Google、通信ネットワークの進歩 に向け O-RAN アライアンスに加入
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 6 月 29 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google は、お客様、パートナー、テクノロジー ベンダーなど幅広いエコシステムと共同でイノベーションを起こすことが、業界のデジタル トランスフォーメーションを加速させるうえで非常に重要であると確信しています。通信業界の変革を目指して、Google はオープン標準に貢献し、オープンソースに一貫して取り組むとともに、継続して Google の活気あふれるパートナー ネットワークの拡大に尽力してまいりました。
2020 年に通信業界向けの包括的な戦略を発表して以来、Google は世界中のお客様、パートナー、複数の業界団体との緊密な連携のもと、業界の変革を支援してまいりました。本日、Google は O-RAN アライアンスに加入し、新たな一歩を踏み出します。O-RAN アライアンスは、無線アクセス ネットワーク(RAN)業界のモバイル ネットワーク事業者、ベンダー、研究・学術機関による国際的なコミュニティです。
クラウドネイティブなネットワークへの対応を加速
モバイル ネットワークの進化を実現するうえで、無線アクセス ネットワーク(RAN)は、総所有コストと全体的な複雑さを軽減し、規模を縮小する非常に重要な役割を担っています。現在、世界中の事業者は、分離、クラウド、ソフトウェア中心の原則に基づいて無線アクセスの変革を進める途上にあります。
O-RAN アライアンスは RAN レイヤに大きな進歩をもたらし、すでにこの標準を先行して実践する通信サービス プロバイダから多くの支持を得ています。Google は、RAN 用のオープンな業界共通リファレンス アーキテクチャとインターフェースが通信サービス プロバイダ(CSP)のモバイル ネットワーク全体のイノベーションを加速する鍵を握ると確信しています。また、O-RAN の仕様は、ユーザー エクスペリエンスの向上や新たな CSP 運用モデルを実現するイノベーションを高速化し、ネットワーク セキュリティの強化や RAN サプライヤー エコシステムの競争力向上と活性化につながるものです。
業界のリーダーと連携
Google は、O-RAN アライアンスの新たなメンバーとして、幅広い知識と専門性を活かし、さまざまな O-RAN の取り組みの実現に向けて、他のメンバーとともに尽力してまいります。
ソフトウェア イノベーションの実績
長年にわたり、Google は Go などのプログラミング言語、世界中で 10 億を超えるモバイル デバイスの基盤となる Android モバイル オペレーティング システム、コンテナ オーケストレーションの業界標準となった Kubernetes など、ソフトウェア イノベーションに取り組んでまいりました。O-RAN の目指す、真にオープンなクラウド ソフトウェア中心の思想を、さらに確実に実現するために尽力したいと考えています。ハイブリッドおよびマルチクラウドなソリューションで選択肢を提供
5G は、クラウド、ソフトウェア、ネットワークを一つにしました。これにより、世界中の通信サービス プロバイダが、IT とネットワーク両方の変革にパブリック クラウドとマルチクラウドを活用するようになりました。Anthos の包括的かつオープンでハイブリットなモジュール式ソリューションは、幅広い RAN ユースケースに対応できる柔軟なデプロイモデルを可能にしました。このように Google Cloud ソリューションは、新しいアプリケーションのシームレスな構築とスケーリングをあらゆる環境で実現し、通信サービス プロバイダのデベロッパー エコシステムを支援します。ネットワークを牽引
Google は過去 10 年間にわたり、プログラマビリティ、オープン API、宣言的インテント、データモデル、初期のネットワーク機能のソフトウェア定義の登場を通じ、ネットワークの進化を見守ってきました。この進化のスピードは今後数年にわたって加速します。全体がクラウドネイティブなネットワークに移行し、エンドツーエンドの自動化がマルチドメインで実現するとともに、充実した分析が可能になります。また、Google は自社のグローバル ネットワークを構築、スケールしてきた経験を生かして、この分野の大きな変革を推進するとともに、O-RAN の取り組みを加速します。ネットワーク AI
今後 10 年間で、多くの企業が自律的かつ自己回復が可能なネットワークに向けて大きな変革を経験します。このデジタル トランスフォーメーションでは、分散したクラウド ネットワーク全体にインテリジェンスを設計、デプロイする必要があります。また、このネットワークは基本的に AI とクローズドループ自動化を活用したものとなります。Google のビジョンは、O-RAN アライアンスとの協力を通じて自己駆動と自己回復が可能で安全なクラウドネイティブ インテリジェント ネットワークを実現することです。Google は機械学習、大規模データ処理、地理空間分析の分野における豊富なソフトウェア経験と、グローバルなリーダーシップを活かして、インテリジェントな RAN コントローラとネットワーク オーケストレーターの効率的な設計、管理および運用を行うとともに、共通データ プラットフォームを構築して、予測型機械学習ソリューションを活用したエンドツーエンドのネットワーク最適化を実現します。
Google は、今後の取り組みの発展に期待しています。また、アライアンスのメンバーとともに、O-RAN のビジョンを実現できることを楽しみにしています。
-Google Cloud 通信業界ソリューション担当マネージング ディレクター Amol Phadke
-Google Cloud 通信部門担当シニア ディレクター兼上級エンジニア Ankur Jain