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Google Maps Platform

Circuit: Google Maps Platform でラスト ワンマイルの配達を効率化

2025年4月2日
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Megan Murphy

VP of Product, Circuit for Teams

Jack Underwood

Co-Founder and CEO, Circuit

※この投稿は米国時間 2025 年 3 月 24 日に、Google Maps Platform blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: 今回の記事は、Circuit の共同創設者 / CEO である Jack Underwood 氏と、Circuit for Teams のプロダクト担当 VP である Megan Murphy 氏によるものです。宅配業者、ドライバー、受取人の三者に等しくメリットをもたらす包括的なラスト ワンマイル ソリューションをどのように構築したかについて説明していただきました。


配達ドライバーの仕事は大変です。ルートは長距離であり、道路では渋滞が発生します。それでいて、顧客からの高い期待が寄せられています。そして、ほとんどのドライバーは配達ごとに報酬を受け取るため、距離や時間が違っていたとしても同じ報酬を受け取ることになります。多くのドライバーは、仕事を効率化するためのルート計画技術を使用していますが、そのような技術が使いにくく時代遅れのものであることが多いため、ドライバーはいくつものアプリを使い分けることを余儀なくされています。これは、ドライバーの仕事のスピード低下につながるものであり、ドライバーが働いた時間に対して支払われる報酬が減ることになります。

これが、2018 年に Circuit がその初のプロダクトである Circuit Route Planner で解決しようとした課題です。2020 年にはこれに次いで、現代の宅配業者向けのラスト ワンマイル配達ソリューションである Circuit for Teams もリリースしました。2024 年だけでも、10 億件を超える世界中の配達のサポートを達成しています。

ピンポイントの精度で配達場所を特定する必要があることは、Circuit の開発段階からわかっていました。ドライバーはそれぞれの物件の正確な位置を知る必要があり、また、最適化されたルートを作成するための正確性も求められます。地図プロバイダを探すにあたっては、Google Maps Platform と他の選択肢ではデータ品質に大きな差があることが決め手になりました。きわめて高水準なデータを必要としていた当社にとって、Google Maps Platform は唯一の選択肢でした。当社のルート プランナーは開発当初の段階で Google Maps Platform のモビリティ サービスを利用しました。グローバルにリーチするこのプラットフォームのおかげで、Circuit は世界 180 か国以上でユーザーを獲得することができました。

Navigation SDK で配達にかかる時間を 1 日あたり 1 時間節約

今では、Circuit を使用する配達ドライバーは使い慣れた Google マップのインターフェースを使用して、現在地と目的地を正確に把握することができます。Google マップでは地図が 1 日あたり 1 億回更新されます。ドライバーは Circuit アプリを離れることなく、ターンバイターンの経路案内、車線案内、リアルタイム交通情報を利用して、ルート上にある各経由地までの移動を行えます。これは、Navigation SDK のおかげです。

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Google Maps Platform モビリティ サービスを活用した Circuit Route Planner は、ドライバーが巡回にかける時間を平均で 1 日あたり 1 時間節約しており、1 時間あたりで獲得できるドライバーの報酬アップにつながっています。ドライバーが走行するルートの距離は、1 つのルートあたりで最大 40 マイル(約 64 km)短縮されています。時間にせよ距離にせよ、ドライバーにもたらされる価値は明白です。

既製のラスト ワンマイル管理ソリューションでルートを大規模に管理

私たちは次に、現代の宅配業者が直面する課題を Circuit for Teams で解決しようと試みました。宅配業者が扱う配送システムは、これまでにないほどに複雑になっています。購入者、販売者、ドライバーが増えているにもかかわらず、配送の現場から要求される需要を支えるためのインフラストラクチャの成長はほとんど認められません。効果的な業務遂行を実現するための適切なテクノロジーが、宅配業者から求められています。

宅配業者は Google Maps Platform のモビリティ サービスを使用する Circuit for Teams を活用して、配達ルートの効率的かつ大規模な計画、最適化、割り当てを行うことができます。これまではオールインワン ソリューションが存在しなかったため、宅配業者はモビリティ サービスを自社で統合して、システムを社内で構築しようとしていました。しかし、開発のノウハウが宅配業者の中で不足していたことが多く、その結果、パッチワーク的で非効率的なソリューションがいくつも生まれました。宅配業者は Circuit for Teams を使用すれば、SDK を独自に統合することなく、Google Maps Platform の優れた機能を備えた構築済みのソリューションをすぐに利用できます。そのため、配達業者は専門分野である配達業務に集中できるようになります。

効率的なルート管理で宅配業者の時間を 1 日あたり 3 時間削減

Circuit が解決している宅配業者の課題のひとつに、誤った住所の修正があります。ドライバーに間違った住所が与えられた場合、その配達が失敗する確率は 40 パーセント近くになります。配達が失敗するたびに、宅配業者のわずかな利益がさらに損なわれることになるため、誤った住所を早期に特定することは重要です。Google Maps Platform であれば、まさにこれを行うことができます。

Circuit に住所が入力されると、Places API の Place Autocompete 機能がアプリにより呼び出され、その住所が存在するかどうかが検証されます。住所が曖昧な場合、不完全な場合、あるいは正しくない場合は、Place Autocomplete を利用してこれを修正できます。Geocoding API であれば、住所の検証と形式の標準化を一貫性のある正確な手法で行うことができます。宅配業者はこれらの機能を組み合わせて活用することで、配達の成功につながる正確な住所を把握できます。

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また宅配業者は、複数のドライバー向けの効率的なルートの計画、管理を Circuit for Teams を使用して行い、それらのルートをすべて Google マップで可視化することで、1 日平均 3 時間の時間を節約しています。

宅配業者は、すべてのドライバーを地図上で追跡して、配達が計画どおりに進んでいることを確認できます。珍しいケースですが、宅配業者が連絡がないドライバーを追跡し、緊急の救命措置を施した実例もあります。

すべての人にとって効率的な配達を実現するためのロードマップを描く

宅配業者は、Circuit for Teams と Google Maps Platform モビリティ サービスを使用して、荷物を待っている消費者に正確な配達予定時刻を提供することで、いつ自宅にいるべきかを伝えることができます。さらに当社では、Routes API を実装して、配送ルート全体のリアルタイムの交通量を考慮に入れることで、より正確な配達予定時刻を配送ルート上の受取人に対して提供できるようにしようとしています。また、Circuit for Teams を活用して、受取人が Google マップでドライバーの現在地をリアルタイムで追跡できるようにしています。

Circuit は成長を続けるなかで、Google Maps Platform のモビリティ サービスを使用してラスト ワンマイルの配達を改善する新しい方法を模索しており、これには、複雑なルートを最も能力の高いドライバーに割り当てられるようにする機能などがあります。また、費用やキャッシュ フローを管理して成長の機会を見つけるなど、宅配業者の事業の別の領域を改善できるようにするためのサポートにも力を入れています。

こうした成長はすべて、当社が Google Maps Platform で開発した基盤の上に築かれています。品質、信頼性、機能の幅広さを活用して、完全なラスト ワンマイル管理ソリューションとともに、世界クラスのドライバー プロダクトを構築することができました。他のプロバイダでこれを実現することはできなかったでしょう。

-Circuit、共同創業者 / CEO、Jack Underwood 氏
-Circuit for Teams、プロダクト担当バイス プレジデント Megan Murphy 氏

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