拡張現実: Immersive Stream for XR の一般提供を開始
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 2 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
昨年の Google I/O において、Google は Immersive Stream for XR のプレビュー版を発表しました。Immersive Stream for XR は、Google Cloud GPU を利用して、写真のようにリアルな質の高い体験をホスト、レンダリングし、世界中の何百万ものモバイル デバイスにストリーミングします。本日は、Google Cloud のお客様向けにこのサービスの一般提供が開始されたことをお知らせいたします。
Immersive Stream for XR を使えば、高性能なハードウェアや特別なアプリケーションがなくても、3D や AR の世界に没入できます。リンクをクリックしたり QR コードをスキャンしたりするだけで、すぐに拡張現実へ行くことができるのです。Immersive Stream for XR は、Google マップのイマーシブ ビュー機能の強化に使用されています。また、自動車ブランドや小売ブランドでは、新車の装備シミュレーションから自宅に電化製品を置いた様子の可視化まで、消費者のホーム ショッピング体験を高めるために使われています
一般提供の最新情報
この最新のプロダクト マイルストーンで、Immersive Stream for XR は Unreal Engine 5.0 で開発されたコンテンツに対応しました。また、タブレットやデスクトップ デバイスに対応するため、横表示でコンテンツをレンダリングする機能も追加されました。横表示と大画面へのレンダリング機能により、洗練された UI と操作のためのスペースが広がり、フル機能を備えた没入型アプリケーションを作成できるようになりました。さらに、HTML の iframe を使用して Immersive Stream for XR のコンテンツをウェブサイトに埋め込めるようになったため、ユーザーがドメインから移動することなく没入型アプリケーションにアクセスできるようになりました。
お客様による Immersive Stream for XR の活用事例
お客様が創り出したいと考える体験の一般的なタイプは、ユーザーが歩き回ったり、オブジェクトを操作したりすることができる「空間」です。たとえば、ホームセンターの買い物客は、レンダリングした実際の生活空間に電化製品や家具を配置してみることができます。旅行会社やホスピタリティ企業では、ホテルの客室やイベント スペースのバーチャル ツアーを実施できます。また、美術館では、ユーザーがバーチャル展示の中を歩き回り、展示物を操作できるようなバーチャル体験を提供できます。
お客様がこのような体験をより早く創出できるよう、Google パートナー イノベーション(PI)と協力して空間テンプレートを作成しました。これは、PI 早期アクセス プログラムでお客様と密接に関わり合いながら開発した最初のテンプレートです。空間テンプレートは、ユーザーの移動やオブジェクトの操作など、このようなシナリオで共通するインタラクションを標準化するものです。
家庭用品や園芸用品の e コマース小売業者である Aosom は最近、このテンプレートを利用して、ユーザーが AR を通じてバーチャルなリビングルームや自室に家具を配置できる機能を提供し始めました。ユーザーは商品の色やオプションをカスタマイズし、気に入ったらショッピング カートに商品を追加できます。
Aosom の CEO である Chunhua Wang 氏は、次のように述べています。「家庭用品や園芸用品をご購入のお客様は、個性的でありながら自分の住居スペースに合った商品を常に探しています。Google Cloud の Immersive Stream for XR の導入により、視覚に訴える、没入感のあるお買い物体験をお客様に提供できるようになりました。」
Immersive Stream for XR は、特に自動車メーカーにとって大きなメリットがあります。見込み顧客が写真のようにリアルな新車を隅々まで見てカスタマイズしたり、自宅のドライブウェイに停めた様子を可視化したりすることができます。最近では、Kia Germany がこの技術を活用して、同社の人気車種の一つである Kia Sportage を宣伝しました。この仮想体験には、Kia のウェブサイト上の QR コードからアクセスできるようにしていました。
「Kia Germany では、Google Immersive Stream for XR を使用して新しい消費者を開拓し、Sportage の車に出会っていただくために最適な体験を提供しています」と、デジタル プラットフォーム担当マネージャーの Jean-Philippe Pottier 氏は述べています。「色やエンジンを変更したり、3D や拡張現実でモデルを操作したりすることができる点が、ユーザー様に好評です。」
最後に、Unreal Engine 5.0 が追加され、より広くリアルな世界に対応したことで、ユーザーは自宅にいながら、遠く離れた歴史的建造物を探索できるようになりました。たとえば、Virtual Worlds では、写真測量技術を使用して史跡を撮影し、デザイナー チームと一緒に映像を洗練させ、その上にインタラクティブな体験を創り出しています。このような体験ではディテールまで可視化するため、以前は GPU を搭載した高価なワークステーションがレンダリングに必要となり、利用できる実際の展示物には限りがありました。同社のチームは、Unreal 5.0 の新機能である Nanite と Luman を利用してギザの大スフィンクスの解説ツアーを作成し、誰でも Immersive Stream for XR を使用してアクセスできるようにしました。Immersive Stream for XR は、こちらから入手可能です。
Virtual Worlds の CEO である Elliot Mizroch 氏は次のように説明しています。「Virtual Worlds は、マチュピチュからギザのピラミッドまで、すばらしい遺跡をキャプチャしました。誰もがこれらの遺跡を探索し、私たちの遺産について学べるようにしたいと思っています。Immersive Stream for XR のおかげで、この機会を得ることができました。」
次のステップ
Google Cloud の Immersive Stream for XR を使用して、皆様が革新的なユースケースが構築されることを楽しみにしています。詳しくはドキュメントをご覧ください。Immersive Stream for XR のテンプレート プロジェクトをダウンロードして、ご利用を開始していただくこともできます。
Unreal Engine 5.0 と横表示を使用するには、最新の Immersive Stream for XR のテンプレート プロジェクトをダウンロードし、Unreal Engine 5.0.3 に読み込ませてから、コンテンツの作成を開始します。作成したコンテンツをご自身のウェブサイトに埋め込む場合は、ドメインを許可リストに追加いたしますので、Google までご連絡ください。