Cloud CDN とロード バランシングで QUIC を使用して HTTP/3 でコンテンツを取得
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 6 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
インターネットに接続されたアプリケーションのパフォーマンスに関しては、HTTP/3 は HTTP/2 よりも大きく進歩しています。Google が独自で HTTP/3 を展開したところ、Google 検索の待ち時間が 2% 短縮、YouTube での動画の再バッファリング時間が 9% 短縮、モバイル デバイスのスループットが 7% 向上しました。そこで、本日、Cloud CDN と HTTPS ロード バランシングを使用する Google Cloud のすべてのお客様に対して HTTP/3 のサポートを開始いたします。HTTP/3 のサポートにより、アプリケーションを変更することなく、Google のグローバル インフラストラクチャの背後にあるストリーミング動画、画像配信、API スケーリングの改善を実感できます。
HTTP/3 とは
HTTP/3 は次世代のインターネット プロトコルで、QUIC の上に構築されています。QUIC は、Google が開発し、インターネット プロトコルの規定を担う標準化団体 IETF に提唱したプロトコルです。HTTP/3 と QUIC を組み合わせることで、ヘッドオブライン ブロッキング、セキュリティ(TLS 1.3 は QUIC の基盤)、信頼度の低い接続での信頼性など、HTTP/2 での以前の課題に対処しています。IETF QUIC のクライアント数が、オリジナルの Google QUIC(これを「gQUIC」と呼びます)をサポートするクライアント数を急速に上回っているため、gQUIC は 2021 年の終わりに段階的に廃止されます。
重要なのは、貴社のエンドユーザーがすぐに HTTP/3 の恩恵を受けられることです。最新バージョンの Mozilla Firefox、Google Chrome、Apple の iOS Safari はすべて HTTP/3 をサポートしているか、Cronet や libcurl などの一般的なライブラリのように、今後数か月以内にデフォルトで有効になる予定です。
HTTP/3 の有効化
アプリケーションで HTTP/3 を使用するには、ワンクリックで Cloud Console または gcloud SDK を介して外部 HTTPS ロードバランサで HTTP/3 を有効にすることができます。
古いブラウザやネットワーク ライブラリなど、HTTP/3 をまだサポートしていないクライアントに悪影響を及ぼすことはありません。HTTP/3 は Alt-Svc HTTP ヘッダーを使用して、クライアントがそのプロトコルをサポートしている場合に「オプトイン」できるようにします。これらのクライアントは、必要に応じて引き続き HTTP/2 または HTTP/1.1 をネゴシエートします。
次のステップ
今後数週間のうちに、Cloud CDN および HTTPS ロード バランシングのすべてのお客様に対して HTTP/3 がデフォルトで有効になったときには、より多くのユーザーが HTTP/3 を利用できるようになります。貴社のエンドユーザーがパフォーマンスの改善を享受するために何もする必要はありません。Cloud CDN の仕組みについて詳しくは、概要の動画をご覧ください。また、リリースノートで新機能を随時ご確認ください。
-CDN プロダクト マネージャー Matt Silverlock
-ソフトウェア エンジニア Ian Swett