Gemini Code Assist によるコーディング支援が無償で利用可能に

最新の開発者向け DORA の 調査によると、開発者の 75% 以上が日常業務で AI を利用しています。その一例として、Google の新規コードの 25% 以上が AI によって生成され、その後エンジニアによってレビュー、承認されています。

十分なリソースを持つ組織はエンジニア チームに最新の AI 機能を提供していますが、一方、学生、趣味のプログラマー、フリーランサー、スタートアップが同じレベルのツールにアクセスすることは困難です。世界の開発者人口が 2028 年までに 5,780 万人に成長すると予測されている中、私たちは経済的な制約なく、誰もが将来の開発においてスタンダードなデジタル ツールとして、AI を利用できるようにすべきだと考えています。

このギャップを埋めるため、個人向け Gemini Code Assist のパブリック プレビューを発表します。個人向け Gemini Code Assist は、Google Cloud が提供する AI コーディングアシスタントの無償版です。

Gemini 2.0 を搭載した開発支援

個人向け Gemini Code Assist は世界中で利用可能で、Gemini 2.0 を基盤としています。パブリック ドメインのすべてのプログラミング言語をサポートし、コーディング向けに最適化されています。多数の実際のコーディング ユースケースを分析、検証することで、開発者向けに Gemini 2.0 モデルをファイン チューニングしました。その結果、Gemini Code Assist における AI が生成したレコメンデーションの品質はこれまで以上に向上し、趣味のプログラマーからスタートアップの開発者まで、日々直面する無数の課題に対応することが可能になります。

一般的な無料コーディング アシスタントには、通常 1 か月 2,000 回のコード補完の使用制限があります。Google Cloud はより寛容なツールを提供したいと考え、Gemini Code Assist は実質無制限の容量、月に最大 18 万回のコード補完を可能にします。これは、熱意あるプロの開発者でも使用しきれないほど高い上限です。

AI は、コード作成のスピードアップに留まらず、より良いコードを書く支援も行います。質の高い効率的なコード レビュー プロセスは非常に重要な一方、長い時間がかかり、作業の進捗を妨げることがあります。そこで、Gemini Code Assist for GitHub 向けパブリック プレビューを通じて、開発者がコード レビューにかかる時間を短縮できるよう支援します。この機能は、パブリック リポジトリとプライベート リポジトリの両方で、無料の AI 駆動型コード レビューを提供します。

開発者が求める場所で、無償の AI コーディング支援を提供

開発者は、統合開発環境 (IDE) でのコーディングに多くの時間を費やしています。

無償版 Gemini Code Assist は Visual Studio Code や JetBrains IDE でも提供されるため、個人の開発者も、これまでエンタープライズ向けに提供してきたコード補完、生成、チャット機能を利用できるようになりました。これらの機能はすでに Firebase や Android Studio で無料で利用可能でしたが、ウィンドウを切り替えたり、別々のソースから情報をコピー & ペーストすることなく、誰でも、より効率的に学習、コード スニペットの作成、デバッグ、既存のアプリケーションの修正ができるようになりました。

そして、一般的な無料コーディング アシスタントと比較して 1 か月あたり 90 倍* のコード補完が可能という最も寛容な使用制限がを提供します。これにより、例えば締め切りが迫っているプロジェクトに取り組む学生が、制限に達してプロジェクトが突然停止してしまうことや、チャットの制限によりペア プログラミング セッションが中断されることを心配する必要はありません。

個人向け Gemini Code Assist のトークン コンテキスト ウィンドウは、チャットにおける最大 128,000 トークンの入力に対応しています。この大きなコンテキスト ウィンドウにより、開発者は大規模なファイルを使用し、ローカル コードベースに対して Gemini Code Assist をより広範にグラウンディングすることができます。

開発者はチャット機能でコメントの書き込みや、要件に基づく自動テストの作成などの必要だが繰り返しの多い作業を Gemini に任せ、創造的な業務に集中することができます。

Gemini Code Assist ではさまざまな言語の自然言語を使用して、コードの生成、説明、改善を行うことができます。例えば、フリーランスのウェブサイト開発者は、「名前、メールアドレス、メッセージのフィールドを持つシンプルな HTML フォームを作成し、『送信』ボタンを追加して」というプロンプトで、素早くコードを取得することができます。また、日常的なタスクを自動化したい人は、Gemini に「最新の天気予報を含む毎日のメールを送信するスクリプトを書いて」や「この Python コード スニペットが何をしているか説明し、エラーを見つけて」と 依頼することもできます。

Gemini Code Assist for GitHub によるカスタマイズおよび実行可能なフィードバック

コード レビューはソフトウェア開発において非常に重要なものの、作業に時間を要します。

Gemini Code Assist for GitHub は、スタイル上の問題やバグを検出し、自動的にコード変更や修正を提案します。基本的なレビューを AI エージェントに任せることで、コード リポジトリのメンテナンスの質を向上させ、開発者はより複雑なタスクに集中できるようになります。この機能は、多くのオープンソース開発者がコードを投稿しレビューする GitHub 内で、GitHub アプリを通じて直接利用可能です。

開発チームごとに、異なるベスト プラクティス、コーディング規約、好みのフレームワークやライブラリを持っています。このニーズに対応するために、Gemini Code Assist for GitHub はコード レビューのためのカスタム スタイル ガイドをサポートしています。リポジトリ内の .gemini/styleguide.md ファイルに、コードレビューの際に従うべき指示を記述すると、Gemini がリポジトリのニーズに合わせたコード レビューを提供します。

Gemini Code Assist を今すぐ利用開始

JavaScript を使ったインタラクティブなデータ ビジュアライゼーションを作成している学生も、アプリケーションやゲームのアイデアをテストしているフリーランスの開発者も、Gemini Code Assist を利用してより迅速に、専門知識を活かして、無料でプロジェクトを進めることができます。

個人用 Gmailアカウント があれば登録でき、クレジットカードは不要です。Visual Studio Code、GitHub、または JetBrains IDE に Gemini Code Assist をインストールして、すぐに利用を開始できます。

Google Cloud はパブリック プレビューへのユーザーのフィードバックをもとに、Gemini Code Assist を改善し続けていきます。IDE や GitHub 内の「フィードバックを送信」フォームから直接フィードバックをお送りください。

生産性メトリクス、プライベート ソース コード リポジトリに基づくカスタマイズされた AI レスポンス、BigQuery などの Google Cloud サービスとの統合など、高度な機能に興味がある方は、Gemini Code Assist Standard または Enterprise もご利用いただけます。

_{注釈:*Gemini Code Assist には、コード生成やコード補完などのリクエストに対して、1 日あたり 6,000 件（ 1 か月あたり 180,000 件）の上限があります。}