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Google Cloud

人とテクノロジーを結びつけるカスタマー エンジニア

2020年4月7日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 3 月 31 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集部注 : この投稿では、女性史月間(3 月)にちなんで、Google Cloud の女性従業員に、それぞれのアイデンティティと、それが仕事に与える影響について語ってもらいました。

Google Cloud のカスタマー エンジニアは、テクノロジーと人を結びつけ、お客様が適切な問題解決ツールを選べるようサポートし、お客様の持続的な発展に役立つソリューションの構築を支援します。そこで私たちは、3 人の女性カスタマー エンジニアにインタビューし、この仕事に就くまでの経緯、テクノロジーに対する情熱、IT の世界で働くほかの女性へのアドバイスについて話を聞きました。

「心さえあれば」: テクノロジーに通じた人間は頭脳だけのアプローチを打ち負かす

―― Kristin Aliberto、カスタマー エンジニア


私は、米国にはもう技術系の就職口はないと声高に言われていた時期に成人を迎えたのですが、高校でコンピュータ サイエンスを学んでいたことが幸いしました。大学では歴史と教育の勉強に励んでいましたが、テンプル大学で学位を取得したあと、学生センターの IT サポートを経験し、エンドユーザー テクノロジーに魅了されるようになりました。繰り返しになりますが、私は幸運でした。通っていた学校が Google Apps for Education のアーリー アダプターだったのです。

これが、私にとってクラウドとの最初の出会いでした。そして、ニューヨーク大学における Google Apps プロジェクトのサポート リーダーという最初の大きな技術職につながりました。

テクノロジーは問題を解決するための言語です。私の場合、データについて考えるときは、かつて学んだ社会科学が前面に出てきます。何の疑問も持たずに定量的なメトリクスを受け入れてしまうと、それが実際に何を表しているかについて根本的に誤解してしまうことがあります。さらに、関連する問題をどのように解決するかということも影響を受けます。

同じように、お客様から技術仕様の聞き取りを行うときは「どんな方法で」が話の中心になりがちですが、私が知りたいのは「なぜ」です。「なぜ」がわかれば、「何を」に相当するソリューションと、「どんな方法で」を、お客様と協力して明らかにできるからです。

たとえ今の Google Cloud が、お客様にとっての「どんな方法で」を持ち合わせていなくても、「何を」や、そしてより重要な「なぜ」についてお客様と問題意識を共有できれば、価値のあるサービスを提供できます。

Google に入社したことで、お客様が抱えるさまざまな問題を掘り下げられるようになりました。クールなテクノロジーに実際に触れ、それを仕事と仕事以外の複雑な課題の解決に活かすことができます。新しいテクノロジーについては、可能なかぎり試すようにしています。たとえば最近行った実験は、使われなくなった Chromebox による Kubernetes クラスタの構築です。私は女子ラグビーのコーチもしていますが、スポーツ ビデオ分析で使われている標準的な機械学習はモデルが男性のデータでトレーニングされていることが多く、しばしば不満を覚えます。私は、自分自身、チームの選手、さらには女性の陸上競技を支援することに重点を置いて、新しいテクノロジーを優先して試しています。これが今、個人的に力を入れているテーマです。

ほかの女性に対するアドバイスは、いたってシンプルです。自分の価値を知ろうということです。

自分の価値を意識しましょう。あなたに挑戦する女性とあなたを支える女性をまわりに集めましょう。あなたが活動するフィールドはあなたが作ったのではないことを理解しつつ、だからといって諦めないことが大切です。ゲームを支配しているルールのためにゲームを諦めず、ルールを変えるチャンスがあればそれを見逃さないようにしてください。あとから来る人々のために、グラウンドを平らにしておきましょう。

お客様とテクノロジーをつなげる

―― Roshni Joshi、カスタマー エンジニアリング担当ディレクター

私はインドで育ち、まわりには優れたロール モデルがたくさんいました。母は麻酔専門医で、叔母の多くは科学分野の学位を取得して教授や教師のキャリアに進みました。大学では電気工学を専攻しましたが、最初のインターンシップでこの分野は自分に向いていないと思いました。もっと人と接する仕事がしたかったのです。そこで、コンピュータ サイエンスの学位を目指すことにしましたが、それまでプログラミングの経験があまりなかったので、とても苦労しました。最初は SAP コンサルタントとして働き、次にプログラム管理とプラクティス管理、そしてプリセールスに移りました。

