SAP と Google Cloud がパートナーシップを拡張し、企業向けのオープンデータと AI の未来を構築
Google Cloud Japan Team
新サービスでは SAP と Google Cloud のデータおよび分析技術を統合。 企業データをよりオープンかつ価値あるものにすることで、企業の AI 開発を促進
※この投稿は米国時間 2023 年 5 月 11 日に、Google Cloud Press Release に投稿されたものの抄訳です。
SAP SE(NYSE:SAP)と Google Cloud は、パートナーシップを大幅に拡張し、データ環境をシンプルにしてビジネスデータの力を引き出すよう設計された包括的なオープンデータ サービスを提供することを発表しました。本サービスにより、お客様は SAP® Datasphere ソリューションと Google のデータクラウドを組み合わせて、企業全体からデータを取り込むエンドツーエンドのデータクラウドを構築できるようになります。これにより、企業はデータ資産全体をリアルタイムで確認し、Google Cloud と SAP ソフトウェアの投資から最大限の価値を引き出すことができるようになります。
データはデジタル トランスフォーメーションと AI 開発の基盤となるものです。企業は、蓄積してきたデータの価値を実感するまでに、複雑なデータ統合、カスタム分析エンジン、ジェネレーティブ AI や自然言語処理(NLP)モデルの構築など、多大なリソースを費やしています。特に SAP システムから得られるデータは、組織にとって最も貴重な資産の 1 つであり、サプライチェーン、財務予測、人事記録、オムニチャネル小売などに関する重要な情報を含んでいます。SAP Datasphere は、ミッション クリティカルなデータがどこに置いてあるかに関係なく、企業全体のデータとして統合します。あらゆるデータソースから SAP データと非 SAP データを Google Cloud 上で 簡単に組み合わせることができれば、企業はビジネスに関連する明確に定義されたデータ基盤を使用することで、デジタル トランスフォーメーションを劇的に加速することが可能になります。
SAP SE の CEO 兼エグゼクティブ・ボード・メンバーであるクリスチャン クライン( Christian Klein ) は次のように述べています。「SAP のシステムとデータを Google のデータクラウドに統合することで、企業はあらゆるデータからより多くの価値を引き出すための全く新しい機会を得られます。SAP と Google Cloud は、オープンデータへの取り組みにコミットしており、パートナーシップの拡張は、異なるシステム、データベース、環境に保存されたデータ間の壁を取り払うのに役立ちます。私たちのお客様は、当社のシステムにすでに組み込まれているビジネス AI だけでなく、統合されたデータ基盤からも恩恵を受けることができます。」
Google Cloud の CEO であるトマス キュリアン( Thomas Kurian )は、次のように述べています。「SAP と Google Cloud は、エンタープライズ AI の将来の基盤となる、非常に包括的でオープンなデータクラウドを提供することが可能になりました。デジタル トランスフォーメーションにとって、データほど重要なリソースはありません。SAP のデータとシステムを 我々のデータクラウドと統合することで、お客様は Google Cloud の分析機能だけでなく、高度な AI ツールや大規模言語モデルを活用して、データから新しい見識を見出すことができるようになります。」
SAP と Google Cloud が提供する新しい オープンデータ サービスは、Google Cloud のお客様や、Google Cloud 上で RISE with SAP ソリューションを利用するお客様に、以下の機能を提供します。
ビジネス クリティカルなデータにリアルタイムでアクセス: SAP Datasphere と Google Cloud BigQuery の統合により、お客様は最も重要なデータに、重複することなくリアルタイムで簡単にアクセスできるようになります。また、SAP S/4HANA® や SAP HANA® Cloud などの SAP ソフトウェア システムのデータを統合できるため、 Google のデータクラウド上で最も重要なデータを包括的に把握できるようになります。
データ環境の簡素化:SAP と Google Cloud は、強力なデータ レプリケーションおよびフェデレーション技術を共同開発しました。これにより、企業は SAP ソフトウェアのデータを BigQuery 環境に簡単に統合し、SAP と Google Cloud の最先端のデータ分析機能を活用できるようになります。また、お客様は SAP Datasphere と BigQuery を横断するクエリをフェデレーションし、SAP と非 SAP のデータを結合することができるようになりました。これにより、マーケティング、販売、財務、サプライ チェーンなどにわたるソースで発生するデータのサイロ化を解消することができます。例えば、卸売業の流通モデルを持つお客様は、製品が販売経路を経て顧客に届くまでの過程において、その全容を把握することができます。
