コンテンツに移動
コンピューティング

Compute Engine の将来の予約で必要な容量を確保

2023年9月29日
Google Cloud Japan Team

Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 9 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

近日中の重要なイベント(セールス プロモーション、年末商戦期間、ゲームリリース、決算期など)に備えてクラウド容量を取得する方法はないかと考えたことはございませんか。あるいは、Compute Engine へのオンボーディング、マシン ファミリー間やクラウド リージョン間の移行、GPU ベースのアクセラレータやメモリ最適化マシンへのアクセスの確保といったジョブを実行するために、コンピューティング容量が必要になると予想しているかもしれません。このたび公開プレビュー版が発表された Compute Engine の新機能「将来の予約」を使用すると、将来の日付でコンピューティング容量を簡単かつ確実にリクエストできます。

将来の予約により、Compute Engine で Google Cloud コンソール、API または CLI を介して容量をリクエストし、予定された / 予想されるスケールアップ イベントに必要な容量を確保できます。将来の予約には以下の機能があります。

  • リクエストした容量を確実に確保 - 事前にリクエストを通知することで、必要なときに確実に容量を確保できるという確信が得られます。このリクエストにより、Google Cloud でリソースを予約できます。また、このリクエストはオンデマンド リクエストよりも優先されます。事前に計画を立てて将来の予約を前もって作成しておけば、ビジネス クリティカルなイベントが近づいたときの不安材料を減らすことができます。
  • セルフサービス機能 - お客様やお客様のチームは、コンソール、API または CLI を介して、必要とするものや容量を必要とする場所と時期を正確に指定して将来の予約を直接作成し、Google Cloud からリクエストの承認を受け取ることができます。これにより、複数のチーム間でニーズを統合してそれを Google のアカウント担当者に伝えることで生じる遅延や潜在的な誤りを削減できます。
  • インフラストラクチャのオーバーヘッドを削減 - 将来の予約は既存の実行中の VM に適用され、承認されると、指定した将来の開始時刻にプロジェクト内で追加の予約が自動的に作成されます。このプロセスにより、インフラストラクチャ チームは重要なイベントに先立って手動で予約を作成する必要がなくなり、労力と費用を削減できます。

以下の表は、オンデマンド予約と将来の予約の主な違いを簡単にまとめたものです。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/1_UEkSoKa.max-1300x1300.png

将来の予約に関するお客様の声

「将来の予約により、A2 VM(NVIDIA A100 搭載)に確実にアクセスできるようになりました。将来の予約を活用することで、容量リスク、ひいてはタイムラインへの影響も軽減できました。また、将来の予約により、重要なタイムラインに合わせて容量を事前に準備する必要がなくなり、そのために費やす時間と費用を節約できました。さらに、セルフサービス機能であるため、容量リクエストに対して直接応答が得られる点も気に入っています。おかげで膨大な時間を節約できました。これはまさに革新的なサービスです。」 - PhotoRoom、シニア ML エンジニア Matthieu Toulemont 氏

「当社はキャパシティ プランニングに将来の予約を利用して、一部の国におけるオープンベータ版製品の最初のリリースに完全に対応できるようにリソースを確保しました。将来の予約を使用することで、大規模な容量管理の実務が改善し、ハードウェア リソースを段階的に取得できるようになりました。そのため、すべての容量を一度にリクエストしようとしてサポートと何度もやり取りする必要がなくなりました。このシステムは双方にとって素晴らしく、コンピューティング容量を予約するための運用上のオーバーヘッドが大幅に軽減され、リリースを確実に成功させることに集中できるようになりました。」 - Anthropic、シニア システム エンジニア Eli Tran-Johnson 氏

将来の予約について

将来の予約は、将来の開始時刻に開始するようにスケジュールされる単なるオンデマンド予約ではありません。これは Google Cloud によって審査される容量リクエストです。将来の予約は、承認された後、プロジェクト内に予約を自動作成して容量を提供し、その予約時刻に請求期間が開始します。

将来の予約リクエストを作成するには、将来の開始時刻に、ある特定のゾーンのマシンタイプに使用することが予想される VM の合計数を指定し、終了時刻も指定します。将来の予約リクエストは期間が長い方が、承認される可能性が高まる場合があります。詳細については、ドキュメントをご覧ください。

将来の予約では、そのゾーンの特定のマシンタイプの VM の合計数を指定する必要があります。既存の使用数または予約数は、この合計数に含まれます。開始時刻の時点で使用数が指定した数にすでに達している場合、予約はその使用数で賄われ、新たに追加容量が提供されることはありません。

自動削除設定を選択して終了日以降に予約を削除することも、必要な期間だけ予約を保持することもできます。将来の予約を他のプロジェクトと共有するように指定して、指定したプロジェクト間で容量を共有することもできます。

将来の予約リクエストを送信すると、リクエストは審査と承認のために Google Cloud に送信されます。リクエストは、他のコミットメントを考慮して確信を持って確実に対応できるかどうかが審査されます。承認されると、Google Cloud は「ロック期間」(リクエストを更新および削除できない期間)中にニーズを満たす容量を予約するために必要な手順を開始します。

イベントが近づくにつれて、当初考えていたよりも多くの VM が必要になることや、別のマシンタイプが必要になることに気づく場合があります。承認後でもロック期間中でも、承認済みである将来の予約を変更することを提案できます。変更リクエストも審査の対象となり、それらへの対応が及ぼす影響に基づいて承認されるか拒否されます。提案した変更が拒否された場合でも、以前に承認された将来の予約は引き続き有効です。

Google Cloud は、プロジェクト内で作成された予約([オンデマンド予約] タブに表示されています)に実行に移すことで、将来の予約として承認した容量を提供します。将来の予約の作成時に指定した接頭辞を検索することで、これらの作成済みの将来の予約と作成済みのオンデマンド予約を区別できます。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/2_PUANvrf.max-1600x1600.png
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/3_eBsE1ge.max-1200x1200.png

将来の予約を今すぐ使ってみる

ビジネス クリティカルなイベントの管理にはストレスが伴います。将来の予約を使用することで、事前に計画を立てて不安材料を 1 つ減らすことができます。将来の予約は、セルフサービスによる予測可能な方法で、必要なときに容量を簡単に取得できるように設計されています。将来の予約の使用方法と開始方法の詳細については、ドキュメントをご覧ください。

-Google Compute Engine プロダクト マネージャー Swati Tiwari

Google Cloud Capacity- グローバル テクニカル マネージャー Chris Brown

投稿先