革新的なカー シェアリング プラットフォームで暮らしやすい町を作る Greenwheels

※この投稿は米国時間 2020 年 12 月 19 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: 本日の投稿は、Greenwheels の B2C プロダクト マネージャーである Lisa de Vreede 氏によるものです。Greenwheels は、大気汚染を減らして公園やグラウンドなどの緑地を増やし、暮らしやすい町を作ることに取り組んでいるオランダのカー シェアリング サービスです。

私は、ロッテルダムのコミューンで「ヒッピー」の両親に育てられました。このコミューンでは、食料、家、道具など、多くのものを共有していました。もちろん、車もです。子どもながら、所有しないという考え方はとてもシンプルで自然だったので、「シェアリング エコノミー」がデジタル革命の大きなテーマになるとは夢にも思いませんでした。

この頃の経験が、カー シェアリングで町を暮らしやすくしようとする Greenwheels につながります。25 年前、Greenwheels はオランダの市街地に緑地を取り戻すことを目指してサービスを開始しました。カー シェアリングの世界的ブームの先駆けです。オランダは自転車の国だと思われがちですが、実際に住んでいる人々は、大気汚染と交通渋滞が増えていると感じています。

当社が採用している車はどれも低燃費ですが、現在は、電気自動車を段階的に導入しています。電気自動車は、グリーン モビリティの未来を作るという私たちの目標に合っています。そして、この目標は、Google Maps Platform を利用した新しいアプリを立ち上げるときに考えたことでもあります。

新しいモビリティ ソリューションが環境を変える

2015 年、当社は都市生活の改善を目指し、Google Maps Platform を利用してアプリを改良することにしました。このアプリはJavaScript API や Street View Service などのプロダクトを利用しており、期待以上に環境に対する利点が得られました。

Google Cloud Premier Partner の Localyse とともにこのアプリを立ち上げて以来、Greenwheels の車が 1 台増えると、道路から 11 台の車が減るということが調査結果からわかりました。Greenwheels の利用を始めたお客様の年間走行距離は平均で 2,000 km 減少し、合計で年間 16 トンの CO2 が削減されました。この結果から、当社が環境に大きく貢献できたことがわかります。

当社の成功は、四半世紀の事業実績からも明らかです。Greenwheels の同僚である Allard Hansma は、これを「経験のカクテル」と呼んでいます。当社には、最適な車の配備場所を見つけることに特化した部門があります。一見、どこでもよいように思えますが、配備場所を選ぶにも知識が必要です。たとえば、鳥に汚されたくなかったら、大きな木の下に駐車するべきではありません。JavaScript API や Street View Service などの Google Maps Platform の機能は、私たちの目となって、最適な場所を探すのに役立ちます。

Google Maps Platform は、当社のカスタマー ジャーニー、つまり車を選び、実際に乗り込み、最終目的地に移動するまでの、あらゆる部分に組み込まれています。車を借りようとするお客様には、まず、Greenwheels の車が駐まっている場所のピンが表示されます。地下鉄の駅に近いなど、さまざまな要素が一目瞭然なので、お客様はそのときに一番便利な場所の車を利用できます。このアプリを立ち上げてから、お客様は 2 倍以上に増え、アプリ予約は 60% の急上昇を見せました。現在、アプリユーザーの 80% 近くが、車の検索と予約に Google Maps Platform のマップを利用しています。今では、予約のほとんどが電話ではなくオンラインで行われます。費用と労力を大幅に削減できたことで、グリーン イノベーションの推進という、当社の中核的な仕事に注力できるようになりました。

グリーン モビリティ ソリューションで家族の絆と楽しさを

グリーンという精神は、当社の社名と DNA に組み込まれています。しかし、私たちの目標は、空気をきれいにして、公園やグラウンドのようなスペースを生み出せば終わりというわけではありません。最終的な目標は、たとえば、家族との絆を深めたり、子どもたちを幸せにしたりするような、生活の中で重要なことを人々が楽しめるようにすることです。

車を持つことが難しい人に移動手段を提供し、遠くに住む人にいつでも会いに行けるようにできたことは、一つの成果です。他にも、自転車で送り迎えができないほどの雨の日に、Greenwheels でお子さんをサッカーの練習に連れて行く親御さんも増えています。

また、COVID-19（新型コロナウイルス感染症）下では、コミュニティに貢献する大きな責任があることも痛感しています。医療従事者向けに料金を下げたところ、多くの医療スタッフの皆様が、仕事のために、Greenwheels を利用してくれました。公共交通機関が輸送量を減らし、10 分おきに運行していた電車が 2 時間おきになる中、当社の車が夜勤のお医者様や看護師の方々の移動に役立ちました。緊急時対応が必要な職場で、必要なときにいつでもどこでも出動できるように、当社の車を利用して準備を整えているところもあります。

よりグリーンな未来のための戦略的パートナーシップ

当社は、新しいイノベーションで、グリーン モビリティを推進していきます。Google Maps Platform は、そのためのあらゆるステップでこれからもパートナーとなるでしょう。1 つの大きなプロジェクトとして、個人が Greenwheels ブランドの下で自分の車を提供できるピアツーピア ソリューションがあります。また、車、自転車、バイクのネットワークで移動を最適化できるように、不動産開発業者と協力してマルチモーダル交通ハブを作る計画もあります。

Google Maps Platform チームおよび Localyse とのパートナーシップによって、グリーンな社会というゴールは近づきました。ブレインストーミングのセッションでは、絶えず、Google Maps Platform の新しい活用方法や現在のソリューションの改善方法が見つかっています。

API や、API を使って目標を達成する方法について、まったく新しい方法で考えられるようになりました。Localyse との定例の戦略会議では、課題と機会を共有し、前に進む道を共に探しています。ここから新しいモビリティ ソリューションが発明されるでしょう。可能性の未来が待っています。

Google Maps Platform の詳細については、ウェブサイトをご覧ください。ウェブサイトでは  Google Maps Platform の詳細やニュースレターの購読などをご案内しています。

-Greenwheels B2C プロダクト マネージャー Lisa de Vreede