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ネットワーキング

スタンダード ティアのデータ転送、99.9% の可用性 SLA を実現

2023年12月15日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 12 月 5 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

インターネット データ転送でお客様のアプリケーションとユーザーをつなぐ

Google Cloud は、世界中のウェブ アプリケーションとユーザーとのやり取りにおいて、低レイテンシで信頼性が高く安全なインターネット データ転送を提供し、お客様から高い評価をいただいています。この接続性は、世界各地のあらゆる主要な ISP とピアリングしている最先端のグローバル ネットワーク バックボーンによって実現しています。

Google が提供するインターネット データ転送には、プレミアム ティアとスタンダード ティアの 2 種類があります。プレミアム ティアは、デフォルトのネットワークで、Google のネットワーク バックボーン内でグローバル ルーティングを行い、強固なセキュリティ、パフォーマンス、信頼性を提供します。スタンダード ティアは、公共のインターネットに大きく依存しています。プレミアム ティアで稼働する VM の可用性 SLA は 99.99%(ダウンタイムは月に 4 分以下)で、レイテンシは一般的にスタンダード ティアよりも優れています。また、Google のバックボーン内を移動するトラフィックは、公共のインターネットの脅威から保護されています。

その一方で、スタンダード ティアは、リージョン内でワークロードをローカルで最適化することに関心を寄せるお客様にとって、費用対効果の高いソリューションです。主要なネットワーキング サービスを提供しながら、お客様の総所有コスト(TCO)を削減するための最適な選択肢といえます。Google はこの価値提案をさらに拡張すべく、2023 年にスタンダード ティアにていくつかのアップデートをリリースしました。

  1. GKE による L4 / L7 リージョン ロード バランシング
  2. Cloud NAT サポート
  3. すべてのお客様に 1 か月あたり 200 GB の無料枠を提供

スタンダード ティアで 99.9% の可用性 SLA を提供開始

ユーザーに一貫して高品質なアプリケーション エクスペリエンスを提供したいとお考えのお客様にとって、ネットワークの信頼性は重要な考慮事項です。このたび、スタンダード ティアのインターネット データ転送にて 99.9% の可用性 SLA を提供できるようになりました。これは、プレミアム ティアの既存の 99.99% の可用性 SLA を補完するものです。

99.9% の可用性 SLA はどのように定義されるのか

スタンダード ティアの可用性 SLA では、1 か月間にお客様が「サービスを利用できる時間」を少なくとも 99.9% にする必要があります。また、「ダウンタイム」とは、VM への外部接続の喪失を指します(100% のパケットロス)。これは、1 か月あたりのダウンタイムの上限が 43 分ということになります。Google Cloud がこのコミットメントを果たせなかった場合、SLA ドキュメントに定められているように、クレジットを付与する責任を負います。

SLA の対象となるのは何か

以下の図に示されているように、この SLA では Google のネットワーク内、つまり VM から Google のネットワーク エッジまでのトラフィックを対象としています。パケットが Google のネットワークを出た後は、サービスがサードパーティの ISP に依存するため、SLA の対象外となります。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/Standard_Tier_Data_Transfer.max-1700x1700.png

障害に耐えうる設計のスタンダード ティア

スタンダード ティアは冗長性と障害からの保護を念頭に置いて設計されているため、その復元性は確実です。スタンダード ティアのパケットは常にデフォルトで Google の最も近いエッジ ポイント オブ プレゼンス(PoP)から送信されるものの、単一障害点から保護しています。障害が発生した場合に備えて冗長中継プロバイダをピアリングし、各プロバイダへの冗長なリンクを維持することで、この保護を実現しています。

ワークロードに近いエッジメトロ全体に障害が発生したという最悪の場合であっても、パケットはプレミアム ティアにフェイルオーバーされ、近くの別のメトロを経由して送信されます。ワークロードの可用性に影響はありません。

また、スタンダード ティアは、1 つのパスに障害が発生した場合でも、受信パケットが確実に宛先に到達するのに役立ちます。Google Cloud リージョンに入るパケットについては、ローカルの中継プロバイダに特定のプレフィックスをアナウンスし、デフォルトで受信トラフィックが中継プロバイダを通過するようにしています。ただし、両方の中継プロバイダに障害が発生した場合、トラフィックは、グローバルにアナウンスされているもっと一般的なサマリールートに再ルーティングされます。これにより、パケットは別のエッジメトロから入り(内向き)、Google のネットワーク バックボーンを経由して宛先に到達できます。

その他のリソース

スタンダード ティアのデータ転送は、費用を重視しているお客様にとって最適な選択肢です。こちらをクリックすると、スタンダード ティアの詳細を確認できます。また、Google Cloud コンソールで次のプロジェクト、VM インスタンス、またはリージョン ロードバランサを作成する際にオプションとして選択できます。

-Cloud ネットワーキング、プロダクト マネージャー Gaurab Bose

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