小売業者が Google Cloud でアジリティと復元性を高める方法
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 8 月 21 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)は、消費者が商品やサービスを購入する方法を大きく変えましたが、この変化はすでに進行中だった傾向に拍車をかけたにすぎません。多くの小売業者はこの唐突な変化に戸惑いながらも、大半の業者は、(これから定着すると予想される)消費者の行動や期待の変化に応じたクラウド変革への取り組みを強化しました。こうした業者は、商品のプロモーションの促進、カスタマー サポートの拡張、需要レベルの予測、果てしなく高まり続ける顧客の期待への対応などに必要とされる迅速な対応を実現するには、オンプレミスのワークロードをクラウドに移行する必要があることを認識しています。大切なのは、こうしたクラウドへの移行を、サービスの中断を最小限に抑えながら、できるだけ速く、効率的かつ費用対効果の高い方法で行うことです。小売業者は Google Cloud VMware Engine などのソリューションを活用して、オンプレミスのアプリケーションをクラウドに移行できます。移行によって、進化に対応し競争力を維持するために必要なスケーラビリティ、インテリジェンス、スピードがもたらされます。
クラウドの強みを生かす
MIT の最新調査 1 では、小売業の IT リーダーの 75% が、パンデミックがきっかけとなり、ビジネス プロセスと運用効率の改善、カスタマー エクスペリエンスの強化を目指すデジタル トランスフォーメーション プロジェクトが進行したと回答しています。クラウド コンピューティングはデジタル トランスフォーメーション実現の鍵を握っています。クラウド コンピューティングによって、業者が急激な変化に対応するために必要な拡張性、分析能力、アジリティがもたらされます。IT リソースをクラウドに移行することで、小売業者は革新的なモバイルアプリの開発とデプロイ、コールセンターなどの多額の費用がかかるサービスの仮想化、ビジネス プロセスの自動化、膨大なデータの分析が可能となり、需要予測の速度と精度を高めることができます。アプリケーションをクラウドで実行すると、ビジネス マネージャーと IT 部門はオンプレミス システムの機能を変更せずに複製できるので、従業員、顧客、パートナーが場所や時間を選ばずにシステムにアクセスできるようになります。クラウドで運用することで、小売業者は従来のシステムにある多くの制限から解放されます。
以下に、アプリケーションとデータをクラウドに移行することで小売業者が得られるメリットの一部をご紹介します。
新しい収益源の構築: オムニチャネル ショッピングで迅速かつ確実なクラウド インフラストラクチャを提供できます。
人工知能とデータ分析の活用: クラウドで利用できます。Google Cloud の BigQuery を使用して AI を活用した予測モデルを実行し、需要、販売計画、注文などのアクティビティをより高い精度で予測します。Recommendations AI をデプロイし、高度にパーソナライズされたおすすめの商品を顧客へ大規模に配信します。
運用効率の改善: 物理的なインフラストラクチャに事前に大規模な投資を行う代わりに、必要なコンピューティングとストレージに課金するスケーラブルで柔軟性に優れた環境を利用できます。
カスタマー エクスペリエンスの改善: 顧客が必要とするものを必要なときに提供し、行動や他のデータを分析できます。パーソナライズされたモバイルアプリとウェブアプリを構築してリアルタイムの情報をカスタマー サービスとフロアスタッフに提供し、顧客の懸念に迅速かつ効率的に対応します。
コストの削減: AI を活用したエージェントをデプロイすることで、顧客が簡単な問題については自分たちで解決でき、日常的なバックオフィス業務を自動化して、チームがより付加価値の高い作業に集中できるようにします。
顧客データを保護: Google Cloud の多層的で安全性を重視したインフラストラクチャ、組み込みのセキュリティ機能、グローバル ネットを利用できます。
コントロールを改善: 統合クラウド管理ツールを使用して、IT スタッフが、スタック全体、つまりオンプレミス システムとクラウドを 1 つの場所で監視できるようになります。
Google Cloud VMware Engine でリフト&シフトを容易に
小売業者は新しいアプリケーションを完全にデプロイしなくても、Google Cloud のメリットを生かすことができます。バックオフィス アプリケーションや他のビジネス システムを現状のままでクラウドに移動できます。コードを書き換える必要はありません。
Google Cloud VMware Engine によって、企業はオンプレミス ワークロードとアプリケーションのクラウドへの移行または拡張をシームレスに行えます。これは、IT マネージャーが既存のアプリケーションを再構築なしでクラウドに数分で移動できることを意味しています。ここから、小売業者は既存のアプリケーション(POS システム、仮想デスクトップ、その他のデバイスなど)を、店舗やオフィスにインストールしていたときと同じように実行できます。
Google Cloud VMware Engine は、現在のツールに変更を加えずに VMware ワークロードをネイティブに実行するソフトウェア定義型インフラストラクチャを作成します。このインフラストラクチャには、個々の顧客に特化した演算能力、ストレージ、ネットワーク接続、セキュリティ サービスなどがあります。
新たな小売の現状に応じたクラウド インフラストラクチャ
COVID-19 は、消費者の行動と期待の恒久的な変化に対応するため、変革の取り組みを活性化する必要性に気づいていた多くの小売業者に警鐘を鳴らすものでした。この変革を実現するには、費用のかかるサービスの中断やダウンタイムを発生させずに、クラウドへの移行をできるだけ迅速かつ効率的に、費用対効果の高い方法で行う必要があります。小売業者は Google Cloud VMware Engine を利用して、数分で完了する簡単なリフト&シフトプロセスで移行を実現できます。クラウドへの移行後は、小売業者は高度なデータ分析、改善されたカスタマー エクスペリエンス、エンタープライズ クラスのセキュリティ、低いコストなど、Google Cloud が提供する多くの機能を活用できるようになります。
こちらの小売業に関するホワイト ペーパーで、Google Cloud VMware Engine を使用して小売業の IT システムをクラウドに簡単に移行する方法をご紹介しています。
1. MIT Technology Review Insights による、COVID-19 とテクノロジーに及ぼすその影響の調査(VMware と連携、世界中の小売業上級テクノロジー リーダーとビジネス リーダーを 100 とする)
-プロダクト マーケティング担当 Ken Drachnik