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Google Maps Platform

Google Maps Platform でアクセシビリティへの扉を開く

2023年5月26日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 5 月 18 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: 5 月 18 日木曜日の Global Accessibility Awareness Day にちなみ、本日は iAccess Life の CEO 兼共同創業者である Brandon Winfield 氏の投稿をご紹介します。iAccess Life は、Google Maps Platform の機能を活用して、障がいのある人たちが空間や場所を利用しやすくなるようにしています。

14 歳のとき、私はモトクロスの事故で腰から下が麻痺するほどの大怪我を負いました。一夜にして世界との接し方が変わってしまったのです。しかし、楽しいことが大好きな性格は変わりませんでした。自立を目指している最中の子供だった私は、障がいの有無にかかわらず、友達がやっていること、つまり、外出、旅行、デート、人生においてできることはすべてやりたいと考えていました。しかし、私はすぐに、すべての場所がアクセシビリティの面で平等に作られているわけではないことを学びました。

友人との外出は、気まぐれにできるものから綿密な準備が必要なものになりました。食料品店に行ったり、コーヒーを飲みに行ったりするだけでも質問は尽きませんでした。入口にスロープはあるか?駐車場はどうか?バリアフリー対応のトイレはあるか?テーブルの間隔はどのくらいか?障がいのある人たちは、自分たちのために設計されていない世界に出て行くたびに、このような疑問を抱かなければなりません。

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iAccess Life、CEO 兼共同創業者 Brandon Winfield 氏

そしてついに、私は自分自身に「私のような人たちにとってより利用しやすい空間を作るにはどうすればいいのだろう?」という新たな疑問を投げかけました。その答えが iAccess Life です。Google Maps Platform で構築された当社のライフスタイル アプリは、障がいのある人たちが自分のニーズに合わせて車椅子対応の場所を見つけるのをサポートすることで、友だちやご家族と予定を立てる際のストレスを軽減します。これは、ユーザーに実際に訪れた場所での体験を駐車場、入口、トイレ、室内空間などの観点でフィードバックしてもらうことで実現します。

アクセシビリティを考慮したソーシャル評価プラットフォームの構想

iAccess Life の構想はシンプルです。私は、「行く前に知ることができる」場所を作りたいと思ったのです。つまり、レストランやバー、ショップ、ホテルなどを、アクセシビリティに基づいて調べたり、評価したり、レビューしたりできる場所です。そして何より、障がいのある人たちが快適に外出し、楽しみ、尊厳ある人生を送るための自由を提供したいと考えました。

しかし、アイデアは簡単に出てきたものの、技術的なバックグラウンドを持たない者にとって、それを構築するのははるかに複雑でした。そこで、共同創業者であり、最高イノベーション製品責任者である Sayeed Mehrjerdian がリードすることになるのです。彼は、私の絵空事のようなアイデアを、機能的なアプリやユーザー インターフェースに変えてくれる裏の立役者です。当社のプロダクトは位置情報が中心であるため、Google Maps Platform が当社のビジョンを実現するための最良の選択であることを彼は認識していました。

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iAccess Life ユーザーはカテゴリ別に簡単に検索ができる

Google Maps Platform で(アクセシブルな)扉を開く

技術パートナーの KiwiTech と提携し、当社は Google Places API を使用して iAccess Life アプリを構築しました。Google Places API は、カテゴリリストや地図表示のデータ入力、検索機能の精度を高めるための Places Autocomplete まで、同アプリのすべての機能を支えています。また、API の一意の識別子によってデータの構造化と整理が行われ、各ユーザーの評価を場所 ID に関連付けることができるため、情報の相互運用を容易にします。

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ユーザーはリスト表示または地図表示で場所の検索が可能

適切なチームを結成するのに 4 年かかりましたが、アプリの構築とリリースにはわずか 4 か月しかかかりませんでした。今では、iAccess Life を使って行きたい場所を調べたり、行ったことのある場所を駐車場、入口、トイレ、室内空間の 4 つのアクセシビリティの柱に基づいて評価とレビューを提供したりできます。経路案内が必要な場合は、クリックすると iAccess Life のプラットフォームから直接 Google マップ ナビのアプリを起動することもできます。

これまで、ユーザーの 20% がアプリの評価を残し、15% のユーザーがレビューを書いています。全米 50 州、世界 30 か国で、8,000 か所についての 30,000 件の評価と 6,000 件のレビューが寄せられています。現在、約 7,000 のアクティブ アカウントと、15,000 人のゲストユーザーがいます。ユーザーベースの構築は、当社の 2023 年の重要な取り組みの一つです。

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ユーザーはアクセシビリティの柱に基づいて場所の評価とレビューができる

よりアクセシブルな未来に向けたソリューションの構築

当社のアプリは、私たちを取り巻く物理的な空間とは異なり、アクセシビリティを第一に考えて設計されています。当社のユーザーベースはテクノロジーを使用することに課題を抱えているため、できるだけシームレスな体験をしてもらいたいと考えています。当社の目標は、プロダクトを改善し、Android と iOS のネイティブのユーザー補助機能を活用して、ユーザーが日々直面している課題を少しでも多く解決することです。当社は Google for Startups Latino Founders Fund に選ばれました。これにより、反復作業を続け、必要な人たちにより最適なユーザー補助ツールを提供するために必要な支援と評価を得ることができました。

当社は、iAccess Life を単なる評価とレビューのプラットフォーム以上のものだと考えています。今日の世界で旅をしやすく、暮らしやすく、気が楽になれるアクセシビリティのオールインワンプラットフォームになりたいと考えています。最新バージョンでは、アプリ内で直接駐車料金を支払うことができ、A から B に到達するためのひと手間を省くことができるようになりました。この機能は、今後 1 年間で 70 都市に展開し、順次その他の機能も追加していく予定です。また、視覚障がいや聴覚障がい、自閉症など、あらゆる形態の障がいに対応できるよう、プラットフォームを拡張していく予定です。

私は、怪我をした後に、この怪我で自分の人生を決めてはいけないと決心しました。何があっても自分の好きなことをやり続けると誓い、それを実行しています。今でもレース(現在は四輪)をしたり、旅に出たり、友人と出かけたりしています。障がいがあると、どうしても自分の限界に目が行きがちですが、iAccess Life はその逆を目指します。アプリにより、行ける場所やできることの手がかりを得ることができます。そして、ものの見方を変えるだけで、非常に大きな力が発揮されるのです。


Google Maps Platform について詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。


- iAccess Life、CEO 兼共同創業者 Brandon Winfield 氏
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