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デベロッパー

Gemini Code Assist エージェントで卓越した高品質のソフトウェア デリバリーを実現

2025年5月23日
Jerome Simms

Director, Product Management

Prithpal Bhogill

Group Product Manager

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※この投稿は米国時間 2025 年 5 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

DORA の最新の調査レポート Impact of Generative AI in Software Development(ソフトウェア開発における生成 AI の影響)によると、ソフトウェア開発者は AI ツールによって生産性、集中力、満足度が高まっていると感じています。より優れたコードとドキュメントをより迅速に作成することもできています。しかし、この調査から、こうした個々の成果が、システムレベルのパフォーマンスの向上に直接つながっているわけではないというパラドックスも明らかになりました。実際、DORA が実施したプラットフォームに依存しない調査で、AI の導入拡大が以下の要素と相関関係にあることが判明しています。

  • ソフトウェア デリバリーのスループットの低下: AI の導入率が 25% 増加すると、デリバリーのスループットが 1.5% 低下する。

  • ソフトウェア デリバリーの安定性の低下: AI の導入率が 25% 増加すると、デリバリーの安定性が 7.2% 低下する。

これは大きな謎です。AI が個人の生産性を向上させる一方で、システム全体のパフォーマンスに悪影響を与えているとは、どういうことでしょうか?

今回の調査によると、「コードが多いほど良いとは限らない」という点が鍵となります。これは、ソフトウェア デリバリーにとって AI が本質的に有害であるという意味ではなく、「戦略的」な AI 導入の重要性を強調しています。システムの他の制約に対処せず、コード生成だけに集中することは、最終的に 1 車線のトンネルにつながる高速道路に車線を追加するようなものです。これでは交通渋滞が発生するだけです。

 今回の投稿では、DORA の調査結果から、卓越したソフトウェア デリバリーを実現するために組織に何ができるかを探ります。

Gemini Code Assist エージェント

2 月 25 日に公開プレビュー版としてリリースされた GitHub 向けの Gemini Code Assist は、個人向けの Gemini Code Assist の一部として、開発者の pull リクエスト ワークフローを支援します。このコードレビュー エージェントにより、コードレビュー プロセスで AI アシスタンスを活用できるようになり、コードの保守性の向上、チーム固有のベスト プラクティスに照らしたコードレビュー、継続的インテグレーションのサポートが可能になります。これにより、開発者は次のようなメリットを享受できます。

  1. ドキュメントの質の改善

  2. 迅速なフィードバック

  3. コードベースの容易な移行

GitHub でリポジトリをホストしている開発者は、今すぐ GitHub マーケットプレイスから登録して GitHub 向けの Gemini Code Assist をインストールできます。エージェントの詳細については、ドキュメントをご覧ください。

ドキュメントの質の改善

DORA の調査では、質の高いドキュメントが、チームのパフォーマンス、組織のパフォーマンス、開発者のウェルビーイングの向上と一貫して関連付けられています。このエージェントは、次の方法でドキュメントの質を改善します。

  • ドキュメントの生成と更新を自動化する。

  • コードベースに関する開発者の質問に即座に回答する。

  • 知識の共有を促進し、オンボーディングを加速する。

  • 技術的負債を軽減する(エージェントがドキュメントを作成することで理解が深まる)。

こうした手間のかかる作業を自動化することで、開発者はより価値の高い作業に集中でき、作業の流れが改善されて満足度が向上します。

迅速なフィードバックの提供

迅速で質の高いフィードバック ループは、新しいツールやプロセスに対する自信を深め、信頼を築くうえで役立ちます。また、期待どおりに物事が進まないとき、個人、チーム、組織が戦術を変える際にも役立ちます。テストの自動化テストデータ マネジメントを改善することで、チームはフィードバックをより迅速に取得し、次のような方法で品質に関連する作業を「シフトレフト」できます。

  • 包括的なテストケースを生成する。

  • リスク評価に基づいてテストの優先順位を決める。

  • フレーキー テストを特定してフラグを立てる。

  • 手動テストへの依存を減らす。

  • コード カバレッジを拡大する。

自動テストにより、変更の失敗率を低下させ、ソフトウェア全体の信頼性を向上させることができます。

コードベースの移行

セキュリティ、信頼性、保守性を維持するには、アプリケーションを常に最新の状態に保つ必要があります。しかし、アップグレードや移行はリスクが高く、実施に時間がかかり、その優先順位を決めるのが難しい場合があります。このエージェントは、次のような方法で、古いシステムや依存関係からの移行を効率化します。

  • ある言語、フレームワーク、バージョンから別の言語、フレームワーク、バージョンにコードを書き換える。

  • 新しい実装が正しいことを確認するための一連のテストケースを提供する。

  • 見落としがちなエラーを捕捉するための包括的なレビューを提供する。

  • 新しい実装に関する一連のドキュメントを提供することで、開発者の時間と労力を節約する。

Gemini Code Assist エージェントを使用して技術的負債を軽減する

ここまで、Gemini Code Assist エージェントが SDLC に与える影響をいくつかご紹介しました。次に、あらゆるソフトウェア チームが直面している「技術的負債の管理」という問題について具体的に見ていきましょう。

