コンテンツに移動
ハイブリッド クラウド

クラウド機能と AI 機能を最前線の現場に実装: Google Distributed Cloud エアギャップ アプライアンスの一般提供を開始

2024年7月22日
Rohan Grover

Director of Product, Google Cloud

Leigh Palmer

VP, Technology, Delivery & Operations, Google Public Sector

Gemini 1.5 モデル をお試しください。

Vertex AI からアクセスできる、Google のもっとも先進的なマルチモーダル モデルです。

試す

※この投稿は米国時間 2024 年 7 月 18 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

災害地域、遠隔地の研究施設、長距離トラックでの輸送業務といった過酷な環境、切断された環境、モバイル環境などでコンピューティング機能を提供する際、組織は重大な課題に直面します。これまでミッションクリティカルなワークロードを抱える組織は、独自の課題や要件がある厳しい現場環境において、重要なクラウドや AI 機能にアクセスすることができずにいました。

このたび、Google Distributed Cloud エアギャップ アプライアンスの一般提供が開始されました。これは、最前線の現場環境に Google のクラウド機能と AI 機能を実装できる Google Distributed Cloud の新しい構成です。統合されたハードウェアとソフトウェアのソリューションが、オブジェクト検出、医療画像分析、重要なインフラストラクチャの予測メンテナンスといった AI のユースケースにおけるリアルタイムのローカルデータ処理を実現します。アプライアンスは高耐久性ケースで輸送したり、お客様固有のローカル運用環境内のラックにマウントしたりできる利便性が特長です。

Google Distributed Cloud エアギャップ アプライアンスは、以下をご提供します。

  • 国防総省(DoD)影響レベル 5IL5)認定: このアプライアンスは、未分類の機密情報に要求されるセキュリティ管理と保護の最高レベルに適合していることを示す影響レベル 5 の認定を取得しています。また、影響レベル 6 とそれ以上の認定にも適合するよう設計されており、こうした認定の取得に向けて取り組んでいます。

  • 高度な AI 機能: お客様は Google Distributed Cloud エアギャップ アプライアンスに組み込まれた翻訳、スピーチ、光学式文字認識(OCR)などの AI ソリューションを活用して、ミッションクリティカルなアプリケーションのパフォーマンスを強化できます。たとえば、OCR と翻訳の機能を使って複数の言語で書かれたドキュメントをスキャンして翻訳すれば、さまざまなエンドユーザーが理解できるようになります。

  • 耐久性と携帯性に優れた設計: Google Distributed Cloud エアギャップ アプライアンスは異常な温度、衝撃、振動などの過酷な環境条件に耐えられるよう設計されています。MIL-STD-810H といった厳格な認証要件を満たす頑丈で持ち運びやすい設計により、困難なシナリオにおいても安定したオペレーションを確実に行います。重量は約 100 ポンド(約 45 kg)のため、さまざまな場所への輸送とデプロイが容易です。

  • 完全分離: Google Distributed Cloud エアギャップ アプライアンスは、Google Cloud や公共インターネットに接続されていなくても運用できるよう設計されています。分断された環境でも完全に機能し続け、管理対象のインフラストラクチャ、サービス、API のセキュリティと分離を保ちます。そのため、厳格な規制、コンプライアンス、主権の要件を満たしながら機密データを処理するのに最適です。

  • 統合型クラウド サービス:  Google Distributed Cloud エアギャップ アプライアンスは、コンピューティング、ネットワーキング、ストレージのような Infrastructure as a ServiceIaaS)機能と、データ転送やデータ分析テクノロジーなどの Google Cloud サービスの両方を提供します。

  • データ セキュリティ: Google Distributed Cloud エアギャップ アプライアンスには、暗号化、データ分離、ファイアウォール、機密情報を保護するセキュアブートなどの堅牢なセキュリティ機能が備わっています。

Google Distributed Cloud エアギャップ アプライアンスなら、次のような厳格なセキュリティ要件を抱える組織の幅広いユースケースに対応できます。

  • 災害対応: 災害の直後は、災害支援と人命救助のためにタイムリーで正確な情報が重要です。しかし多くの場合、被災地では従来のコミュニケーションとデータ処理システムに対応するのに必要なインフラストラクチャが不足します。自己完結型の堅牢なデバイスである Google Distributed Cloud エアギャップ アプライアンスは、インターネット接続がなくても災害の影響を受けた地域に迅速にデプロイできます。データの収集と分析に不可欠なソフトウェアとツールが事前に読み込まれているため、緊急事態への即時対応が可能です。Google Distributed Cloud エアギャップ アプライアンスを活用すれば、救助団体は災害対応能力を強化して、連携を向上させ、有事の際に人命を救助できます。

  • 産業オートメーション: Google Distributed Cloud エアギャップ アプライアンスは、遠隔地の困難な環境における機器のリモート モニタリング、予測メンテナンス、処理最適化のための革新的なソリューションを提供します。たとえば製造業では、アプライアンスを活用して遠隔地にある工場の設備のパフォーマンスを追跡して最適化することで、生産性を高めてダウンタイムを最小に抑えることができます。

  • 運輸と物流: Google Distributed Cloud エアギャップ アプライアンスは、フリート管理、自律走行車、リアルタイムでの物流の最適化といった固有のニーズに対応できます。たとえば、アプライアンスは自律走行車のデプロイと運用に役立ちます。リアルタイムの収集、処理、意思決定を可能にして、自律走行車が複雑な環境で安全かつ効率的に移動するのをサポートします。

  • 連邦政府と国防省向けの制約があるワークロード: Google Distributed Cloud のエアギャップ アプライアンスは、セキュリティを適用してコンプライアンス規制を遵守しながら機密データの分析、AI 推論とシミュレーション、インテリジェンス翻訳を実行するといった、制約があるワークロードのニーズを満たすよう設計されています。

Google Distributed Cloud エアギャップ アプライアンスなら米国空軍 Rapid Sustainment OfficeRSO)は最前線という厳しい環境にいる空軍兵にメンテナンス デジタル エコシステムを提供できるようになり、セキュリティと信頼性を優先しながら空軍のアジャイル目標を達成できます」と、RSO RapidAgileIntegrated Capabilities チームの責任者である Michael Roquemore 氏は述べています。「安全でコンプライアンス性の高いエッジ コンピューティング プラットフォームを配置することで、RSO はすでに開発が進んでいる Google ベースのテクノロジーを活用できます。接続されたクラウドと切断されたエッジの両方で、兵士たちがどこで任務に就いていてもデジタル イノベーションを届けることができます。」

詳細については、Google Distributed Cloud エアギャップ アプライアンスのウェブサイトをご覧ください。エアギャップ クラウドの要件についてのご相談は、こちらのフォームにご記入ください。Google チームのメンバーより連絡いたします。

-Google Cloud、プロダクト担当ディレクター Rohan Grover
-
Google Public Sector、テクノロジー、デリバリーおよび運用担当バイス プレジデント Leigh Palmer
投稿先