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Google Cloud、Next 25 で画期的な AI イノベーションを発表

2025年4月9日
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Thomas Kurian

CEO, Google Cloud

AI により最適化されたインフラストラクチャ、高性能 AI モデル、 相互運用可能な AI エージェントにおける次世代エンタープライズ機能を公開

Try Gemini 2.5

Our most intelligent model is now available on Vertex AI

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Google Cloud は、本日より米国ラスベガスにて開幕した Google Cloud Next 25 において、企業における AI 活用の急速な広がりをご紹介するとともに、完全に統合された AI テクノロジー スタックのあらゆる層にわたる一連のイノベーションを発表しました。

Google Cloud の CEO である Thomas Kurian は次のように述べています。「AI がもたらす可能性は、私たちがこれまでに見たことのないものです。想像を超える規模で生活の質を高め、生産性を向上させ、プロセスを根本から変革する力を秘めています。Google は 世界中の情報を整理して誰もが利用できるようにするという中核的な使命のもと、20 年以上にわたり機械学習を製品に組み込み、AI への投資を行ってきました。Google Cloud では、この使命をさらに発展させ、お客様、開発者、およびパートナーの皆様がそれぞれのミッションを達成するための強力な原動力として AI を位置づけています。

Google WAN: Gemini 時代向けの AI で強化した次世代グローバル ネットワーク

Google のネットワークは「Google スピード」と呼ばれるほぼゼロの遅延で動作し、世界中の何十億人ものユーザーに Gmail、Google フォト、Google 検索などの重要なサービスを提供しています。200 以上の国と地域をカバーし、約 320 万キロメートルを超える光ファイバーによって支えられている世界規模のインフラストラクチャ上で、Google の最も高性能なモデルである Gemini のトレーニングを行っています。

Google Cloud Next 25 にて、Google Cloud は世界中の企業にこのグローバル プライベート ネットワークを提供することを発表しました。Cloud Wide Area Network(Cloud WAN)はアプリケーション パフォーマンスに最適化されており、ネットワーク パフォーマンスを最大 40% 向上させると同時に、総保有コストを最大 40% 削減します。

AI ハイパーコンピュータ: 比類ない計算の力の実現

Google Cloud の AI ハイパー コンピュータは、ハードウェア、ソフトウェア、消費モデルを包括する革命的なスーパー コンピューティング システムです。AI の導入を簡素化し、パフォーマンスの飛躍的な向上とコスト最適化を実現するよう緻密に設計されています。Google Cloud Next 25 では以下を発表しました。

  • Ironwood TPU を発表: Google の第 7 世代 TPU「Ironwood」は、これまでで最大かつ最も強力な TPU であり、最新の高性能 TPU と比べて 10 倍以上の性能向上を実現しています。1 ポッドあたり 9,000 個以上のチップを搭載し、1 ポッドあたり 42.5 エクサフロップスという驚異的な計算能力を提供します。Gemini 2.5 のような最先端の思考モデルの急増する需要に対応します。

  • GPU オプションの拡充: NVIDIA B200 および GB200 Blackwell GPU を搭載した A4 および A4X 仮想マシンの提供を開始し、AI 向けハードウェアの選択肢を拡大します。また、Google Cloud は NVIDIA の次世代 Vera Rubin GPU を両方提供する初のクラウド プロバイダーとなります。

  • Gemini on Google Distributed Cloud(GDC): GDCは、Google モデルをオンプレミス環境で利用可能にします。NVIDIA との連携により NVIDIA Blackwell システムに Gemini を搭載し、Dell を主要パートナーとして、GDC ConnectedおよびGDC Air-gapped 環境において自社環境で運用できるようになります。これは米国政府の機密(Secret)および最高機密(Top Secret)ミッションでの使用認可を取得した GDC Air-gapped 製品を補完するものです。Gemini は この高セキュリティ環境でも利用可能で、最高水準のセキュリティとコンプライアンスを確保しています。

Google の最先端モデル: Google DeepMind の最高技術を Google Cloud のお客様に提供

Google Cloud では Google DeepMind の画期的な研究をもとに、さまざまなお客様のニーズを満たすよう緻密に設計された、多様なファーストパーティ モデルにわたる急速なイノベーションを提供しています。

    • Gemini 2.5 モデル: Gemini 2.5 モデル は思考モデルであり、応答前に自らの思考を通じて推論することでパフォーマンス向上と精度の改善を実現します。2 週間前に、 Gemini 2.5 Pro を Vertex AI でパブリック プレビューとして提供開始しましたが、本日 Google Cloud は Gemini 2.5 Flash を Vertex AI 上で提供開始することを発表しました。Gemini 2.5 Flash は、大量の顧客対応など、リアルタイムの要約やドキュメントへの迅速なアクセスが必要な日常的なユースケースに最適です。Gemini 2.5 Flash は、プロンプトの複雑さに基づいて推論の深さを調整し、企業は予算に応じてパフォーマンスを制御できます。

