Terraform Google プロバイダ 6.0.0 の発表: 柔軟性と管理性の向上
Swati Chadha
Product Manager, Google
Cameron Thornton
Software Engineer, Google
※この投稿は米国時間 2024 年 8 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Terraform Google プロバイダ v6.0.0 の一般提供が開始されました。2023 年 9 月の Terraform プロバイダの前回のメジャー リリース以降、Hashicorp と Google の統合プロバイダ チームはコミュニティのフィードバックに注意深く耳を傾けてきました。以下は、今回のメジャー リリースで重点を置いている主な機能強化とバグの修正についての説明です。メジャー バージョンのリリース v6.0.0 により、HashiCorp Terraform の以前のバージョンに関するサポートが変更されることはありません。
Terraform Google プロバイダの主な変更点
主な変更内容は次のとおりです。
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デフォルト ラベル「goog-terraform-provisioned」をオプトアウト
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複数のリソースに削除保護フィールドを追加
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複数のリソースで「name_prefix」のサフィックスの長さを短縮可能に
デフォルト ラベル「goog-terraform-provisioned」をオプトアウト
5.16.0 ではプロバイダ レベルのデフォルト ラベルが追加され、続いてメジャー リリースの 6.0.0 ではデフォルト ラベル「goog-terraform-provisioned」のオプトアウトが導入されています。このプロバイダ レベルのラベル「goog-terraform-provisioned」は該当するリソースに追加され、Terraform によって作成されたリソースを識別します。このデフォルト ラベルは、labels フィールドを持つ新規作成されたリソースにのみ適用されます。これにより、ユーザーはこうしたリソースを Cloud コンソールや Cloud Billing などの他のツールで表示、編集する際に、Terraform で管理されるリソースを把握できます。
ラベル「goog-terraform-provisioned」は、次の目的で使用できます。
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請求レポートページでフィルタする場合:
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費用内訳を表示する場合:
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ラベル「goog-terraform-provisioned」は BigQuery へのエクスポートでも使用できます。
5.16.0 ではオプトインのバージョンがすでにリリースされており、6.0.0 ではオプトアウトに変更される点にご注意ください。このデフォルト ラベルをオプトアウトするために、ユーザーが add_terraform_attribution_label プロバイダ構成フィールドを切り替えることができます。これは 5.16.0 以降の任意のリリースを使用して明示的に設定でき、構成の値は 6.0.0 へのアップグレード後に適用されます。
複数のリソースに削除保護フィールドを追加
重要なリソースが誤って削除されないように、多くのリソースはデフォルトで一種の削除保護が有効になっています。該当するリソースは、google_domain、google_cloud_run_v2_job、google_cloud_run_v2_service、google_folder、google_project などです。これらのほとんどは deletion_protection フィールドで有効になっています。google_project には特に deletion_policy フィールドがあり、デフォルトで PREVENT に設定されています。
「name_prefix」のサフィックスの長さを短縮可能に
このメジャー リリースでは顕著な問題がもう 1 つ解決されました。インスタンス テンプレートの name_prefix に追加されるサフィックスの長さを短縮できるようになり(「Allow reducing the suffix length appended to instance templates name_prefix #15374」)、複数のリソースで name_prefix のデフォルトの動作が変わります。ユーザー定義の name_prefix の最大長が 37 文字から 54 文字に増えました。37 文字を超える name_prefix を使用する場合、プロバイダが使用する追加サフィックスが短くなるため、より柔軟なリソース名が可能になります(google_instance_template.name_prefix など)。
デフォルト ラベルのオプトアウトやリソースの削除保護などの機能を備えているこのバージョンを使用すると、ユーザーは Terraform で管理されているリソースを他のツールで確認できるだけでなく、重要なリソースが誤って削除されないようにできます。Terraform Google プロバイダ 6.0.0 のリリースは、Google Cloud 上で Google Cloud リソースを管理するために Terraform のユーザビリティと安全性を向上させることを目的としています。Terraform Google プロバイダのバージョン 6.0.0 にアップグレードする場合は、Terraform Registry のアップグレード ガイドをご覧ください。このガイドには、変更点とアップグレードに関する考慮事項の詳細リストが掲載されています。このメジャー バージョン リリースの詳細については、Terraform Google プロバイダ 6.0.0 のリリース ノートをご確認ください。Google Cloud の Terraform の詳細については、Google Cloud の Terraform 関連ドキュメントをご覧ください。
-Google、プロダクト マネージャー Swati Chadha
-Google、ソフトウェア エンジニア Cameron Thornton