Solar API が世界中のより多くの屋上に対応

Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2024 年 1 月 17 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google は、太陽光発電データを取得できる対象範囲を世界中へ拡大しています。新しい Environment API スイートの一部として Solar API の提供を開始して以来、その対象地域は広がり続けています。現在、カバーしている建物の数は 40 か国 4 億 7,200 万軒以上にのぼり、これらの貴重なデータを太陽光発電業界の企業に提供できる状況です。特に、米国では建築物の 95% 以上をカバーするまでになっており、以前に比べほぼ倍増しています。
かつては、低空飛行する航空機によって捉えた限られた地域の地形図や画像を使って、太陽光発電の分析や計算を行っていました。機械学習技術が発達した現在では、Google マップの大規模な航空画像セットを活用することにより、これまで太陽光発電データを得ることができなかった数百万の建築物についても、詳細な地形図や正確な太陽光発電予測を得ることが可能となっています。AI で強化された高さマップは、幾何学的精度および予測エネルギー出力に基づいて内部評価され、世界中の太陽光発電業界のリーダーたちから直接寄せられるフィードバックに密接に沿う形で開発されています。こうした進歩によって、建築物データの拡充ならびに太陽光発電のポテンシャルに関する分析が進むとともに、北米、ヨーロッパ、オセアニアのより広範な地域で詳細な屋上画像が得られるようになっています。このような進展を基盤として、今後、現在の対応国内における対象範囲をさらに広げると同時に、現在まだデータが提供されていない国にも対応していく予定です。
信頼性の高い太陽光発電データにアクセスできるかどうかは、再生可能エネルギーの導入に影響を及ぼします。Google はそれを踏まえ、太陽光発電データに対するニーズが特に大きい地域での対象範囲を拡大していくことを最重要課題としています。Solar API の提供開始以来、太陽光発電企業は対象範囲の拡大を要望しており、新市場の開拓や、ビジネスの成長、太陽光発電量の増加につなげたいと考えています。
Mona Lee の CEO を務める Walid Halty 氏は次のように述べています。「Google がデータを拡充し続けてくれていることは大変有難いです。より高品質な画像を割安で利用できるようになりますから、我々としてはこうした変更はいつでも大歓迎です。Google の Solar API は、提供される先々で最高レベルであることを繰り返し証明し続けています。」
Solar API を統合するメリット
Solar API は、太陽光パネルの最適な配置をはじめ、太陽光発電の評価提案の精度や効率を向上し、さらに、住宅所有者に対して太陽光エネルギーへの移行の実現可能性を示すなど、一般市民への教育にも役立てられています。お客様による Solar API の利用例を以下に 2 つ示します。


Demand IQ AI chatbot で太陽光発電を評価
Demand IQ は Solar API を使って太陽光発電企業を支援しています。具体的には、これらの企業が、太陽光エネルギーへの移行を検討中の住宅所有者に対してリアルタイムの正確な屋上評価をオンラインで提供できるようにしています。太陽光発電の購入手続きをデジタル化することで、これらの企業は透明性、顧客獲得、費用削減を促進できます。一方、住宅所有者は有用かつ興味深い情報に基づいて決断を下すことができます。
Demand IQ の CEO を務める Austin Rosenbaum 氏は次のように語っています。「太陽光エネルギーへの移行を促進するには、お客様がデータに基づいて決断できるようにする必要があります。そのなかで当社に求められているのは、太陽光発電業者がお客様の質問に対し、最新の正確なデータに基づいて回答できるように支援することです。Demand IQ と、Solar API から得られる強力なデータのおかげで、リアルタイムでこうした対応ができるようになっています。」
エネルギー効率を広範囲で高めていくことを目指す MyHEAT は、住民、公益事業会社、都市を対象に、所有する住宅や建築物における太陽光発電の利用可能性について情報を提供しています。そうした取り組みにおいて太陽光発電データ、分析情報、画像が使用されていますが、Solar API のおかげで、ソリューションを提供するまでにかかる時間が大幅に短縮されています。また、3D マップ画像の処理効率、精度、品質も向上しています。
Google は、1 月 17~19 日にサンディエゴ コンベンション センターで開催される Intersolar North America and Energy Storage North America カンファレンスに参加します。全日とも、午前 11 時と午後 2 時にブース番号 649 にてライブ プレゼンテーションを実施し、Solar API を太陽光発電商品に効果的に取り入れる方法についてご紹介する予定ですので、ぜひお立ち寄りください。
Google Maps Platform の詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
-Google Maps Platform、プロダクト マネージャー Saleem Van Groenou
-Google Maps Platform、シニア ソフトウェア エンジニア Betty Peng