    • Google AI モデルの強化: Imagen 3(高品質な画像生成およびインペインティング機能の向上)、Chirp 3(10 秒の音声サンプルからのカスタム音声作成、複数話者の録音文字起こしにおける話者識別機能)、Lyria(企業利用に対応した業界初のテキストから音楽を生成するモデル)、Veo 2(インペインティング、アウトペインティング、シネマティック制御およびフレーム補間などの高度な動画生成と編集機能)が含まれます。
    • 科学的発見の促進: AlphaFold 3WeatherNext モデルが Vertex AI の Model Garden で利用可能になりました。これにより、企業や組織は研究や産業応用向けにカスタマイズし、展開することが可能となります。

Vertex AI: AI イノベーションのための総合プラットフォーム

Vertex AI は、AI アプリケーションとエージェントの構築と管理、モデルのトレーニングとデプロイを実現する Google Cloud の総合プラットフォームです。今回発表した以下のアップデートにより、お客様は AI イニシアチブの管理を強化できます。

    • Vertex AI の Model Garden に 200 以上のモデル: Vertex AI は Google のモデルをはじめ、 Anthropic、AI21、Mistral、CAMB.AI、Qodo などのサードパーティー モデル、アレン人工知能研究所からのオープンソース モデルを含む、完全なポートフォリオをお客様に提供しています。企業独自のデータを用いた基盤モデルのカスタム トレーニングやチューニングを、ファーストパーティおよびサードパーティモデル全体で安全に実行できます。

    • 信頼性の高い情報源へのグラウンディング: Vertex AI に、位置情報コンテキストを活用した Google マップとの連携機能を追加し、エージェントの回答の正確性と精度を保証するグラウディングを行います。さらに、CotalityDun & BradstreetHG InsightsS&P GlobalZoomInfo といったサードパーティーソースも Vertex AI に追加しました。

    • Vertex AI Dashboards と Model Optimizer: Vertex AI Dashboards は、使用状況、スループット、レイテンシの監視とトラブル シューティング機能を通して、より高い可視性と制御性を組織に提供します。Vertex AI Model Optimizer は、Google 独自の Gemini に関する知見を活用し、品質、速度、コストの優先度に応じてクエリを最も高性能なモデルおよびツールを自動的に振り分けます。

    • Live API: リアルタイムの自然な対話を実現するため、音声および動画ストリーミングを Gemini に直接統合し、没入型のマルチモーダル アプリケーションの新たな可能性を開拓します。

Vertex AI: マルチエージェント エコシステムの実現

Google Cloud は、クラウド上で最もオープンな開発者向け AI プラットフォームであり、複数のエージェントが協力して動作するマルチエージェント ソリューションを提供する唯一のプラットフォームが Vertex AI であると考えています。AI 活用の進展段階や技術スタックの選択に関わらず、マルチエージェント エコシステムへの移行を支援する新機能を発表しました。

  • Agent Development Kit(ADK): エージェントの動作を精密に制御しながら、高度なマルチエージェント システムの構築を簡素化する オープンソース フレームワークです。ADK を使用することで、100 行未満の直感的なコードで AI エージェントを構築できます。Model Control Protocol(MCP)をサポートしており、開発者が既存ツールを容易に接続できるように設計されています。

  • Agent2Agent(A2A)プロトコル: Google Cloud は、企業がマルチエージェント エコシステムを支援するためのオープンな Agent2Agent プロトコルを、ハイパースケーラーとして初めて策定しました。これにより、基盤技術に依存せずエージェント間の通信が可能になります。AccentureBoxDeloitteSalesforceSAPServiceNowTCS を含む 50 社以上のパートナーがこのプロトコルの定義に積極的に貢献、マルチエージェント システムへの共通ビジョンを実現しています。

  • Agent Garden: Agent Garden は、ADK 内で直接アクセス可能な即戦力のサンプルとツール集です。100 以上の事前構築済みコネクタ、カスタム API、統合ワークフロー、BigQuery や AlloyDB などのクラウド システム内に保存されたデータにエージェントを接続できます。

