Cross-Cloud Interconnect の発表: すべてのクラウドをつなぐシームレスな接続

※この投稿は米国時間 2023 年 6 月 1 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

クラウドへと移行し、クラウドを活用してアプリケーションの構築、実行を進める多くの企業が、ハイブリッドおよびマルチクラウドの導入を進めています。2022 年に行われた IDC の調査によれば、顧客の 64% がパブリック クラウド IaaS サービスで複数のクラウド プロバイダを利用していると回答しており1、また、79% が専用のクラウド インフラストラクチャを管理、保護するための手法を簡素化、統合してビジネスの復元力を改善する必要性を感じていると回答しています2。企業は、物理レイヤとサービスレイヤで接続を簡素化して、分散型クラウド アプリケーションと SaaS ワークロードの立ち上げを数分で行えるようにする必要があります。

ネットワーキングが最初のステップであることはよくあります。ただ、分散されている環境を接続して安全性を確保する作業は複雑になりかねません。本日、Google は Cross-Cloud Interconnect を導入し、Cloud Interconnect のポートフォリオを大幅に拡張することを発表いたします。これは、安全でパフォーマンスに優れたネットワークを介して、あらゆるパブリック クラウドと Google Cloud との接続を可能にするものです。複数のクラウドでのアプリケーションの実行、マルチクラウド環境の SaaS ネットワーキングの簡素化、クラウド間のワークロードの移行を実現できます。Cross-Cloud Interconnect の一般提供は、クラウド プロバイダ（アマゾン ウェブ サービス（AWS）、Microsoft Azure、Oracle Cloud Infrastructure、Alibaba Cloud）との接続を行っているお客様向けに、世界中の多くのロケーションで開始されます。お客様からの要望に応じて、その他のクラウド プロバイダのサポートも開始される予定です。

また、Cross-Cloud Interconnect と自動のサービス接続ポリシーをサポートするために、Private Service Connect が大幅に強化されました。さらに、Cloud Interconnect に機能が追加され、新しい総所有コスト（TCO）分析機能で Google Cloud ネットワーキングの費用の削減を確認できます。

Cross-Cloud Interconnect でシームレスなマルチクラウド接続を実現

分散型アプリケーションの登場は、接続性、パフォーマンス、セキュリティ、信頼性の確保に取り組むクラウド インフラストラクチャ チームにとっての課題となっています。クラウドを一つにまとめる際には、複雑な構成や専用のハードウェアが必要になったり、運用プロセスが長期化したりすることが多々あります。Cross-Cloud Interconnect であれば、構成を簡素化し、ハードウェアを最低限に抑え、オーバーヘッドを削減できます。  

Cross-Cloud Interconnect は 10 Gbps と 100 Gbps のいずれかを選択して利用でき、新しいハードウェアは不要です。また、Cloud Interconnect と同じ機能を持っており、サービスが SLA で保証されています。マルチクラウド環境を運用しているお客様は Cross-Cloud Interconnect を活用して、以下を実現できます。

• プライバシーと安全性を重視したクラウド間の接続 

• ラインレート パフォーマンス、99.99% の SLA を保証する高い信頼性

• 複雑性を排除し、インフラストラクチャ管理にかかる費用を取り除き、TCO を低減

Cross-Cloud Interconnect は、世界中の主要都市で、数多くの Google のパートナーで利用できます。フルマネージド サービスのため、次のデモで確認できるように設定は簡単です。

「世界中の企業がデジタル トランスフォーメーションの取り組みの一環として、ハイブリッドおよびマルチクラウドのネットワーク サービスの導入を進めようとしています。そしてそのような企業顧客は、ビジネスの成功に不可欠な要素として、クラウド間の接続機能に戦略的な価値を見出しつつあります。Google Cloud の Cross-Cloud Interconnect のサービスであれば、データセンター、クラウドコア、エッジにまたがるハイブリッドおよびマルチクラウドのネットワーク接続性に関する幅広いユースケースに対応できます。また、マルチギガビットの速度、画期的な料金、高可用性、使いやすさも享受できます。」 – Vijay Bhagavath 氏、IDC、クラウドおよびデータセンター ネットワーキング担当リサーチ VP

Walmart や Pexip などの早くから利用を始めているお客様は、Cross-Cloud Interconnect を活用してビジネス成果の早期の実現に取り組んでいます。

「Walmart は、複数のクラウド プロバイダにまたがるシームレスなプラットフォームを運用して、イノベーションを促進しています。Google Cloud との提携の下、同社のグローバル ネットワークをハイブリッドとマルチクラウドでのネットワーキングに活用しています。Cross-Cloud Interconnect でクラウド プロバイダ間の接続を簡素化して運用までの時間を短縮し、全体としての費用を削減できました。」 - Gerald Bothello 氏、Walmart、ソフトウェア エンジニアリング担当シニア ディレクター

「Pexip は、お客様による会議の保護とカスタマイズを支援する安全性に優れたマルチテクノロジー ビデオ会議ソリューションを提供しています。Cross-Cloud Interconnect、そして Google とのパートナーシップにより、複数のクラウドにあるプラットフォームをシームレスに接続してリーチを拡大し、幅広いオーディエンスに大規模にソリューションを提供することが可能になりました。」- Thomas Guggenbuhl 氏、Pexip、インフラストラクチャ オペレーション担当プリンシパル エンジニア