Google Cloud の高度な AI および機械学習(ML)モデルにより、信頼性の高いインサイトを作成: Google の AI および 機械学習 (ML) のサービスを利用して、SAP および非 SAP システムからのデータに基づいて、モデルをトレーニングすることができます。
高度な分析を実行: Google Cloud の SAP Analytics Cloud ソリューションの分析機能を活用して、モデルの精度を向上させながら、財務やビジネスの成果を分析することができます。SAP Datasphere を使用して BigQuery のデータを簡単に統合することで、お客様は単一かつ包括的な視点でビジネスの計画を立てることができます。
サステナビリティのために共同ソリューションを活用:SAP とGoogle Cloud は、SAP Datasphere と Google Cloud が提供する広範な ESG データセットやインサイトを組み合わせて、実用的なインサイトでサステナビリティに向けた取り組みを加速する方法を模索しています。
グローバルで Google Cloud 上の SAP® Business Technology Platform(SAP BTP)を利用:SAP は、SAP Analytics Cloud と SAP Datasphere のサポートを含む、SAP BTP と SAP HANA Cloud on Google Cloud の地域サポートを拡大することで、マルチクラウド サービスを推進します。SAP と Google Cloud は、今年新たに 5 つのリージョンで SAP BTP の提供を開始し、2025 年までに合計 8 つのリージョンでサポートすることを計画しています。
また、両社は、企業の最大のデータ プロジェクトに対するマーケティング活動でも連携し、お客様が SAP と Google Cloud 両社のデータ製品を単一のサービスの一部として採用できるようにする予定です。SAP Sapphire® の来場者は、Google Cloud のブースにて、AI とデータに関する共同ソリューションのデモをご覧いただけます。例えば、チャットボットによる購入希望商品の検索、作成、編集など、一般的なワークフローやアプリケーションにジェネレーティブ AI を適用する方法などが挙げられます。SAPPHIRE カンファレンスは、2023 年 5 月 16 日 ~ 17 日にフロリダ州オーランドで開催されます。
Google Cloud について
Google Cloud は、あらゆる企業のデジタル トランスフォーメーション(DX)を推進します。Google の最先端技術を活用したエンタープライズ グレードのソリューションを、業界で最もクリーンなクラウド上で提供しています。200 以上の国と地域のお客様が、成長を実現し、最も重要なビジネス上の課題を解決するための信頼できるパートナーとして、Google Cloud を利用しています。
SAPについて
SAPの戦略は、あらゆる企業がインテリジェントエンタープライズになるよう支援することです。SAPは、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェア市場のリーダーとして、あらゆる業種・規模の企業の成功を支えており、世界中の商取引売上の87%は、SAPのお客様によって生み出されています。SAPのマシンラーニング、IoT、高度なアナリティクスの技術は、すべての企業のビジネスをインテリジェントエンタープライズに変革することを支援しています。さらにSAPは、人々や組織が的確なビジネス判断を行うための洞察力を深めるサポートをし、高い競争優位性を実現するための協業を促進しています。よりシンプルになったSAPの技術により、企業はボトルネックにわずらわされずに目的に沿ってソフトウェアを最大限に活用できるようになります。SAPのエンド・ツー・エンドのアプリケーションスイートとサービスは、世界25業種における企業および公共事業のお客様が利用し、ビジネスにおいて利益を上げ、絶え間ない変化に適応し、市場における差別化を実現するサポートをしています。お客様、パートナー、社員、ソートリーダーなどのグローバルネットワークを通して、SAPは世界をより良くし人々の生活を向上させることに貢献しています。( www.sap.com/japan )
SAP、その他の SAP 製品、サービス、ならびにそれぞれのロゴは、ドイツおよび世界各国におけるSAP SE の商標または登録商標です。その他の商標に関する情報については、https://www.sap.com/copyright をご覧ください。