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API 管理

成果につながる意思決定を行うために API 分析を活用するトップ企業

2021年2月8日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 1 月 29 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。


Google による「State of the API Economy 2021」のレポートでは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)によってさまざまな財政的圧力と混乱がもたらされるなか、企業の 75% がデジタル トランスフォーメーションの取り組みを継続し、そのうち 3 分の 2 の企業が投資額を増やして取り組みをさらに推進していることが明らかになりました。

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API はソフトウェア同士の通信方法や、さまざまなシステムにおけるデベロッパーのデータと機能の活用方法を定義するものであり、デジタル トランスフォーメーションの取り組みには欠かせない存在です。世界中の組織がビジネスの変革を進めるなか、IT 組織では新たなアプリケーションに対する需要への対応と API の活用を急いでいます。

爆発的な普及を見せる API 分析

トップ企業は新たな戦略の判断材料にするためだけでなく、組織上層部の目標と成果を調整するために API 分析を活用しています。上層部の支持者は具体的な成果を生む取り組みを支援する傾向にあるため、各部門は API 指標をもとに、デジタル戦略に関するリーダーの意見を集約し、API プログラムへのプラットフォーム単位の継続的な投資について妥当性を説明できます。これこそが API 分析の爆発的な普及を後押ししている要因です。

Apigee を利用しているお客様の間では、2019 年から 2020 年にかけて API 分析の導入数が 75% 増加しました。これは、API プログラムのビジネスとデジタル トランスフォーメーションへの影響を包括的に評価したいという組織の幅広いニーズの表れです。

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API 分析のメリット

あらゆるものがインターネットで接続されている現在、競争力を維持するうえで次の質問に答える必要があります。「デジタルの取り組みで高い成果を上げながら、限られたリソースをフル活用するにはどうすればよいか?」

API 分析を利用することで、API プロバイダはビジネスの価値を高める重要なデジタル資産を特定し、デジタル インタラクションの戦略的ビューを作成できます。特定のデベロッパー コミュニティが利用している API、人気の高いアプリで採用されている API、そして API のパフォーマンスをトラッキングすることで、最適化や反復処理が必要なデジタル アセット、新たな活用方法に使われているデジタル アセットや新たなコミュニティに採用されているデジタル アセット、収益の増加に貢献しているデジタル アセットなどを把握することが可能になります。API 分析は既存の疑問への回答に役立つだけでなく、予想もしていなかったパターンをあぶり出して、分析を使って生成される KPI を IT とビジネス両方のリーダーが絞り込むのに役立ちます。たとえば、新たな業種のデベロッパーの間である API が人気になれば、企業が全体的な導入率ではなく特定のデベロッパーの間での導入率といった KPI に注力するきっかけになる場合もあります。

効果的な API 指標を定義するためのベスト プラクティス

現在の自社 API の使用状況を測定する方法についての設問に対し、調査回答者が特に多く挙げたのは API のパフォーマンス(35%)、従来の IT 関連の数値(22%)、API の使用量(21%)を重視した指標でした。一方、API 測定に関する優先順位の設問では、ビジネスへの影響(43%)が 1 位に挙げられました。地域や業界によって API の効果を示す指標が異なることがこのデータから伺えます。ビジネスへの影響や API のパフォーマンスといった指標が全体を把握するうえでの道しるべになっているのです。

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API 戦略を成功に導く戦略的アライメントのなかでも特に重要なのが、デジタル投資を指標と重要業績評価指標(KPI)に直接連動させるフレームワークの構築です。直接的または間接的な収益などのビジネス指標、API トラフィックや特定の API を基盤に構築されたアプリの数、API を積極的に活用しているデベロッパーの数などの API 使用に関する指標を明確に定義および測定することがプログラムの成功につながります。

適切な KPI を設けることが API 分析の取り組みで成果を上げるうえで重要になりますが、これを定義するのは簡単ではありません。ここからは API プログラムを成功に導くうえで役立つ KPI をいくつかご紹介します

運用に関する KPI

呼び出しレイテンシの平均値と最大値: P1 レイテンシ(経過時間)はカスタマー エクスペリエンスに影響を及ぼす重要な指標です。この KPI をさらに細かい指標(ネットワーク時間、サーバー処理、アップロードとダウンロードの速度など)に分類することで、API と API を利用するアプリのパフォーマンスを測定するためのインサイトを手に入れることができます。

合計成功率と合計エラー率: 200 ステータス コード以外をトリガーする API 呼び出しの数の観点から成功率を測定することで、API のバグの多さやエラーの発生のしやすさがわかります。合計成功率と合計エラー率をトラッキングするには、API 使用中にどんなタイプのエラーが発生しているかを把握することが重要です。

API の SLA: API のサービスレベル契約(SLA)は特に基本的な指標の一つですが、サービスの可用性を測定するうえで絶対的な基準になるものです。多くの企業がソフトウェア プロバイダに限りなくゼロに近いエラーしか許容しない SLA を設けています。このレベルのサービスを提供するには、プロバイダ側で上流の API を常時稼働状態にしておく必要がありますが、そのためには API のモニタリングと分析によるパフォーマンスの維持と問題の迅速なトラブルシューティングが欠かせません。

導入率に関する KPI

デベロッパー: 一般に API の導入率を向上させると考えられている指標です。企業ではこの指標を他の指標と組み合わせて使うことで、特定の API のビジネスにおける実用性を確認する必要があります。