私が Google で最も惹かれる点は、Google の文化とオープンソース テクノロジーへの取り組みです。ユーザーを囲い込まないことが私たちの誇りです。Chromium、Kubernetes、TensorFlow など、今日のデジタルエコノミーを支えるハイパースケールなアプリケーションの多くは Google がオープンソース化したものです。これらのアプリケーションを企業のお客様と共有し、問題の解決に役立てるのはとてもすばらしいことです。私は「なぜ」を理解して、それを「何を」で解決するという考え方は本当に優れていると思っています。現在、新型コロナウイルス感染症による危機に対して、この会社が人、資源、テクノロジーを通じて行っていることをこの会社の一員として見ていると、謙虚になるとともに力が湧いてきます。日々 Google のバッジを付けていることにいつも誇りを感じていますが、今は特にそうです。

人はインポスター症候群や自信喪失に陥ったり、特定の役割や分野での資格がないと思ったりしがちです。私はそういう女性をよく見かけますし、自分自身もそうなったことがあります。職場での経験が浅い女性に対しては、自信と自己懐疑のバランスを取るべきだとアドバイスしています。自分の長所と短所に正直になるということです。何かを望むなら、それを本気で追求すべきです。求人に応募し、キャリア転換に挑み、昇給を要求すべきです。あなたのために動けるのはあなただけです。自分のことは自分でしなければなりません。最悪の場合でも壁にぶつかるだけのことです。

また、キャリアを後押ししてくれるのは、粘りと根性です。目標に圧倒されそうになったら、毎日小さなことを改善することの大切さを思い出すようにしてください。数インチずつの小さな勝利を重ねれば、それが積もり積もって 1 マイルの前進になります。

クラウドの問題に科学的厳密性を

―― Vanessa July、カスタマー エンジニア

私は化学とナノテクノロジーを学び、学部時代は研究室の仕事をして過ごしましたが、卒業後は博士やポスドクを目指す気になれませんでした。その頃テクノロジーの分野で働くメンターがいて、彼の勧めで新卒者を対象とする HPE のブートキャンプに応募し、彼の推薦もあって HPE のセールス エンジニアとしてテクノロジーのキャリアをスタートさせました。Google Cloud に入るとすぐに Higher Education チームで働く機会を得ましたが、研究者と一緒に仕事をするなかで自分の科学に対する愛がよみがえりました。キャリアとして研究室生活を送る気にはなれませんでしたが、それでも科学者と緊密に連絡を取り合い、クラウド コンピューティングを利用すれば彼らの仕事を手助けできることを実感しました。

いつも言っていることですが、コンピュータ サイエンスやコーディングを学んだことがなくても、テクノロジーの世界で働くことはできます。実際、大学時代に学んだ科学的手法は、私の人生のあらゆる部分で役に立っています。科学では、未知の問題を投げかけ、仮説を立て、仮説を検証するための実験を組み立てます。科学では仮説を支持、または棄却するためのデータを必要とします。これはまさに私が今やっていることです。未知のものを見つけ、それを解決するためのフレームワークを構築するのです。お客様の問題の解決方法は毎回違って見えるので、一貫性を保つために変数の数をできるかぎり少なくし、必要に応じて再評価して調整することが重要です。たとえば、コンピューティング環境のスケーリングでは、コアやリソースを追加していくうちに何が起きるかは最初の時点ではわからない場合があるので、効果的にテストすることとバックアップ プランを用意することが必要になります。

私は頑固なので、仕事に就いたばかりの人には、粘り強さを持つことをアドバイスしています。いずれあなたは、求めるものを要求しなければならなくなります。自分の希望を自覚し、特にメンターや支援者にはおじけずに伝えるようにしてください。私のメンターは、私が仕事を通じてテクノロジーを学ぶ力があることを知っており、彼の推薦で最初の仕事に就くことができました。誰かがあなたを応援してくれるのであれば、昇進や昇給であろうと、もしくは別の目標であろうと、あなたが望むことをその人に知ってもらいましょう。何が望みかをはっきりと理解している支援者は、きっとあなたを引っ張り上げてくれるでしょう。

- By Google Cloud Blog Team

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