新しいダッシュボードで、GKE と GCE のロギング使用状況データを簡単に分析
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 4 月 2 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
システムやアプリケーションのログは、運用担当者や開発者がトラブルシューティングを行ったり、アプリケーションを正常な状態に保ったりするために欠かせないデータを提供してくれます。Google Cloud では、サービスのログデータを自動的に取得し、Cloud Logging や Cloud Monitoring で参照できるようにしています。しかし、利用するサービスが増えるのに伴って、ログデータの格納に必要な予算の見極めや、複数のプロジェクトを対象とした詳細分析が難しくなってくることがあります。このような問題に対処するため、本日、オープンソースの JSON ダッシュボード一式が公開されました。これらを Cloud Monitoring にインポートすることで、ロギングのボリュームをすばやく分析したり、ログベースの指標を確認したり、複数のプロジェクトのロギング エクスポート情報をまとめて把握したりすることが可能となります。
本日リリースされるダッシュボードには、以下のものがあります。
Logging Management ダッシュボード
GKE Logging Usage
GCE Logging Usage
Cloud SQL Logging Usage
Logging Management ダッシュボード
Cloud Console の [ログストレージ] セクションには、単一のプロジェクトのロギング使用状況データ(現在のロギング ボリューム合計、先月の課金ボリューム、今月の予想ボリューム)が一覧表示されます。
この大まかな使用状況データだけで十分な場合もあるかもしれませんが、状況によっては、複数のプロジェクトのロギング使用状況データを総合的に分析したり、ロギングデータをより細かいレベルで調べたりしたいこともあるでしょう。
Logging Management ダッシュボードには、ご利用の Cloud Monitoring ワークスペースに含まれるプロジェクトの情報がまとめて表示されるので、個々のプロジェクトごとではなく、総合的な分析を行うことが可能です。
Cloud Monitoring に備わっている標準的なフィルタを使えば、特定のプロジェクトや、ログ名、ログの重要度などで絞り込んで、より詳しい分析を行えます。
たとえば、エラーはアプリケーションで重大な問題が発生している兆候を示すので、エラーのログだけに絞り込んでグラフを表示すれば、問題のあるプロジェクトやリソースを簡単に見つけて調査することが可能です。
Logging Usage - Kubernetes ダッシュボード
GKE の Logging Usage ダッシュボードには、ご利用の Cloud Monitoring ワークスペースに含まれるプロジェクトで実行中のすべての GKE クラスタのロギング指標がまとめて表示されます。この情報は、クラスタ、コンテナ、Pod、名前空間でグループ化されて表示されます。
Cloud Monitoring の GKE Logging Usage ダッシュボードに表示される表
このダッシュボードでリソースのフィルタを適用すれば、ロギング指標を Kubernetes リソースごとに確認できます。たとえば、cluster_name で絞り込むと、該当する GKE クラスタで実行されている Kubernetes のコンテナ、Pod、名前空間のグラフがすべて表示されます。
グラフの凡例を展開して、特定のリソースだけに絞り込むこともできます。以下の例では、Pod を指定して、特定のリソースについて取り込まれたログのボリュームだけを表示しています。
この Logging Usage ダッシュボードには、昨年公開された Cloud Monitoring の GKE ダッシュボードにはなかったロギング管理機能が備わっています。GKE ダッシュボードには、サービスのトラブルシューティングに役立つ指標やエラーログが詳しく表示されます。
Logging Usage - GCE およびその他のダッシュボード
github のリポジトリには、Compute Engine や Cloud SQL など、特定のサービス用に作られたダッシュボードがあります。
アラートの設定およびカスタマイズ
Cloud Logging では、プロジェクトの重要な使用状況指標をまとめて表示したり、特定のログについて絞り込んだりして分析を行えます。一方、Cloud Monitoring の特長は、ダッシュボードの基本的な指標についてアラートを設定し、問題防止に役立てられるという点です。アラートは、ロギング使用ボリュームやエラーなど、任意の指標について設定できます。たとえば、これらの指標が一定のしきい値を超えたら通知する、といった設定を行えます。
さらに、ダッシュボードの要素はすべて新しい Monitoring ダッシュボード ビルダーを使ってカスタマイズすることが可能です。カスタマイズした結果を共有したい場合は、Monitoring ダッシュボード サンプルの github リポジトリへの pull リクエストをお送りください。
Cloud Logging について詳しく学ぶ
ログ エクスプローラをさっそく使ってみるか、Qwiklabs のクエストで、Cloud Logging の詳細をご確認ください。ディスカッション フォーラムへの参加もおすすめです。皆様からのフィードバックをお待ちしております。
-Google Cloud プロダクト マネージャー Charles Baer