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Google Maps Platform

Places API の Gemini モデル機能で、AI を活用した場所とエリアの要約を提供

2024年5月21日
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James Harrison

Product Manager, Google Maps Platform

※この投稿は米国時間 2024 年 5 月 14 日に、Google Maps Platform blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: この投稿は、Google が毎年開催しているデベロッパー カンファレンスにおける Google Maps Platform に関する最新ニュースをお伝えする、Google I/O 2024 シリーズの一部です。Places API Gemini モデル機能を使用したエクスペリエンスの構築方法について詳しくは、5 16 日開催のセッションをご覧ください。

20 年近くにわたり、開発者の皆様は Google のプロダクトを利用して革新的なマップ活用サービスを生み出してきました。このたび Google は、Google Maps Platform Gemini モデル機能を導入し、開発者の皆様がさらなるイノベーションを推進できるよう支援いたします。最初に導入されるのは Places API です。開発者の皆様は、評価、クチコミ、営業時間など、2 5,000 万件以上の企業や場所に関する豊富な情報を利用するだけでなく、生成 AI を活用した、場所やエリアに関する有益な要約をご自身のアプリやウェブサイトに表示できるようになります。頻繁に更新されるこれらの要約では、Gemini モデルを使用して、3 億人を超える Google マップ投稿者コミュニティによる場所に関する情報やインサイトを分析しているため、できる限り最新の情報を表示するのに役立ちます。

Places API のもうひとつのアップデートは、AI を活用したコンテキスト検索結果の向上です。ユーザーがプロダクト内で場所を検索すると、検索に関連するクチコミや写真を表示できるようになり、より簡単に場所を比較して意思決定を下せるようになります。これらの機能は現在、試験運用版としてすべての開発者の皆様にご利用いただけます。コンテキスト検索結果は世界中が対象となっていますが、場所とエリアの要約は米国でのみ利用可能で、今後対象国を順次増やしていく予定です。デモを試して、その仕組みをご確認ください。

Gemini モデルを使用した、Places API での場所とエリアの要約

これらの新機能により、ユーザーはあなたのアプリやウェブサイトで、求めている情報をより素早く簡単に見つけられるようになります。また、より深いインサイトや要約が提供されるという利点もあり、その地点のカスタム説明を自ら書く必要がなくなります。

場所についての短い要約と長い要約で、ユーザーがその場所を素早く理解できるようにする

たとえば、レストラン予約アプリで、ユーザーが自分たちのグループにぴったりのレストランを把握できるようにしたいと仮定します。アプリでレストランを検索すると、名物料理やハッピーアワーの情報、お店の雰囲気など、重要なすべての情報がすぐに要約として表示されます。これにより、ユーザーは個々のレストランを詳しく調べなくても、どこに行くかを簡単に決めることができます。

製品に合わせて要約をカスタマイズできるよう、短い要約(平均約 100 文字)と長い要約(平均約 400 文字)の 2 つの長さの要約を利用できます。レストラン、ショップ、スーパーマーケット、公園、映画館など、さまざまな種類の場所で利用できます。また、今後さらに増える予定です。短い要約は、Gemini モデルを使用することでより頻繁に更新されるようになり、手作業で記述した要約と比較して、これまでよりはるかに多くの米国内の場所で利用できるようになりました。長い要約は、さらに豊富な概要を提供します。レストランのおすすめ料理、雰囲気、サービスの質など、Places API でこれまで利用できた情報よりも多くの詳細情報を含めることができます。

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場所の長い要約を使って、ユーザーが食事をする場所を簡単に決められるよう支援できることを示す架空の例

エリアの新しい要約で地理的エリアのおすすめスポットを強調

ときには、ある場所の周辺エリアのおすすめスポットを説明することも有効です。Gemini モデルを使用したエリアの新しい要約により、ユーザーはある場所から徒歩圏内にあるショップ、レストラン、アトラクションの概要を確認できるようになったため、その場所で何をするかを決めやすくなります。たとえば、自動車メーカーは、運転手が充電中に訪れる場所を選べるよう、カフェ、レストラン、店舗など、EV 充電スタンドの近くにある場所の要約を運転手に提供できます。

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EV 充電スタンドの近くにある場所をまとめてエリアの要約で表示している架空の例

コンテキスト検索結果で関連性の高いクチコミや写真を提供

最後に、AI を活用して多くのコンテキストを含めることで、その検索結果が表示される理由をユーザーが理解しやすくしました。たとえば、地元のレストランを検索できるアプリがある場合、「犬連れ OK のレストラン」と検索すると、関連する食事スポットのリストと一緒に、関連するクチコミやクチコミの抜粋、レストランを訪れた犬の写真が表示されます。こうした情報は、ユーザーがより多くの情報に基づいて意思決定をするのに役立ち、提供される結果への信頼度が高まります。

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コンテキスト検索結果で関連性の高いクチコミや写真を提供している架空の例

エリア要約コンテンツの詳細

新機能の概要をご紹介したので、そのうちの 1 つについて、仕組みやプロジェクトでの使用方法を技術的に詳しく見ていきましょう。

以下のレスポンス places.AreaSummary オブジェクトは、エリア内にあるおすすめスポットの包括的な概要をユーザーに提供することを目的としています。関連するトピックで場所を分類し、場所ごとに簡単な説明を提供することで、ユーザーがその近くにあるさまざまな選択肢をすばやく把握できるようにします。これは、知らない地域を探索したり、特定の関心(カフェやレストランを探すなど)に基づいて行き先を決めたりする際に特に便利です。

電気自動車充電スタンドがあるエリアの要約を見ていきましょう。付近のカフェに関するレスポンス データに特に注目します。

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AreaSummary オブジェクトには content_blocks というオブジェクトの配列が含まれます。個々のオブジェクトは、エリア内の特定のトピックやカテゴリを表します。類似する場所をグループ化することで、エリアに関する情報を整理します。各ブロックは以下の情報を提供します。

  • トピック: "概要""コーヒー""レストラン""店舗" といったコンテンツのカテゴリ。

  • コンテンツ: そのカテゴリに含まれる場所の説明。多くの場合、具体的な名前と提供するサービスについて言及します。

  • 参照する場所: コンテンツで言及した場所を参照するプレイス ID の配列。これは、要約を特定の場所の詳細に関連付けます。

エリアの要約、場所の要約、コンテキスト検索結果をプロジェクトに追加する方法について詳しくは、ドキュメントをご確認ください。

実際に API 使ってみるには

試験運用中は、Places API Gemini モデルの新機能とコンテキスト検索結果を無料でお試しいただけます。利用を開始して各機能の仕組みを把握するには、デモをご確認ください。また、公開 Issue Tracker でフィードバックや機能リクエストをお送りいただくこともできます。Places API Gemini モデル機能を使用した地理空間エクスペリエンスの構築方法について詳しくは、I/O セッションをご覧ください。皆様が構築されるサービスを楽しみにしております。

-プロダクト マネージャー James Harrison

-グループ プロダクト マネージャー Matt Moore

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