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アプリケーション開発

変革の成果を数値化: DevOps 変革で収益を獲得する方法

2021年2月3日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 1 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

2020 年は、さまざまな企業で計画に誤算が生じた年でした。あらゆるものがオンラインに移行する中、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響で、何年分にも相当するデジタル トランスフォーメーションが推進されました。この変革プロセスの中心にあったのが、DevOps です。結局のところ、この新たな標準に適合するために不可欠だったのは、ソフトウェアを迅速、確実、かつ安全に提供して、顧客の変化するニーズを満たすことでした。

2021 年も、モダナイゼーションの波が衰えることはないでしょう。IT リーダーとビジネス リーダーが DevOps により組織内でのデジタルの採用をさらに推進しているため、デジタル トランスフォーメーションによるビジネス上のメリットの定量化は今後も不可欠です。適切なレベルの投資を推進し、収益を数値化するには、信頼できるモデルが必要です。これがまさに、DevOps 変革の ROI を数値化する方法を書いた理由です。このホワイト ペーパーは、DevOps Research and Assessment(DORA)が 6 年間にわたって世界中の 31,000 名の専門家を対象に実施した科学的研究に裏付けられており、公平な業界データに基づく明確なガイダンスを提供します。DevOps 変革によるコスト削減額は、年間 1,000 万ドル~2 億 5,900 万ドルという大きなばらつきが見られました。

コストから価値への転換

最も革新的な企業は、顧客に提供できる価値に重点を置いてテクノロジーの変革に取り組んでいます。そのため、コスト削減を数値化する方法だけでなく、DevOps の適切な実践がバリュー ドライバやイノベーション エンジンになり得る方法を示します。DevOps のコストと価値創出力をどのように定量化するかを詳しく見ていきましょう。

コスト重視のカテゴリ

ここでは、DevOps の実装によって実現されるコスト削減と効率の定量化に注目します。具体的には、DevOps に投資して、サービス停止の解決に要する時間を短縮し、ダウンタイムを可能な限り回避することで、どの程度のコスト削減を達成できるか、といった数値化を行います。

ただし、コスト削減のみを実施しても、体系的かつ長期的な利益が得られることは稀であり、コスト重視の戦略以外にも対策を立てることが重要です。1 年目はコスト削減を達成できたとしても、組織がコストとパフォーマンスの新たな基準値に適応してしまうため、2 年目以降はコスト削減を「見込めません」。さらに、技術スタッフに対するコスト削減の方針のみを重視すると、ビジネスの成長を促進するための煩雑な作業から解放されないどころか、自動化によって技術スタッフの職務がリスクに晒される恐れがあります。これは、士気と生産性の低下につながります。

価値重視のカテゴリ

DevOps 変革には 2 つの価値要因があります。1 つは不要な再作業の削減による効率の向上、もう 1 つは新しい提供機能で短縮された時間を再投資して得られる潜在的な収益です。

このようなコスト重視のカテゴリと価値重視のカテゴリを組み合わせることで、IT とビジネスの意思決定者は、組織が DevOps 変革から得られる潜在的な価値を見積もることができます。これにより、必要な変革を実施するために必要となる投資を正当化できます。このような影響を定量化するには、DORA が Accelerate: State of DevOps 年次レポートで説明しているように、低、中、高、エリートレベルの DevOps チームの業界別ベンチマーク データを活用します。

コストと価値の組み合わせ

例として、8,500 名の技術スタッフと IT のミディアム パフォーマーを抱える大規模な組織における DevOps 変革の影響を考えてみましょう。DevOps レポートのデータを使えば、コスト重視のカテゴリと価値重視のカテゴリの両方を計算できるだけでなく、全体的な影響を計算することもできます。

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この例は、大規模な組織において DevOps に投資することで、IT のミディアム パフォーマーが達成する可能性がある成果を表していますが、規模やパフォーマンス プロファイルを問わず、あらゆる企業が DevOps を活用してパフォーマンスを向上させることができます。ホワイト ペーパーでは、組織の DevOps の影響を規模別(大、中、小)およびパフォーマンス プロファイル別(ロー、ミディアム、ハイ、エリート)に計算しています。

これらの数値は、チームの現在のパフォーマンス、報酬、変更障害率、メリットの乗数、年間のデプロイ数などの影響を受けて変動するため、ホワイト ペーパーで共有する方法論を基に、特定のニーズや制約に応じてアプローチをカスタマイズすることをおすすめします。

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何年にもわたる DORA の調査によると、テクノロジー変革イニシアチブを実施することで、どの組織においてもかなりの利益を創出できます。ホワイト ペーパーの目標は、業界で実証されたデータドリブンの基盤を IT およびビジネスの意思決定者に提供して、DevOps への投資の決定に役立てていただくことです。こちらからホワイト ペーパーをダウンロードして、デジタル トランスフォーメーションを推進する組織における DevOps の影響を計算してください。


-プロダクト マーケティング リード Nikhil Kaul

-プロダクト マーケティング マネージャー Brenna Washington


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