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データ分析

ThoughtSpot のセルフサービス分析がコネクテッド シートに登場

2023年2月9日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 1 月 31 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

今日の職場では大量のデータが扱われます。このために、最新のデータスタックの世界には多くの驚異的なビジネス インテリジェンス ツールがあふれているにもかかわらず、データに関する大小の問題の解決には、未だに「古き良き信頼できる」スプレッドシートが使われています。

これだけデータがあっても、分析情報を入手できないのはなぜでしょうか?

企業はデータがビジネスにもたらす価値を認識しているものの、データを活用することは必ずしも容易ではありません。スプレッドシートは、ユーザーが元データを意味のあるものに変換する作業を始めるうえで素晴らしいツールです。そのため、スプレッドシートを使用してデータを分析する方法を把握することが、あらゆる業界のユーザーにとって非常に重要であり続けています。スプレッドシートに関しては、ユーザーの 63% がこの用途を最上位のユースケースに挙げています。しかしながら、半分以上のユーザーが、そうしたスプレッドシートのデータを理解することに依然として苦労していると答えています。スプレッドシートを最大限に活用する方法を知っているパワーユーザーまたはデータ アナリストがいる一方で、無数のビジネス ユーザーがそれぞれ固有の疑問を抱えています。  

今日のナレッジ ワーカー、すなわち新しい意思決定者に対する要求の高まりは、こうした課題をさらに深刻なものにしています。その日の早い時間帯、あるいは前日や前の週に起こったことではなく、その瞬間の最新情報に基づいて意思決定を行うには、データを迅速に分析し、それに基づいて行動するスキルが求められるだけでなく、そのデータをリアルタイムに利用できることが必要になります。

業界がクラウド データ ウェアハウスを採用し、データ クラウドが台頭する中、コネクテッド シートの台頭も見られます。Google Cloud BigQuery を使用すれば、コネクテッド シートを簡単に活用できるため、組織の誰もがデータドリブンな意思決定を迅速かつ容易に行うことができます。

ThoughtSpot と Google Cloud は互いに連携することで、Google スプレッドシート向け ThoughtSpot によるコネクテッド シートを誰もが活用できるようにしています。CNA Insurance、Vodafone、Mayo Clinic、FactSet などの組織は、ThoughtSpot と Google Cloud を組み合わせて使用し、信頼性のある最新のデータに対するシンプルで優れたセルフサービス分析を利用して、ビジネス ユーザーがデータに関する自らの疑問に答えられるようにしています。

シートのデータから分析情報を引き出す

Google スプレッドシート向け ThoughtSpot は、Google スプレッドシート用のスタンドアロン ネイティブ アプリ プラグインで、Google スプレッドシートのデータにおいて真のセルフサービス分析を実現します。Google スプレッドシート向け ThoughtSpot を使用すれば、検索と同じくらい簡単にグラフやビジュアリゼーションを作成できます。必要なものは、Google スプレッドシートのデータと好奇心だけです。

詳しく見ていきましょう。

コネクテッド シートにデータを取り込む

データを Google スプレッドシートに取り込む方法はたくさんあります。知識が豊富な多くのユーザーは、Supermetrics や Coefficient.io などの一般的なデータ統合ツールを使用して、ビジネスアプリのライブデータを Google スプレッドシートに接続し、アドホック分析を行っています。それ以外のユーザーの中には、手っ取り早いコピーと貼り付けを好む人もいますが、非常に多くのビジネスデータがデータクラウドに移行している現在では、Google スプレッドシートを通じて BigQuery の大量の顧客データにクエリを実行できるようになっています。

使ってみる

Google スプレッドシート向け ThoughtSpot は簡単に使用開始できます。Google Workspace Marketplace で検索するか、こちらから ThoughtSpot のページにアクセスしてください。クリックするだけでアプリをインストールできます。組織によっては、Google Workspace 管理者からプラグインの承認を取得するために、短くわかりやすいメッセージを送る必要があるかもしれません。
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ワンクリックでコネクテッド シートおよび Google スプレッドシートのデータで検索ベースの分析を開始

ThoughtSpot をインストールすると、データに接続する準備が整います。あとは [Data] タブに移動して、[Connect to BigQuery] を選択するだけです。そこから、ビジネス データセット内のテーブルを探索したり、Google Cloud の Analytics Hub に公開されている公開データセットに接続したりできます。

Google スプレッドシートの接続を終えたら、ここからが楽しいところです。

データ モデリングは必要ありません。実際のところ、スタースキーマやスノーフレーク スキーマも必要ありません。簡単に分析情報を得られます。

ワンクリックで、データに関する最大のハードルを越えることができます。拡張機能のメニューから ThoughtSpot を選択するだけで、あとはアプリが処理してくれます。データのサイズに応じて、瞬く間にアプリがデータを自動的に読み取り、理解し、さまざまなタイプ(DATES、MEASURES、ATTRIBUTES)に分類します。これらはすべて、シートの上部にある使いやすいモーダルで簡単に探索できます。

