コンテンツに移動
システム

ハイパースカラー システムの未来を切り拓く新 SystemsResearch@Google チーム

2021年9月27日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 9 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

20 年以上にわたり、Google は、世界中の何十億ものユーザーに提供される信頼性、パフォーマンス、安全性の高い地球規模の情報サービスの基盤となるウェアハウススケール コンピューティングの定義、デザイン、デプロイを行い、現代のクラウド システムの発明をリードしてきました。このリーダーシップには、分散システムストレージ システムデータベース分析オペレーティング システム広域およびデータセンター ネットワーキングクラスタ コンピューティングML動画アクセラレーションなど、広範なシステム テクノロジーにおける重要なイノベーションが含まれます。

本日、Google の革新の伝統を継承し、未来への道を描くための重要なステップとして、SystemsResearch@Google(SRG)の設立を発表します。SRG は、Google のクラウドとインフラストラクチャのエンジニアリング組織の中心に位置する新しいリサーチチームで、Google とそのエコシステムのために、ハイパースカラー システム設計の未来を形作ることを使命としています。Google のアプリケーション、システム、データセンターに新しいコンセプト、デザイン、テクノロジーを発明、インキュベーション、組み込むことに重点を置いています。このチームのポジションは、エンジニアリング チームやプロダクト チームとのシームレスなエンゲージメントを可能にし、変革をもたらすワークロードと連携した共同探索を可能にします。SRG チームは、Google 以外にも、最も差し迫ったシステム調査の問題に取り組んでいる外部の調査コミュニティと強い関係を築くことを目指しています。

極めて重要な時期における重要な研究

大規模なコンピューティングのほとんどがクラウド インフラストラクチャに移行し、従来のテクノロジー トレンドが限界に達し、新しいプログラミング パラダイムや使用パターンが定着し、システム設計のほとんどのレベルが再構築されるなど、私たちは大きな転換期と機会に恵まれています。グローバルに接続されたエッジデバイスやセルラー デバイスから供給される大規模なデータ分析や処理のワークロードに、ML のトレーニングやリアルタイムの推論に関連する新しいアプリケーションを導入することで、全体的な変化が見られます。このような状況の中、私たちが何十年にもわたって信頼してきた性能や効率の向上は、世代ごとに劇的に低下しています。また、社会的に重要なインフラストラクチャをデプロイするうえで、信頼性はこれまで以上に重要ですが、ハードウェアのエントロピーが増大するという問題に直面しています。基盤となるコンポーネントがオングストローム スケールの製造プロセスや何兆個ものトランジスタに近づいているからです。

この 20 年の間に、世界の人口の大多数が、かつては SF の世界だったような方法で、世界の情報やお互いにリアルタイムでアクセスできるようになりました。次の 10 年で、コンピューティングとそれに関連する機能はさらに大きな変化を遂げ、世界中のすべての人口に及ぶ、何兆ものネットワーク接続されたデバイスが、リアルタイムに分析情報を提供し、検知し、作動することでしょう。そのためには、セキュリティ、信頼性、プログラミング モデル、データ分析、機械学習のためのシステム、ネットワーク、ストレージ システム、ハードウェア アーキテクチャ、ソフトウェア システムなどの基本的な進歩が必要です。

SystemsResearch@Google は、David Culler と Hank Levy が共同リーダーを務めます。彼らには、学術的な経験と産業界での経験を併せ持ち、コンピュート システムの研究で成功し、影響を与えてきた長い歴史があります。Culler は、カリフォルニア大学バークレー校の EECS の前学科長であり、データ サイエンス部門の創設に尽力し、創設時には学部長に就任しました。彼の研究テーマは、並列アーキテクチャ、クラスタ、埋め込み無線ネットワーク、惑星規模のインターネット サービス、持続可能性の設計などです。Intel Research Berkeley の創立時のファカルティ ディレクター、2 つのスタートアップ企業の共同創立者となり、Sun Microsystems に 10 年間勤務しました。Levy は、ワシントン大学のコンピュータ サイエンスおよびエンジニアリングの前学科長であり、Paul G. Allen School の設立に尽力し、創設時のディレクターを務めました。彼の研究テーマは、オペレーティング システム、分散システム、コンピュータ アーキテクチャ、ハードウェア マルチスレッドなどです。ワシントン大学で勤務する以前は、Digital Equipment Corporation(DEC)で 10 年間、オペレーティング システムや初期のクラスタ コンピュータ システムの開発に従事したほか、2 つのスタートアップ企業を共同設立しました。Culler と Levy は共に全米技術アカデミーの会員、IEEE と ACM のフェローです。

SRG は、Google のベイエリアとシアトルの両方の施設にまたがって配置されます。現在、SRG チームを立ち上げており、世界中から、そして Google 社内から、ネットワーク システムに関する優れた思想家を集めています。チームへの参加をご希望の場合は、こちらからお申し込みください

-Google Fellow 兼システム インフラストラクチャ担当バイス プレジデント Amin Vahdat

投稿先