AI を活用したトラブルシューティングでデータベースのオブザーバビリティを誰でも利用可能に
Mukesh Marodia
Product Manager, Google
※この投稿は米国時間 2025 年 5 月 14 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
組織で DevOps 手法の導入が進むにつれて、アプリケーション開発者は、アプリケーションの構築だけでなく、使用するデータベースの管理と運用も求められるようになってきています。このような責任が加わったことで、アプリケーション開発プロセスや、製品化までの時間が長くなる可能性があります。その主な理由として、多くの場合、開発者はデータベースの専門知識がないまま、このような重要なシステムを管理、運用しなければならなくなったことが挙げられます。
このような開発者を支援するため、Google では、Google Cloud Next 25 において、Cloud SQL と AlloyDB 向けの AI を活用したトラブルシューティングを発表しました。これは、開発者が効果的なデータベース運用に必要な自立性を身に付け、データベースに関する深い専門知識がなくても自信を持ってデータベースを管理、トラブルシューティングできるようにする画期的な機能です。
クエリのパフォーマンスの問題を事前に予測し、根本原因を特定して、実用的な解決策を提案できるデータベース サービスを想像してみてください。これがまさに、AI を活用したトラブルシューティングで実現されるものです。AI を活用したトラブルシューティングは、低速なクエリなどの潜在的な問題を予測し、重大な問題に発展する前に実用的な推奨事項を提供します。AI を活用したトラブルシューティングは、Cloud SQL for MySQL、Cloud SQL for PostgreSQL、Cloud SQL for SQL Server、AlloyDB すべてにわたって機能します。また、Cloud SQL Studio と統合されているため、推奨事項を適用するプロセスは簡単です。クエリの最適化支援とパフォーマンスの自動モニタリングにより、開発者はデータベースのメンテナンスやトラブルシューティングではなく、アプリケーションのイノベーションにエネルギーを注ぐことができます。
AI を活用したトラブルシューティングは、生成 AI と ML の力を活用して、データベースの課題に正面から取り組み、ホットスポットの自動識別、根本原因をすばやく特定するインテリジェントな状況分析、規範的な対処プログラムの共有を実現します。AI を活用したトラブルシューティングで可能なことは、次のとおりです。
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アプリケーションに影響が及ぶ前に、非効率的なクエリ、リソースの潜在的なボトルネック、その他のパフォーマンスの問題を特定する
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インデックス戦略、パーティショニングの提案など、データベースのパフォーマンスを最適化するための明確で実用的な推奨事項を入手する
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Cloud SQL Studio とのインテグレーションにより、所定の手順を簡単に実行する
実際の例
あなたは、Cloud SQL を使用するリアルタイムでの在庫追跡アプリの開発者だとします。最近、データの取得が大幅に遅くなり、アプリの応答性に影響が出ていることに気付きました。AI を活用したトラブルシューティングで、この問題を迅速に解決するにはどうすればよいでしょうか。
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Query Insights に移動すると、AI を活用したトラブルシューティングによって問題のあるクエリがすでに特定され、[分析] ボタンが表示されています。
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[分析] ボタンをクリックすると、実行時間の急増など、クエリのパフォーマンスに関する分析情報が即座に得られます。AI を活用したトラブルシューティングによって、根本原因が「データ量の増加」と特定されました。
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問題を解決するための具体的な推奨事項(インデックスの作成など)も示されています。
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Cloud SQL Studio を使用して推奨事項を実装し、アプリケーションのパフォーマンスを回復します。


AI を活用したトラブルシューティングによる低速なクエリの特定、根本原因の特定、解決策の推奨


AI を活用したトラブルシューティングによるデータベースのパフォーマンスのトラブルシューティング、根本原因の特定、解決策の推奨
こうしたシナリオから、AI を活用したトラブルシューティングの有効性がよくわかります。AI が明確な診断と実用的な解決策を数秒で提供するため、ログや指標を何時間もかけて手作業で分析する必要がなくなります。
「当社は、最先端のテクノロジーを活用してデータベース運用を改善する方法を常に模索しています。Cloud SQL の AI を活用したトラブルシューティングは、データベース管理に大きな進歩をもたらします。パフォーマンス分析が自動化され、インテリジェントなガイダンスが提供されるため、チームはアプリケーションのイノベーションや新機能の開発といった戦略的イニシアチブに専念できるようになります。この AI を活用したソリューションで、当社は業務の進め方を真に変革できるでしょう。」- CME Group、クラウド データ エンジニアリング担当エグゼクティブ ディレクター、Kristofer Sikora 氏
AI を活用したトラブルシューティングは、スキルギャップを埋め、独立性の文化を育み、自動化とコラボレーションという DevOps の原則に沿ってワークフローを合理化し、開発チームと運用チーム間のサイロを減らすこともできます。最終的に、AI を活用したトラブルシューティングは、データベースのパフォーマンスを向上させるだけでなく、データベース管理を開発者にとってよりわかりやすく効率的なものにすることで、ソフトウェア デリバリー全体を迅速化します。
まとめると、AI を活用したトラブルシューティングは、データベースを管理、最適化する画期的な新しい方法で、現在、AlloyDB、Cloud SQL for PostgreSQL、Cloud SQL for MySQL、Cloud SQL for SQL Server 向けをプレビュー版でご利用いただけます。Cloud SQL コンソールや AlloyDB コンソールで AI を活用したトラブルシューティングにアクセスして、データベース パフォーマンスの最適化を早速始めましょう。詳細なガイダンスについては、Cloud SQL for PostgreSQL、Cloud SQL for MySQL、Cloud SQL for SQL Server、AlloyDB のドキュメントをご覧ください。
-Google、プロダクト マネージャー、Mukesh Marodia