コンテンツに移動
クラウド オペレーション

OpenTelemetry Trace 1.0 が利用可能に

2021年5月20日
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/opentelemetry.max-2600x2600.jpg
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 5 月 4 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

数十年にわたり、アプリケーションの開発チームや運用チームは、システムやアプリからテレメトリー データを生成、収集、分析する最適な方法を模索してきました。2010 年、Google は Dapper の論文でテレメトリーとトレースのアプローチについて説明しました。この論文から最終的にオープンソースの OpenCensus プロジェクトが生まれ、OpenTracing と統合して OpenTelemetry となりました。OpenTelemetry は、単一のオープンソース標準と、アプリケーションやインフラストラクチャから指標、トレース、ログ(今後に予定)をキャプチャしてエクスポートするテクノロジーのセットを提供しています。 

Kubernetes に次いで現在 2 番目に活発な CNCF オープンソース プロジェクトである OpenTelemetry を使用すると、サービスやソフトウェアからテレメトリー データを簡単に作成、収集し、さまざまな分析ツールに転送できます。OpenTelemetry は、完全に無料で利用できるオープンソースであり、オブザーバビリティ分野の業界リーダーに採用、サポートされています。

OpenTelemetry は重要なマイルストーンに到達しました。OpenTelemetry のトレース仕様がバージョン 1.0 になりました。API と SDK のリリース候補版は、JavaErlangPythonGoNode.js.Net で利用可能です。その他の言語については、今後数週間のうちに追加される予定です。Trace が 1.0 ステータスに達したことで、お客様は確信を持って OpenTelemetry Trace をデプロイできます。

トレースの安定性は、トレース、指標、ログに対する 1 つのオブザーバビリティ フレームワークを持つための最初のステップにすぎません。ハイパースケール クラウド プロバイダ、アプリケーション パフォーマンス モニタリング(APM)、モニタリング、ロギング、トレースのトップ企業が OpenTelemetry と提携し、オンプレミスやマルチクラウドを含むあらゆる環境からのテレメトリー データの収集を大幅に簡素化する、統一されたオープンソースのアプローチをすべてのお客様に提供できるようになりました。1 つのエージェントが、すべての主要なハイパースケール クラウド、APM、ロギング、指標、トレース製品全体で機能します。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/opentelemetry_tracing_components.max-1200x1200.jpg

Google の OpenTelemetry の利用方法

Google にとって、あらゆる行動において常に重要なのは、ユーザーへの敬意とコミットメントです。それを実現するため、OpenTelemetry 標準を全面的に採用し、お客様が Google のすべてのクラウドネイティブ プロダクトから収集した情報を最大限に活用できるようにしています。Google は、OpenTelemetry ライブラリを新しい Cloud SQL Insights などの特に人気のあるクラウド プロダクトの一部にすぐに使用できる機能として実装できるよう取り組んでいます。Insights は、インストルメント化されたアップストリーム アプリケーションから伝搬されたトレース ID を優先的に使用し、お客様のクエリプランを代表するスパンを追加することで、データベースの指標とトレースを提供します。これらのスパンは、Google Cloud Trace API を介して、お好みのバックエンドにルーティングできます。これにより、既存のツールでエンドツーエンドのトレースを簡単に実行でき、アプリケーションからデータベースまでの環境のフルスタック ビューが提供されます。

OpenTelemetry、Google Cloud、Google のパートナー

Google は、健全なオブザーバビリティ エコシステムによってお客様に最適なサービスが提供できると信じており、これは Google のオープンソース イニシアティブへの継続的な取り組みに反映されています。双方のお客様に差別化されたソリューションを構築することを可能にする OpenTelemetry のロールアウトを全面的にサポートしているパートナーをご紹介します。


Cisco AppDynamics

AppDynamics は、フルスタックのオブザーバビリティを迅速化するために OpenTelemetry 標準に取り組んでいます。デジタルは私たちの生活にますます大きな影響を与えており、将来的には、デジタル環境の健全性と動作を完全に把握できるようにするためにエンドツーエンドのテレメトリー収集をもっと簡単にする必要があると考えています。」 - Cisco AppDynamics グローバル戦略アライアンス担当ディレクター Abhi Madhugiri 氏


Datadog

「OpenTelemetry に早くから貢献してきた私たちは、この大きな節目を迎え、重要な本番環境サービスをインストルメント化するお客様と協力できることを非常に嬉しく思います。アプリケーション、インフラストラクチャ、サードパーティ サービスを完全に観察可能にするには、エンドツーエンドのトレース、指標、ログをまとめることが必要です。今回のトレース、指標、ログの 1.0 リリースを目前にして、OpenTelemetry には、あらゆるエンジニアリング チームのためのオープンでコミュニティ主導のインストルメンテーション ソースとして、大きな期待が寄せられています。」 - Datadog 製品管理担当シニア ディレクター Michael Gerstenhaber 氏


Dynatrace

「OpenTelemetry の中核的なコントリビューターの一社として、Dynatrace は、他の業界リーダーとオープン標準で連携し、クラウドネイティブなソフトウェア スタックの可視性を高めることに大きな価値を見い出しています。Dynatrace は、OpenTelemetry や幅広いオブザーバビリティとユーザー エクスペリエンスのデータを自動化やインテリジェンスと組み合わせることで、チームがクラウドネイティブな環境を管理して、時間を節約し、お客様に提供する価値を生み出すアクティビティに集中できるようにします。」 - Dynatrace バイス プレジデント兼最高技術ストラテジスト Alois Reitbauer 氏


New Relic

「New Relic は、インストルメンテーションの未来はオープンであると強く信じており、OpenTelemetry の躍進を目の当たりにして嬉しく思います。当社のお客様の間で OpenTelemetry ソリューションに対する需要が急速に高まっているのを実感しており、今後も引き続き一般提供に向かって進むプロジェクトに貢献していきたいと考えています。」 - New Relic 製品管理担当バイス プレジデント Ramon Guiu 氏


Splunk

「この 2 年間で、OpenTelemetry は 2 つのオープンソースのコミュニティ間の提案によって、分散トレースやその他のシグナルの収集における北極星へと成長しました。OpenTelemetry は、クラウド プラットフォームに支持され、多くのオブザーバビリティ ベンダーによってお客様に推奨されるようになり、現在では CNCF プロジェクト全体の中で 2 番目に多いコントリビューター数を誇っています。Google と Splunk は OpenTelemetry を当初からサポートしてきました。トレースの 1.0 リリースは、GCP および Splunk Observability Cloud のお客様が、OpenTelemetry の幅広い統合のセット、強力な SDK、使いやすいコレクタを、それらをバックアップする堅牢なサポート経路で利用できることを意味します。」 - Splunk OpenCensus および OpenTelemetry 共同創設者兼製品管理担当ディレクター Morgan McClean 氏

次のステップ

Google は、OpenTelemetry コミュニティから他の仕様がロールアウトされることを楽しみにしており、引き続き Google Cloud プロダクトとの統合を可能にするために取り組んでいきます。より広範囲のデベロッパー コミュニティがテレメトリー データを収集するためのこの特有で段階的な変化を採用することを願っています。他の大手クラウド プロバイダやオブザーバビリティ ベンダーがこの委員会を採用し、サポートしていることを嬉しく思います。

今すぐ OpenTelemetry を使ってみる

OpenTelemetry の詳細については、OpenTelemetry の仕様をご参照のうえ、Google Cloud Trace へのトレースのエクスポートを始めてください。

- Google Cloud シニア プロダクト マネージャー John Brier

- Google Cloud プロダクト マネージャー Eyamba Ita

投稿先