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Google Maps Platform

Scribble Maps: バケーション計画から小売店の選定まで、あらゆるもののカスタム スコア化を可能に

2025年10月21日
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Jonathan Wagner

CEO of Scribble Maps

※この投稿は米国時間 2025 年 9 月 25 日に、Google Maps Platform blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: 本日の投稿では、Scribble Maps の CEO である Jonathan Wagner 氏に、さまざまな質問に回答いただいています。この記事では、Scribble Maps がリリースしている ScribbleSight に、Google Maps Platform と最近では Places Aggregate API がどのように使われているかについてご紹介します。ScribbleSight は、バケーション計画から小売店の選定まで、あらゆるものにユーザーが独自のカスタムスコアを設定できる画期的なツールです。


Q: Scribble Maps について教えていただけますか。創業されたのはいつ頃で、お客様は主にどのような業界でしょうか。また、御社と他社との違いについてもお話しくださいますか。Scribble Maps は 2009 年から、地図の作成、分析、共有を通じてお客様をサポートしてきました。ホリゾンタル SaaS のマッピング サービスを展開しており、当社のツールは 1 つの業種だけでなく、建設、不動産、現場分析、農業、物流など、さまざまな業界のお客様に幅広くご利用いただいております。社名からおわかりのように、当社の強みは地図アノテーションですが、創業以来サービスを大幅に拡大し、現在は空間分析も提供しています。ユーザビリティとイノベーションに重きを置くプロダクト主導の企業として、他では見られない独自のツールを提供し、一部は特許出願中です。さらに、アノテーション用の編集・レンダリング エンジンも社内で独自開発しました。

Q: 現在お使いの Google Maps Platform プロダクトや API について、使用期間を含めて教えていただけますか。2009 年の創業当初から Google Maps Platform を利用しています。ベースマップ、3D タイル、Air Quality API、Pollen APIジオコーディング、ルート、Place Search、ストリートビュー、距離行列、そして新たに Places Aggregate API を使用しています。

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ScribbleSight の衛星画像レポートのビュー

Q: Scribble Maps に組み込まれている他の Google プロダクトはありますか。スプレッドシートから地図をライブ更新するのに Google Sheets API を使用しています。また、空間ファイルの保存と読み込みには Google ドライブを使用しています。Gemini も取り入れて、ユーザーがテキストからカスタム スタイルやパレットを作成できるようにしています。サポート チケットの初期対応も Gemini で行っています。

Q: ScribbleSightTM のリリースについてのお話をお願いします。お客様やユーザーがどのような意思決定ができるようになることを期待していますか。ScribbleSight を使えば、バケーション計画から小売店の選定まで、あらゆるものにカスタムスコアをつけられます。望ましいものだけでなく、避けたいものも評価対象に考慮できることがこのツールの画期的な点です。たとえば、地域を評価するのに、レストランの数にはプラス評価を、汚染レベルの高さにはマイナス評価を付けるといった具合です。その地域にある場所や建物以外の、たとえば樹木の数、汚染レベル、花粉飛散量、歩行者の往来などの基準に基づいてスコアを付けることができます(この機能は近日公開予定です)。

Q: これらの機能を実装するために Google Maps Platform Places Aggregate API を選んだのはなぜですか?

Google には世界最高レベルの場所のデータベースがあり、レビューも量、質ともに充実しています。あるエリアにレストランがたくさんあるかどうかだけを知ることは簡単ですが、数だけなくサービスの質が良くないところも特定したい場合に、このようなインサイトを提供してくれるのが Places Aggregate API ならではの強みです。

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ScribbleSight で自分にぴったりの場所を見つける

Q: Places Aggregate API を使用することで、ユーザー エクスペリエンスをどのように向上させることができましたか。

レビューや価格などのデータにタイプの粒度を加えたことで、ユーザーの要望を正確に反映したスコアを作成できるようになりました。場所の数だけでなく、価格や評価、さらには汚染レベル、花粉飛散量、歩行者数などもスコア化できます。場所の種類、レビュー、価格データの粒度は、私たちのプロダクトに不可欠な要素です。

Q: 技術面で苦労された点はありますか。

UI の設計と UI と AI の融合は、ScribbleSight の開発で特に大変でしたがやりがいを感じました。一番簡単だったのは、Places Aggregate API のインテグレーションでした。

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ScribbleSight のヒートマップ レポートのビュー

Q: ScribbleSight で今後検討されている機能やインテグレーションについて、他の Google プロダクトとの統合も含めて教えていただけますか。

ScribbleSight の今後の展開で特に期待しているのは、モビリティ パートナーとのオプトイン条件付き連携です。現在、地域の歩行者数指標を共同で構築しており、完成すればユーザーが 1 日を通して集計された移動パターンを確認できるようになります。このサービスの特に素晴らしい点は、数千ドルではなく数百ドルという価格帯で提供できることです。たとえば、小さなカフェのオーナーも、ScribbleSight を使ってフランチャイズの出店場所選びのインサイトを得られるようになりました。この新しい機能によって、小規模のビジネスも、これまで大企業にしかできなかったことに手が届くようになります。ScribbleSight にとどまらず、当社の未来は AI にあると考え、Google のさまざまな基盤モデルを ScribbleSight に実装する作業を進めています。また、Gemini を活用したサービスの開発に取り組んでいます。市場にまだ出回っていませんが最高に素晴らしいサービスで、別のブログ投稿でご紹介することにします。

Q: GIS や位置情報を活用したエクスペリエンスやプラットフォームを構築している他のデベロッパーへのアドバイスをお願いします。

未来を拓く鍵は GIS ではなく、インサイトと回答です。汎用的なソリューションであふれかえっている世界で優位に立ち、単なるツール以上のものを構築する必要があります。

-Scribble Maps CEO、Jonathan Wagner 氏

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