検索を利用してコンテンツを作成する

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検索を使用して無限の組み合わせを探索し、新しいグラフとビジュアリゼーションを作成

データが Google スプレッドシートに取り込まれると、ThoughtSpot を使用してデータに関する質問を簡単に行うことができます。検索バーを使用するか、サイドパネルから選択することで、新しいビジュアルの作成を自動的に開始できます。データ探索ユーザー向けにユーザー エクスペリエンスが設計されており、あとはデータ探索を実行するだけです。検索エンジンは高度なコンパイラとして機能し、検索の無制限の組み合わせを提供するため、Google スプレッドシートを最大限に活用できます。検索を通じて、データ内のメジャー、属性、さらにはフィルタの無限の組み合わせを呼び出すことができるため、さまざまな探索を行うことができます。

ソート結果から上位 n 項目を生成する「top」など、分析をさらに進めるための強固なキーワードも組み込まれています。検索に複数のメジャーが入力されている場合、ThoughtSpot は最初に入力したメジャーにおける上位 n 項目を生成します。

検索では簡単に時間軸を変えられます。検索エンジンを使用して、データを日次、週次、月次で簡単に集計したり、タイムスライスを使用してさらにきめ細かくデータを取得したりできます。

どこにでもドリルダウン

真のセルフサービス BI は、データのドリルダウンを困難にすることなく、無制限であるべきです。そのため、Google はデータ検索エンジンに再び着目し、データのどこにでもワンクリックでドリルダウンできるようにしました。VLOOKUPS に「さようなら」を告げましょう。

とはいえご心配は無用です。クエリを簡単に元に戻したり、やり直したりできる便利な内部ナビゲーションが組み込まれているため、気づきの瞬間を見失うことはありません。

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Google スライドに固定してデータ ストーリーを保存し、チームと共有できます

Google スライドと Google スプレッドシートによるデータ ストーリーテリング

調査対象となったほとんどすべてのユーザーは、スプレッドシートのデータから適切なグラフとビジュアリゼーションを作成する必要がありました。その目的で特に多かったのが、データ ストーリーテリングです。しかしながら、半数以上がそれを難しく感じていると答えています。このアプリは、Google スプレッドシートの貴重な相棒であるだけでなく、Google スライドと統合してデータの共有、コラボレーション、プレゼンテーションを簡単に行うこともできます。グラフやビジュリゼーションをうまく作成できたら、[Pin to Slides] をクリックします。これにより、ユーザーが新しいプレゼンテーションを作成したり、既存のスライドに追加したりできるようになります。

Google スプレッドシート向け ThoughtSpot を活用する

理論上では何もかもが素晴らしいように聞こえますが、現実の世界に当てはめると、さらに面白いことになります。

セールス

Salesforce、Gong、Outreach、Qualified、Drift をはじめ、営業担当者の武器となるデータソースは数多くあります。

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Outreach の売上データを検索することで作成されたビジュアリゼーションの例

Google スプレッドシート向け ThoughtSpot を使用すれば、便利なセールス分析により、パイプラインの健全性を管理したり、見込み客を深く掘り下げたり、顧客やマネージャーとの次の QBR が実用的なデータに根拠づけられるようにしたりできます。

マーケティング

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Google AdWords データを検索することで作成されたビジュアリゼーションの例

Google スプレッドシートは、あらゆるマーケティング担当者の主戦力となっています。Google 広告、ウェブ解析、HubSpot、広告からのデータはすべて Google スプレッドシートに取り込まれ、顧客とユーザーの傾向を理解し、プログラムを最適化し、次なる成果が約束されたキャンペーンを発見できるように、マーケティング分析に使用されています。

リサーチ

便利なことに、学生や研究者は、すでに使用している Google スプレッドシートから優れたセルフサービス体験にアクセスできるようになりました。

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公開されている排出量に関する環境データを使用して作成されたビジュアリゼーションの例

暗号通貨や国勢調査のデータから地政学上の広告費用まで、BigQuery と Analytics Hub に公開されているデータセットを探索して、データの精通度と研究プロジェクトを強化できます。

スプレッドシート 2.0 とコネクテッド シートの夜明けが間もなく訪れようとしています。Google マーケットプレイスから Google スプレッドシート向け ThoughtSpot をインストールして、ぜひご意見をお聞かせください。

有意義なデータ探索を!


- ThoughtSpot、プロダクト マーケティング担当 SVP Sean Zinsmeister 氏
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