE は、ISV がクラウドに依存しないオープンなアーキテクチャで自社のアプリケーションを変革したり、AI / ML や音声機能でユーザー エクスペリエンスを変革したり、ビジネス ユーザーへの豊富な分析機能の提供により自社のアプリケーションからインテリジェントな分析情報を提供したりするうえで役立ちます。

CoE 内の ISV ソリューション アーキテクトにより、Google Cloud やその他の Google 製品分野におけるプロダクト、テクノロジー、ソリューション アーキテクチャの専門知識が提供されます。こうした専門知識により、ISV は GCP にアプリの効果的なデプロイメントを作成できるようになると同時に、Google 独自の DevOps / SRE 機能のベスト プラクティスや手法を活用して、Google 独自のアプリケーションを大規模に提供します。こうした経験が世界トップクラスの多数の ISV のクラウド化を加速させています。

(マルチ)クラウドの変革

すべてのクラウド変革に当てはまる万能なアプローチというものは存在しません。多くの ISV はお客様と協力して、ビジネス クリティカルなアプリケーションをオンプレミスからクラウドに移行します。可能な限り迅速かつ簡単に「リフト&シフト」することもあれば、コンテナ、マイクロサービス、サーバーレス、オープンソース ソフトウェアに基づいた最新のクラウド ネイティブなアーキテクチャをアップグレードして採用する場合も多くあります。これ以外にも、自社サービスの変革だけでなく、マネージド サービスまたは SaaS モデルに移行する際のビジネスモデルを変革する場合もあります。

クラウドへの移行には、「マルチクラウド」という共通のテーマがあります。ISV は、複数のパブリック クラウドを活用するか、ハイブリッドの Google Cloud とオンプレミス / Edge モデルを採用して、より高い可用性を提供します。地域の規制要件を満たしながらグローバルに拡大し、顧客がビジネスに最適な環境で実行できるようにしたり、ベンダー ロックインを回避したりします。CoE には、Google Cloud の Anthos プラットフォームでのアプリケーションの構築やデプロイ、またオープンソース ソフトウェアに基づくクラウドに依存しないアーキテクチャの設計で独自の専門知識があります。

大手銀行向けの ISV である Temenosは、今年初めに Google Cloud とのグローバルな戦略的パートナーシップを発表しました。Temenos は CoE を活用して、お客様独自の Google Cloud 環境内で Software as a Service(SaaS)モデルを使用して、一連の銀行業務ソフトウェアとアプリケーションを提供しています。また、Temenos は Anthos を活用することで、お客様がハイブリッド クラウドやマルチクラウド環境全体にミッション クリティカルなワークロードをデプロイできるよう支援しました。

Temenos Technology のプロダクト ディレクターである Tony Coleman 氏は、次のように述べています。「銀行業界ではクラウドの導入が爆発的に増加しています。Google Cloud と提携して Software as a Service を Google Cloud や、Anthos を使用した複数のクラウド プラットフォーム全体で提供できることを嬉しく思います。ISV / SaaS の CoE を使用することで、必要なときにいつでも実践的な技術的知識を得られると同時に、Google の豊富な専門知識にアクセスできるようにすることで、より迅速に行動できるようになりました。」

コラボレーションによるイノベーションと差別化

CoE は、ISV が既存のサービスの変革や、新サービスの開発をサポートする取り組みも行っています。たとえば、ISV がインテリジェンスを組み込んで自動化と予測可能性を実現し、音声、動画、検索、チャットベースのインターフェースを組み込んで UI / UX を変更して、自社データを外部のサードパーティのデータと統合することで、データ サイエンティストを必要とせずにビジネス ユーザーがリアルタイムの分析情報に基づいて行動できるよう支援しています。

CoE は、Contact Center AI や Cloud Healthcare API などの AI / ML ソリューション、BigQuery や AutoML Tables などのスマート分析機能、Google Meet などのエンタープライズ コラボレーション ツールをはじめとした、Google Cloud の幅広いソリューション ポートフォリオを使用して ISV と共同でイノベーションを促進します。ISV はまた、CoE の専門知識と Google の広範なサービス分野(Google ショッピング、広告、マップ、Pay、アシスタント、Android、Chrome など)との強力なつながりを活用して、他に類を見ない差別化されたソリューションを作成できます。

業界トップクラスの情報管理ソフトウェア プロバイダである OpenText は、クラウドベースのデジタル エクスペリエンス プラットフォーム(DXP)でのカスタマー エクスペリエンス管理のデプロイに向け、優先パートナーとして Google を選びました。OpenText の DXP のカスタマー エクスペリエンス管理ソリューションのユーザーは、多くの場合 Google のマーケティング プラットフォームを使用しています。パーソナライズされた、関連性のある魅力的なエクスペリエンスを促進して、最終的にコンバージョン率を高めるために、お客様は自社のデータを Google アナリティクス 360、広告、YouTube 全体のデータソースと統合したいと考えています。CoE、OpenText、Google マーケティング プラットフォーム、スマート アナリティクスの各チームは、そのビジョンを市場で実現するために共同でイノベーションへの取り組みを行っています。

OpenText の最高マーケティング責任者である Lou Blatt 氏は、次のように述べています。「Google Cloud は、企業がコンテンツやアプリケーションを安全に管理するための魅力的なプラットフォームを提供し、世界規模のイノベーションの機会を与えてくれます。しかし、お客様はそれ以上のものを求めていたのです。ISV / SaaS CoE により、Google Cloud 全体の専門知識と Google の幅広いサービス分野を結集して、共通のお客様に当社ならではのソリューションを提供できるようになりました。」

CoE の詳細を確認して使用を開始するには、ご担当の Google Cloud パートナー マネージャーにお問い合わせいただくか、Google Cloud Partner Advantage をご覧ください。 

- Google Cloud SaaS パートナーシップ部門マネージング ディレクター Siddhartha Agarwal

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