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No-code Development

非営利団体の New Incentives をノーコードで支援

2021年10月19日
Google Cloud Japan Team

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※この投稿は米国時間 2021 年 10 月 6 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

世界中の人々が新しい働き方やコラボレーション方法に適応し続ける中で、2019 年には 10 年先と思われていた多くのトレンドが、今日の成功の青写真として定着しました。  

私たちは、性能、使いやすさ、セキュリティ、ガバナンスを損なうことなく、アジャイル開発を可能にするテクノロジーへの需要の高まりを目の当たりにしてきました。ソリューションが過度に官僚主義的なプロセスで束縛され、基幹業務の担当者が実際の進行には何ら影響を与えることができない。そのような状態は企業にとってあってはならないことです。一方で、個々のチームが開発するソリューションは、チームが独自のアプリやサービスを作成する際に発生しがちな「シャドー IT」のリスクをまったく伴わず、かつ管理しやすく安全である必要があります。

企業がこの問題に積極的に対処できるよう、パンデミックに立ち向かうノーコード アプリ制作者に向けて、Google Cloud のノーコード開発プラットフォームである AppSheet への特別なアクセス権を提供してきました。Google のこの取り組みは 2021 年 12 月 31 日まで継続されます。ナイジェリアで主に活動する NGO 団体、New Incentives は、AppSheet を活用して有意義な結果を達成した組織の最たる例です。

予防接種の活動を通して乳幼児死亡率の改善を目指す非営利団体 New Incentives は、2015 年にノーコード開発を開始しました。グローバル チームのニーズと、地方で頻繁に行われる業務とのバランスをとるために、IT チームは柔軟性と応答性を兼ね備えたソリューションを必要としていました。経費アプリなどのプロジェクトは、早い段階でノーコードの道を切り開くのに役立ちました。技術的人材と非技術的人材を組み合わせつつ、個々のチームが実験的に開発を行うのと同時に IT 部門がガバナンス要件を維持できるようなツールを活用することで、重要なアプリケーションを従来よりも迅速に開発できることを実証しました。  

Svetha Janumpalli 氏は次のように語ります。「この取り組みは、私たちのニーズに合わせてエコシステム全体を構築するようなものです。多層的な承認を行い、膨大な興味深いコンテキスト情報を取得することで、不正行為を特定できるようになります。たとえば誰かが経費を確認する場合、到着しづらく移動も困難な地域では、どこに向かっていて、どこで業務を行うのかを知るうえで、Google マップでの経路確認は非常に重要です。これにより、人々が実際に予定通り行動しているかなどの確認ができます。」

パンデミック以前、この非営利団体のノーコード アプリへのニーズは、供給品の追跡や経費、データの取り込みなどの内部プロセスに集中していました。新型コロナウイルスが出現し始めたとき、New Incentives は自分たちの予防接種プログラムを継続できるか確信を持てませんでした。

「これは大きな問題になる、私たちはどうしたらいいのだろう、と早い段階から考えていました。私たちは基本的に、(子どもたちが病気の予防接種を受けるための方法を体系化することで)クラウドを結成する組織です。そのため、早い段階で、優れた緩和策を先取りし、政府関係者(コミュニティ パートナー)に対して緩和策に真剣に取り組んでいることをアピールしなければ、継続できないことがわかっていました。AppSheet のおかげでスピーディにこれらのアプリを導入、イテレーションして、情報を共有することができました」と Janumpalli 氏は言います。

パンデミックが進行するにつれ、New Incentives のリーダーたちは、外部コミュニティとのコミュニケーションがますます重要になってきたことから、社内のニーズに加えて外部のニーズにも AppSheet のアプリを使って対応できることに気付きました。「アプリはポータブル オフィスのようなものです」と Janumpalli 氏は述べています。

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の蔓延を防ぎつつ、継続的な使命を果たすためには、組織がコミュニティとの開かれた対話を行い、各地域の固有のニーズを理解し、それに応える必要がありました。New Incentives チームは、チームメンバーがコミュニティからデータを収集して、そのデータを迅速に評価し、変更を加えることができるアプリを構築することで、状況が変化してもサービスを提供する相手と足並みを揃え続けることが可能だと実感しました。

「インターネットがつながらないことがあります。スマートフォンでさえ通信が困難な場合もあります。AppSheet により、アプリユーザーがアプリから情報を適切に取得できます。そして、誰がいつそのデータを必要としているのか、適切な意思決定を下せるよう、データの供給をプログラムすることも可能です。」

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New Incentives は、コミュニティ ファーストの考えに基づき、地元のメンバーから現場の情報を収集して、それらをコミュニティと組織、両方の上層に還元する活動を始めました。これにより、困難な時期に信頼関係を築くことができただけでなく、アプリのイテレーションを迅速に行い、必要な変更を現場で素早く実装することができるようになりました。「コミュニティ メンバーからのフィードバックを受けて、文字通り 1 週間以内にその情報を確認して改善できます。1 年も待つ必要はありません。」

このようなコミュニティとの対話から生まれたソリューションの一つが、2 時間ごとのモニタリング アプリでした。「私たちのプログラムは予防接種の需要を高めるものですが、混雑の増加によるリスクは避けなければなりませんでした。そのため、消毒や手洗い、「社会的距離」措置など、さまざまな新しい慣習を導入しなければなりませんでした。2 時間ごとのモニタリング アプリを導入したところ、非常に便利だったため、今後新型コロナウイルスとは関係なく、プロセスの一部として維持することになりました」と Janumpalli 氏は言います。

新型コロナウイルスは現在も猛威を振るっていますが、New Incentives は、その問題解決に向けて発揮した対応力から、混乱を最小限に抑えつつミッションを継続する可能性を見出しました。この非営利団体は、地域での完全予防接種率の倍増(25% から 54% に増加)に貢献してきましたが、新型コロナウイルスはこれらの取り組みをも危険にさらしています。

Janumpalli 氏は語ります。「私たちは健康を取り扱う組織です。表面的な対策の導入はしたくありません。もし、このようなリアルタイムの情報がなければ、業務を継続しても問題ないという確信が持てなかったと思います。きっと、多くの場面で情報不足によりリスクの許容範囲を超え、より頻繁に業務停止を余儀なくされていたでしょう。」

また、このようにも付け加えました。「他の人々にもぜひ知っていただきたいのは、AppSheet があらゆる面で役に立つということです。データの収集だけでなく、そのデータをどのように管理するか、そのデータをどのようにチームのプロセスに統合するか、そのデータをどのようにレビューするか、そのデータからどのように実用的な分析情報を得るか、といったことに役立ちます。つまり、私たちにとって Appsheet は、実際に人々に変化をもたらすデータそのものであり、マネージャーが必要なすべての情報を取得してチームに対して適切な指導を行い、リーダーシップを発揮するためには不可欠な存在なのです。」

New Incentives は予防接種の取り組みを継続しており、2020 年には月平均 5,800 人だったプログラムへの新規参加児童が、今年の 6 月だけで 27,000 人にまで増加しました。AppSheet のリアルタイムの柔軟性と同組織の革新的な組織文化を組み合わせることで、同じ小規模なチームでも、新型コロナウイルスをはじめとする今後拡大する多様なニーズに対応できることを示しています。

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- プロダクト マーケティング マネージャー Jennifer Cadence
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