  • 相互運用性: Vertex AI を利用し、LangGraph や Crew AI を含む複数のエージェント フレームワーク上で構築されたエージェントをシームレスに管理できます。さらに、既存の NetApp データを複製せずに直接 AI エージェントを構築できる新機能を発表しました。エージェントの構築方法に関わらず、主要なアプリケーションおよびエンタープライズ データ企業との接続を支援します。

Google Agentspace: すべての従業員に AI エージェントを提供

2024 年 12 月に発表した Google Agentspace は、Google 品質の企業内検索機能、会話型 AI、Gemini、およびサードバーティ エージェントを統合し、従業員が組織内の情報を検索および統合し、AI エージェントと対話、業務アプリケーションを通じてアクションを実行できるようにします。Google Cloud Next 25 で発表した Agentspace の機能強化は以下の通りです。

    • Chrome Enterprise との統合: 従業員は Chrome の検索ボックスから直接、すべての企業リソースを検索およびアクセスでき、ワークフローの効率化と生産性向上を実現します。

    • Agent Gallery: Google 製、自社開発、パートナー提供のエージェントを含む企業内で利用可能なすべてのエージェントを単一画面で表示し、従業員が容易に見つけて利用できるようにします。

    • Agent Designer: ノーコード インターフェースを備えたカスタム エージェント作成ツールで、日常業務の自動化や知識拡充を実現します。技術的な経験に関わらず、従業員一人ひとりのワークフローやニーズに合わせてエージェントをカスタマイズできます。

    • Idea Generation エージェント: トーナメント形式のフレームワークを採用し、従業員が定義した基準に基づいてアイデアを効果的に評価します。従業員のアイデアの洗練や新たなアイデアの創出を支援し、ブレインストーミングや問題解決を促進します。

    • Deep Research エージェント: 複雑なトピックを代わりに調査し、包括的で読みやすいレポートとして調査結果を提供します。
    • GDC における Google Agentspace 検索: 2025 年第 3 四半期にパブリックプレビューを公開予定で、あらゆる企業のナレッジ ワーカーに、セキュリティと権限管理を考慮したデータへの統合アクセスを実現する画期的な機能を提供します。
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Google Workspace: AI で生産性を向上

Gemini は最先端の AI モデルだけではなく、Gmail、Google ドキュメント、Google ドライブ、Google Meet などの人気アプリを含む Google Workspace のような自社製品を通じてその力を発揮しています。ユーザーをさらに AI で支援するための新たな Google Workspace のイノベーションを発表しました。

  • Help me Analyze: Google スプレッドシートがユーザー専属のビジネス アナリストとして、明示的な指示なしでもデータから洞察を自動的に抽出する強力な機能です。データに基づく意思決定をより簡単に行えます。
  • Docs Audio Overview: Google ドキュメントで、高品質で人間のような音声読み上げやポッドキャスト形式の文書要約を作成できます。
  • Google Workspace Flows: 承認管理、顧客調査、メールの整理、日々の予定の要約など、日常的な繰り返し作業の自動化を支援します。

Google Security: AI を活用したセキュリティ イノベーションの推進

現代のサイバー脅威環境において、企業は Google Cloud を自社のセキュリティ チームの一員として活用する最適で容易かつ迅速な方法を模索しています。企業が重要なサイバー防御能力を強化するための新たなイノベーションは以下の通りです。

  • Google Unified Security(GUS): GUS は Gemini を統合し、セキュリティ担当者の業務をあらゆる側面を効率化します。攻撃対象領域全体にわたる単一でスケーラブル、そして検索可能なセキュリティ データ ファブリックを構築し、ネットワーク、エンドポイント、クラウド、アプリケーション横断での可視性と検出および対応機能を提供します。最新の Google Threat Intelligence でデータを自動強化し、効果的な脅威検出と優先順位付けを実現します。
  • アラート トリアージ エージェント: ユーザーに代わって動的な調査を実行するエージェントです。各アラートを分析し、関連情報を収集、エージェントの判断根拠と意思決定プロセスを明示した上で判定を下します。

  • マルウェア分析エージェント: コードの安全性を調査するエージェントです。Code Insight を基盤に、難読化解除用のスクリプトを作成および実行する機能など、悪意のある可能性のあるコードを分析します。

Kurian 氏は次のように述べています。「私たちは技術の大転換期を生きており、この歴史的な瞬間に関われることは素晴らしい経験です。Google Cloud は、世界最高水準のインフラストラクチャ、モデル、プラットフォーム、エージェントを提供し、お客様のイノベーション支援に全力で取り組んでいます。柔軟性と選択肢を提供するオープンなマルチクラウド プラットフォームを提供するとともに、相互運用性の構築により、AI への投資から価値を引き出すまでの時間短縮に注力しています。」

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