Google は引き続きパートナー エコシステムと連携して、コロケーション設備を世界中に拡大し、お客様のマルチクラウドの接続性の簡素化に共同で取り組んでいきます。

「Equinix は、世界のデジタル インフラストラクチャを提供して、企業顧客が場所を問わずにつながれるようにしています。Google Cloud と連携し、マルチクラウド ネットワーク戦略に基づき拡大を進め、スケーラブルでシームレスな高帯域幅の接続を企業顧客に届けられることをうれしく思います。」- Bill Bushman 氏、Equinix、ビジネス開発ディレクター、プラットフォーム アライアンス担当

Private Service Connect で SaaS へのハイブリッド接続を実現

先日、Google は Private Service Connect のハイブリッドおよびグローバル アクセスを発表しました。これにより、オンプレミスおよびマルチクラウドのクライアントは、Google Cloud のプロデューサー サービスへのプライベート アクセスをどこからでも実行できます。Private Service Connect のグローバル アクセスの一般提供が開始され、Google やパートナーが公開したサービスにオンプレミス ロケーションやリージョン間からアクセスできるようになりました。

本日、Google は Private Service Connect に新たに以下の機能強化を加えることを発表しました。

• Cross-Cloud Interconnect を介した Private Service Connect の一般提供が開始されました。お客様は、Cross-Cloud Interconnect から Google Cloud のプロデューサー サービスにアクセスできます。  

• サービス接続ポリシー（プレビュー版）で、ネットワーク管理者は、マネージド サービスの Private Service Connect の接続を自動化するポリシーを作成できるようになりました。これにより、サービス管理者はネットワーキング チケットを開くことなく、Private Service Connect で接続された公開サービスを簡単にデプロイ、更新、削除することができます。

安全で復元力に優れた基盤

また、Cloud Interconnect および Cross-Cloud Interconnect に新たな機能強化が加わり、新しい暗号化オプション、高パフォーマンス、高速なリンク検出機能を備えた優れたネットワーキング復元性能が導入され、ミッションクリティカルなアプリケーションの可用性と優れたパフォーマンスを維持できるようになりました。この機能強化には次のようなものがあります。

安全性に優れたハイブリッド接続

• 2023 年第 3 四半期の早期に開始される MACsec for Cloud Interconnect（プレビュー版）でポイントツーポイントのラインレート L2 暗号化が提供され、お客様と Google Cloud 間の「ファースト マイル / ラスト ワンマイル」の通信が保護されるようになります。
• HA VPN over Interconnect の一般提供が開始され、お客様のオンプレミス VPN ゲートウェイと Google Cloud の HA VPN ゲートウェイの間の通信を保護する IPSec 暗号化が提供されます。

優れたパフォーマンス

• 9K MTU をサポート（現在はプレビュー版）することでパケットサイズを拡大し、Interconnect サービスでの高スループットを実現します。
• パス停止検出プロトコルである双方向転送検知（現在一般提供）により、トラフィックのルート変更を開始できるリンク障害の検出処理を効率化します。
• BGP 拡張機能（現在はプレビュー版）により、カスタム学習ルートのサポート、プレフィックス スケールの増加、非リンク ローカル アドレス指定などが可能になります。

TCO の削減

Google Cloud ネットワーキング では、パートナーおよびサードパーティのサービスへのシームレスなアクセスを実現する世界規模のエンタープライズ対応ネットワーキングが提供されています。他のクラウド サービス プロバイダよりも低い総所有コスト（TCO）で、オンプレミスからクラウドまで一貫した形で管理ポリシーを適用できます。

Enterprise Strategy Group の最近の報告書によれば、Google Cloud で運用を行っているお客様は TCO を最大で 28% 削減しています。ESG は「Economic Advantage of Google Cloud's Advanced Networking Services」で、ネットワーキング サービスの直接的な費用に加え、ネットワークや継続的な管理のための費用も考慮しています。Google Cloud を使用した場合、その他の大手パブリック クラウド ベンダーと比べて、接続および下り（外向き）の費用が最大 22%、クラウド ネットワークの管理費用が最大 28% 削減できると予測されています。詳細を説明したブログについてはこちらをご覧ください。

このような費用削減は、Google Cloud のネットワーキング サービスの世界規模のスコープによって実現されるものです。また、豊富なネイティブ機能が用意されており、ハイブリッドおよびマルチクラウドのワークロードのデプロイ、管理、スケーリング、最適化、保護を簡単に行えます。この記事ですでにご紹介した新しいプロダクトやサービスは、これらの機能をさらに拡張するものです。

Google Cloud ネットワーキングの詳細をご覧ください

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^{1. What Are Enterprise Multicloud Adoption Trends、IDC、Andrew Smith、IDC #US48902122、2022 年 3 月}   

^{2. Multicloud Networking - An Essential Component of Digital Infrastructure、IDC、Brad Casemore、IDC #US48965022、2022 年 3 月}