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データ分析

BigQuery AI: データと AI の融合が実現

2025年12月4日
Suda Srinivasan

Group Outbound Product Manager

Vaibhav Sethi

Senior Product Manager

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※この投稿は米国時間 2025 年 11 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

マルチモーダル データにおける新たな分析情報の発見から、カスタマー エクスペリエンスのパーソナライズまで、AI は現代のイノベーションのエンジンとして台頭しています。AI の導入が爆発的に増加したことで、AI のライフサイクルを合理化するだけでなく、AI 主導の分析情報とワークフローの自動化を組織内のすべてのユーザーに提供するために、データと AI をより緊密に連携させる必要性が生じました。

Google は、AI をデータに導入するために BigQuery ML を開発しました。これにより、データ サイエンティストやデータ アナリストは、BigQuery 内で直接 ML モデルを構築してデプロイできます。長年にわたり、Google は AI を活用した検索、SQL を使用した生成 AI などの機能を導入することで、この基盤を強化してきました。

このたび、Google は BigQuery AI を導入します。これは、BigQuery の組み込み ML 機能、生成 AI 関数、ベクトル検索、インテリジェント エージェント、エージェント ツールを統合したものです。BigQuery AI を使用すると、次のことが可能になります。

  • 生成 AI をデータに適用: シンプルな SQL 関数を使用して、Google とパートナーの AI モデルを BigQuery のマルチモーダル データに直接適用できます。

  • データを ML に取り込むプロセスを簡素化: 特徴量エンジニアリングからモデルのトレーニング、チューニング、推論、モニタリングまで、ML のライフサイクル全体を BigQuery で管理できます。データを移動する必要はありません。

  • ワークフローとアプリを迅速に作成: データ エンジニア、データ サイエンティスト、ビジネス ユーザーのいずれであっても、BigQuery に組み込まれた扱いやすいロール固有のエージェントを使用してワークフローを加速できます。

BigQuery AI の傘下にあるツールとテクノロジーについて詳しく見ていきましょう。

生成 AI でマルチモーダル データから分析情報を引き出す

最先端の AI モデルをシンプルな SQL コマンドでデータに直接適用することで、生成 AI タスクを実行できるだけでなく、マルチモーダル データからより深いセマンティック理解を得ることができます。

  • AI 関数は、LLM とエンベディング モデルを SQL クエリに直接統合し、コンテンツ生成、分析、要約、構造化データ抽出、分類、エンベディングの生成、データ拡充などのタスクを実行できるようにします。また、フィルタリング、評価、分類などのルーティン タスクに AI 関数を使用することもできます。マネージド AI 関数を使用すると、費用と品質が最適化されたモデルが BigQuery によって自動的に選択されます。

  • エンベディングと検索に関する関数や機能により、よりインテリジェントに情報を検索できます。従来のテキスト検索では、データ内の特定のキーワードをすばやく見つけることができますが、ベクトル検索では、厳密な単語だけでなく、意味やコンテキストでも検索できます。これにより、概念的に関連するアイテムを特定し、単純なキーワード検索では見逃してしまう関連情報を見つけることができます。BigQuery のエンベディングとベクトル検索は、RAG、マルチモーダル検索、データの重複排除、クラスタリング、レコメンデーション エンジンなどのユースケースを強化します。

データ処理から AI 推論までを 1 つのプラットフォームで

BigQuery ML を初めてリリースしたとき、私たちの目標は AI と ML をデータに近づけ、SQL ユーザーが BigQuery のデータに対して BigQuery で直接 ML タスクを実行できるようにすることでした。長年にわたり、Google は ML ライフサイクル全体を加速する完全なエンドツーエンド プラットフォームを提供するために、機能を拡充してきました。

企業はこれらの機能を効果的に活用しています。たとえば、PUMA は BigQuery の統合 ML 機能を使用して、手動でのセグメンテーションから手法を進化させ、購入意向に基づく高度なオーディエンス セグメントを作成しました。その結果、ML によって導き出された上位のオーディエンス セグメントでは、クリック率が 149.8% も上昇し、コンバージョン率は 4.6% 増加、平均注文額は 6% 増加するという驚くべき成果を達成しました。

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BigQuery でのデータ処理から AI 推論までのワークフロー

BigQuery AI は、コードをデータに適用することで、ML ライフサイクル全体を合理化します。

  • データの移動が不要: SQL または Python を使用して、BigQuery で直接モデルをトレーニングして実行します。データの移動やインフラストラクチャの管理は不要です。

  • エンドツーエンドのライフサイクル: 特徴量エンジニアリングからモデルのトレーニング、評価、チューニング、デプロイ、推論まで、すべてを BigQuery で処理できます。専門的な ML フレームワークの知識は必要ありません。

  • モデルの柔軟性: 組み込みモデルから選択したり、AI でトレーニングしたカスタムモデルをインポートしたり、事前トレーニング済みモデル(TimesFM など)を使用してゼロショット推論を行ったりできます。

  • 統合型推論: バッチ処理、リアルタイム ストリーミング、リモート推論を介して予測をシームレスに実行します。

もちろん BigQuery AI では、BigQuery Studio、AI を活用した統合 Colab Enterprise ノートブック、任意の IDE など、好みの開発環境を使用できます。

すべてのデータユーザーにエージェント エクスペリエンスを提供

BigQuery AI の傘下では、さまざまなデータ専門家のワークフローを合理化および自動化するように設計されたデータ エージェントと支援型 AI 機能も統合しています。

  • データ エンジニアリング エージェントを使用すると、要件を自然言語で記述することで、データ パイプラインを構築、変更、管理できます。平易な言葉でリクエストすると、本番環境で使用できる SQL コードに変換され、データのクリーニング、変換、スキーマ モデリングなどの複雑なタスクが自動化されます。

  • データ サイエンス エージェントは、エンドツーエンドのデータ サイエンス ワークフローの自動化を支援します。このエージェントは、複数ステップのプランを作成、コードを生成して実行し、結果について推論して、その結果を提示します。また、簡単なプロンプトで可視化データを生成したり、コードの説明や変換を行ったり、エラーの説明や自動修正を行ったりすることもできます。

  • 会話型分析エージェントを使用すると、ビジネス ユーザーは技術的な障壁を回避し、自然言語で質問して、明確で実用的なインテリジェンスを得ることができます。これにより、すべてのユーザーがデータを活用できるようになります。

  • データ キャンバスコード補完などの支援型 AI 機能により、ルーティン タスクが簡素化され、スピードアップします。

BigQuery は、ファーストパーティのエージェントと支援型 AI 機能に加えて、カスタム エージェントを構築し、エージェント AI をアプリケーションに統合するための強力なツールスイートも提供します。会話型分析 API は、自然言語処理機能を自社のプロダクトに組み込んで、カスタマイズされたデータ エクスペリエンスを実現するための基本要素になります。より高度なユースケースに関しては、Agent Development Kit(ADK)が複雑なマルチエージェント システムを構築してデプロイするためのフルスタック フレームワークを提供します。また、Model Context Protocol(MCP)は、AI モデルがデータベースやその他のツールと通信する方法を標準化します。

AI は私たちの生活や働き方を変えつつあり、その影響が最も顕著に表れているのが、データ プロフェッショナルが仕事に取り組む方法です。BigQuery AI は、データを AI に接続する方法を大きく前進させるものです。BigQuery AI の詳細と使用方法については、こちらのガイドをご覧ください。皆様が次に構築されるサービスを楽しみにしております。

-グループ アウトバウンド プロダクト マネージャー Suda Srinivasan

-シニア プロダクト マネージャー Vaibhav Sethi 

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