オンボーディング: API へのアクセスにアプリケーション デベロッパーが使用するポータルでは、ユーザーがアプリの登録、キーの取得、ダッシュボードの利用、API の検索などができるセルフサービス オンボーディング機能をはじめとする自動承認プロセスを用意しておくことが理想的です。企業の API プログラムの導入率に大きな影響を与えるのが、このプロセスの使い勝手とスピードです。使い勝手が良くないサービスを消費者が利用する可能性が低いのと同じように、簡単かつ安全にアクセスできない API は開発者に導入されにくくなります。

API トラフィック: この指標を継続的なモニタリングや改善、API による価値の創出に役立てることで、API プログラムのなかで強固な DevOps 文化を構築できます。バックエンドの信頼性やスケーラビリティなど、この指標に関連する指標をバリュー チェーンの隅々まで浸透させることを検討してください。

API プロダクトの導入率: 継続使用率と離脱率を把握することで API 導入率から重要なパターンをあぶりだせます。継続使用率の高いプロダクトは、たとえば離脱率の問題を抱えるプロダクトよりも市場にフィットしていることになります。サブスクリプションの継続使用率とは異なり、プロダクトの継続使用率からは API などのプロダクトの実際の使用状況がわかります。

ビジネスへの影響に関する KPI

直接的な収益と間接的な収益: これらの指標では API がどのように収益に貢献しているかをさまざまな角度から把握できます。一部の API では特に珍しくて貴重なデータセットや、有用かつ再現が難しい機能を利用できます。このようなケースでは、企業は API を直接収益化して有料のサービス / プロダクトとしてパートナーや外部デベロッパーに提供する場合があります。しかし、多くの場合、目先の収益ではなく導入率に注力することで API からより多くの価値を引き出すことができます。たとえば、小売業者は店舗検索 API をパートナーが利用する際に課金することで収益を上げるのではなく、API を無料提供することでアプリへの機能追加のために API が使用されるようになり、デジタル エクスペリエンスを通じて自社ビジネスをより多くの人に知ってもらうことでメリットが得られます。収益化した API だけでなく、特定のデベロッパーが API を導入したことでデベロッパーの収益創出アプリにもたらされた間接的な価値についてもトラッキングすることが重要です。また、価格モデルを調整して最適なバランスを見つけられるようになることも重要です。たとえば、無料提供と定額サブスクリプション、または無料の基本アクセスと有料ティアを組み合わせた「フリーミアム」モデルのどれが最も API の価値を引き出すかを分析によって明らかにすることができます。

パートナー: この指標を使ってパートナーのアウトリーチの拡大、導入率の向上、既存のビジネス ユニットへの実績の実証を行えます。

コスト: 新しいプロジェクトごとに新たなカスタム統合の取り組みを始める代わりに、API を再利用することでコストを削減できます。社内のデベロッパーが標準化された API を使用して既存のデータやサービスに接続することで、通常はオーバーヘッド コストをほとんど出さずに新しいユースケースで繰り返し使えるデジタル アセットへと API が変貌します。API の使用状況を追跡することで、新しい統合プロジェクトに使われるはずだったコストを再利用可能な API によって削減できます。API によって多くのプロセスの自動化と効率化が実現されるため、企業は開発サイクルとビジネス プロセスのスピードアップに貢献している API、そしてプロセスで節約されたリソースの数を特定できます。

API プログラムを成功に導くのは API 分析

データドリブンなビジネス上の意思決定を行ううえで特に重要なのが、API プログラム全体のモニタリングとしっかりとした分析の取り組みです。API プログラムのスケール方法や次のステップがわからない企業にとって、分析は文字どおり革新をもたらす存在であり、これまで気付いていなかったビジネス チャンスの発見、曖昧さの低減、合意形成の促進、そしてビジネスの成長につながるインサイトをもたらしてくれます。

Google Cloud のお客様である Citrix では、Apigee のモニタリング ソリューションと分析ソリューションを使って API のパフォーマンス、可用性、セキュリティの健全性をプロアクティブにモニタリングしています。Citrix のカスタマー アプリ担当シニア マネージャーである Adam Brancato 氏は、次のように述べています。「Apigee にはあらゆる API で自動的に実行される分析機能が多数組み込まれているため、Citrix はどんなカスタム指標でも追跡できます。API の状況をリアルタイムで把握できるおかげで、社内と社外のデベロッパー向けの強固な API プログラムを構築することができています。」

モニタリング ツールと分析ツールを後から追加するのではなく直接連携させることで、API の管理とデータの取得を同じプラットフォーム上で実行して、データを簡単かつほぼリアルタイムで利用できるようになります。Apigee など、API ライフサイクル全体を管理できるソリューションでは、ほぼリアルタイムのモニタリングと分析インサイトで API チームが API の健全性、使用状況、導入率を測定しながら、問題の迅速な診断と解決が可能になります。また、このソリューションでは、API を活用したデジタル ビジネスに不可欠なすべての要素を常に把握できます。

詳細を確認する

State of the API Economy 2021*」のレポートは、2020 年を通してデジタル トランスフォーメーションの取り組みがどのように発展したのか、そして今後どこに向かうのかについて説明しています。

全文を読む

*本レポートは、Google Cloud の Apigee API 管理プラットフォームの使用状況データ、Apigee のお客様事例、従業員 1,500 人以上の企業のテクノロジー リーダー(米国、英国、ドイツ、フランス、韓国、インドネシア、オーストラリア、ニュージーランド)を対象としてサードパーティが実施した複数のアンケートの分析結果に基づいています。


-ビジネス アプリケーション プラットフォーム部門プロダクト管理ディレクター(担当責任者) Bala Kasiviswanathan

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