Gemini Code Assist は、単なるコーディング コンパニオンではなく、技術的負債を軽減し、サステナブルなソフトウェア デリバリーの基盤を構築するための戦略的パートナーの役割を果たすように開発されています。

技術的負債とは、質の低いコードそのものではありません。完璧な設計よりもスピードを優先したり、即座にニーズを満たすために手間を省いたりした場合に生じる「結果」です。たとえば、誰も更新する時間がない古いライブラリ、リファクタリングするよりもコピーして貼り付けるほうが早い重複コード、恒久的なものになった「一時的」な回避策、記述されることのなかったドキュメントなどが該当します。理解不足、トレーニングの不備、ツールやサービスの予期せぬ廃止などが原因で発生することもあり、さまざまな形を取ります。実際に、Google の研究者によって 10 個の主要カテゴリが特定されています

積み重なったこの負債の影響は甚大です。DORA の調査では、技術的負債とソフトウェア デリバリーのパフォーマンス低下の間に強い相関関係があることが一貫して実証されています。技術的負債は開発を遅らせるだけでなく、組織のイノベーション能力、適応力、競争力を著しく損ないます。

技術的負債を減らすための戦略

金銭的な債務に慎重な返済計画が必要であるのと同様に、技術的負債にも修復に向けた戦略的なアプローチが必要です。特効薬はありませんが、DORA の調査と業界の慣行から、いくつかの重要な戦略を導き出すことができます。

  1. 優先順位付けと可視化: 最初のステップは、負債を「可視化」することです。コード分析プラットフォーム、依存関係トラッカー、ドキュメント カバレッジ レポートなどのツールを使用して、問題を定量化してください。バリュー ストリーム マッピング(VSM)は、技術的負債によって引き起こされるボトルネックや無駄のある領域を特定するうえで非常に有効です。

  2. 継続的な改善: 技術的負債の軽減は、1 回限りのプロジェクトではなく、継続的なプロセスである必要があります。日々の業務に組み込みましょう。

  3. チームの能力強化: チームが技術的負債に自律的に対処できる体制を整え、必要なリソースも提供しましょう。

  4. チームとアーキテクチャのモダナイズ: 結び付きの緩いチームとアーキテクチャに移行しましょう。これにより、依存関係を減らし、特定の構成要素の技術的負債を簡単に分離して対処できるようになります。

  5. 明確な変更管理手法の確立: ブロックではなくレビューに重点を置いた、効率的かつ明確な共同変更プロセスに従うことで、変更に伴うボトルネックや待ち時間を軽減できます。

これらの戦略を一貫して実践することで、好循環が生まれます。技術的負債を低減すると、開発者の時間と労力に余裕が生まれ、新機能の構築やシステムのさらなる改善に注力できるようになります。

Gemini Code Assist: 技術的負債に共に立ち向かうパートナー

Gemini Code Assist は、コード生成だけでなく SDLC 全体に焦点を当て、コードレビュー、ドキュメント作成、テストなどのタスクに特化した機能を提供することで、AI が生成したコードの徹底的な精査と責任ある統合を可能にします。これにより、エラーの発生や技術的負債の蓄積の可能性が低下し、質と保守性の高いコードを作成できます。

Gemini Code Assist の動作をカスタマイズし、組織に固有のコーディング環境、標準、優先されるスタイル、確立されたベスト プラクティスに合わせて調整できます。Google Cloud は、DORA の調査に基づく継続的な改善アプローチに取り組んでいます。お客様には、次のことを実施するようおすすめします。

  1. ボトルネックの特定: DORA の 4 つの主要指標とその他のパフォーマンス指標を使用して、組織における SDLC の制約を特定します。

  2. ターゲットを絞った改善の計画: 必要に応じて Gemini AI エージェントを活用しながら、強化する DORA の機能を特定します。

  3. テストと測定: 変更を実施したら、パフォーマンス指標にどのような影響があるかを徹底的に追跡します。

  4. 適応と反復: データに基づいてアプローチを調整し、継続的に改善を図ります。

この反復的なデータドリブンなアプローチと Gemini Code Assist エージェントの性能を組み合わせることで、組織はソフトウェア開発において、単にブームに乗るだけではなく、AI の真の可能性を引き出すことができるようになります。

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ソフトウェア開発の未来には、人間の創意工夫と AI のパートナーシップがあります。Gemini AI エージェントは、その理想的なパートナーとなるように設計されました。

コードを迅速に作成するだけでは不十分です。より優れたソフトウェアを構築し、より信頼性の高い方法でソフトウェアを提供して、チームが最大限の能力を発揮できるようにすることが大切です。

-プロダクト管理担当ディレクター Jerome Simms
-グループ プロダクト マネージャー、Prithpal Bhogill

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