Google Cloud Dual Run と mLogica LIBER*M 自動化スイートでメインフレームのモダナイゼーションを加速
David Yahalom
Group Product Manager
Peter Burney
SVP, Strategic Programs, mLogica
※この投稿は米国時間 2025 年 3 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
メインフレームのモダナイゼーションはもはや、するかどうかの問題ではなく、どのように行うかが重要となっています。組織は、費用を最小限に抑え、リスクを軽減しながら、モダナイゼーションを加速する方法を模索しています。
このたび、Google Cloud と mLogica は、メインフレーム アプリケーションのモダナイゼーションの加速とリスク軽減に焦点を当てたパートナーシップの拡大を発表しました。mLogica の LIBER*M 自動コード リファクタリング スイート(Google Cloud Marketplace で提供開始)と Google Cloud Dual Run を組み合わせることで、検証とリスク軽減を図り、共通のお客様に検証済みのモダナイゼーション プロセスを提供します。
LIBER*M には、自動評価、コード分析、依存関係マッピング、コード変換機能が備わっています。また、複数のターゲット言語とプラットフォームをサポートしているため、リファクタリング プロジェクトに不可欠な基盤を提供します。
Dual Run は、メインフレーム アプリケーションとクラウド アプリケーションを同時に並列で処理できるため、カットオーバー前にリファクタリングされたアプリケーションを比較し検証できます。さらに、強力なテスト機能を併用することで、制御された段階的な移行が可能になり、ビジネスの中断を最小限に抑え、大規模なメインフレームのモダナイゼーション プロジェクトに伴うリスクを大幅に軽減できます。
mLogica とのパートナーシップにより、Google Cloud の既存のメインフレーム モダナイゼーション ソリューション(Google の Mainframe Rewrite や Mainframe Refactor サービスなど)が、mLogica の専門知識とツールによって補完されます。両社が協力することで、幅広いメインフレーム言語とユースケースに対応できるようになり、最終的にはお客様により多くのモダナイゼーション オプションを提供できます。
LIBER*M による自動コード リファクタリング
メインフレームのモダナイゼーションに細やかなアプローチを求める企業は、複数のモダナイゼーション パターンを組み合わせることがよくあります。たとえば、Google Gemini Accelerated アプリケーションの書き換えによるアプリケーションの再構築や、ワークロードのリファクタリングなどが挙げられます。イノベーションと新機能が重要なアプリケーションの場合、それらをまったく新しいクラウドネイティブ アプリケーションとユーザー エクスペリエンスとしてゼロから再構築するのに生成 AI が役立ちます。モダナイゼーションのスピードが重要なワークロードの場合、お客様はレガシー言語から最新の同等言語への自動コード リファクタリングを選択できます。これにより、同等の機能を実現しながら、クラウドのデプロイを最適化できます。この戦略は、モダナイゼーションへの難しい要求と、費用と価値創出までの時間という現実的な考慮事項のバランスを取りながら、イノベーションとコスト効率を最大化します。
リファクタリングでは、既存のメインフレーム アプリケーション(大半の場合、COBOL、アセンブラ、その他のレガシー言語で記述)を、ルールベースの変換により、クラウドネイティブなプラットフォームやサービスで実行される最新の言語とアーキテクチャ(通常、Java または C#)に変換します。これは、インフラストラクチャの変更に焦点を当てるリプラットフォームや、ターゲット アプリケーションをゼロから作り直す、書き換えなどの他のモダナイゼーション パターンとは異なります。
リファクタリングは、モダナイゼーションの可能性とスピードがうまく両立された、いくつかのメリットをお客様に提供します。
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リファクタリングされたアプリケーションは、最新の開発手法(CI / CD、DevOps)とクラウドネイティブ サービスを活用し、より迅速な機能提供と変化するビジネスニーズへの対応を可能にします。
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最新の言語とアーキテクチャは、保守や強化が容易であり、技術的負担を軽減し、利用可能な人材のプールを拡大します。
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リファクタリングされたアプリケーションは、データベース、分析、AI / ML などのクラウド サービスと統合するように設計されています。
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クラウドネイティブ アーキテクチャは、本質的にスケーラブルで弾力性があるため、アプリケーションは需要の変動に適応できます。
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リファクタリングには先行投資が必要ですが、インフラストラクチャ費用の削減、効率性の向上、イノベーションの加速といった長期的なメリットにより、総所有コストの削減につながることが多々あります。
リファクタリングは、モノリシック アプローチを意味するものではありません。自動コード変換から、より大規模なアーキテクチャの再設計まで、幅広いモダナイゼーションをサポートします。最適なアプローチは、特定のアプリケーションやビジネスの目標によって異なります。
メインフレーム モダナイゼーションのための mLogica 自動化スイート
mLogica は、包括的な一連のツールと数十年にわたる経験を活かしてメインフレームのモダナイゼーションに伴う課題に対応しています。主なプロダクトには、以下のようなものがあります。
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LIBER*M: メインフレーム アプリケーション用の自動評価、コード分析、依存関係マッピング、コード変換機能を提供します。また、複数のターゲット言語とプラットフォームをサポートしているため、リファクタリング プロジェクトに不可欠な基盤を提供します。
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STAR*M: モダナイゼーション プロセス中の自動テスト、既存の分散データベースとアプリケーションのクラウドネイティブ サービスへの変換およびリファクタリング機能を提供します。
これらのツールは、メインフレームのテクノロジーとモダナイゼーションの方法に関する mLogica の深い専門知識によって補完されています。
メインフレーム モダナイゼーションのリスクを軽減する Dual Run
Google Cloud Dual Run は、メインフレーム アプリケーションのリファクタリングにおいてお客様が直面する主な課題、つまりモダナイゼーションのリスク軽減、新しいシステムの検証と認証、包括的なテストの実施に直接対応します。Dual Run は、元のメインフレーム アプリケーションと Google Cloud でモダナイズされたアプリケーションの並列処理を可能にすることで、大規模なカットオーバーの必要性を排除し、ビジネスの中断リスクを大幅に減らします。レガシー環境とモダナイズされた環境の両方を並列で処理することで継続的検証が行えるため、モダナイズされたアプリケーションが本番環境で想定どおりに動作することを確保できます。このような並列処理により、パフォーマンス テスト、機能テスト、回帰テストなどの広範なテストが容易になり、最終的な切り替え前にあらゆる不整合を特定できます。
共通のお客様を支援
このパートナーシップが目的としているのは、メインフレームのモダナイゼーションに取り組むお客様に、リスクの大幅な軽減、価値創出までの時間の短縮、全体的な費用の削減という真に良好な成果をもたらすことです。
mLogica の LIBER*M 自動リファクタリング機能と、Google Cloud の Dual Run 並列処理機能の組み合わせにより、エラー、ダウンタイム、ビジネスの中断の可能性を最小限に抑えることができます。自動化によってモダナイゼーション プロセスが合理化され、Dual Run によってアプリケーションの検証と認証が容易になります。また、堅牢なテストとロールバック機能により信頼性が向上します。この統合ソリューションにより、最新のクラウドネイティブ アーキテクチャを効率的かつ安全に導入し、組織の持続可能なイノベーションと成長を実現できます。
mLogica の LIBER*M と STAR*M は、Google Cloud Marketplace から直接入手できます。Dual Run は、Google のメインフレーム モダナイゼーション実装の認定パートナーを通じて利用できます。詳細およびお問い合わせについては、mainframe@google.com までご連絡ください。
-Google、グループ プロダクト マネージャー、David Yahalom
-mLogica、戦略プログラム担当シニア バイス プレジデント、Peter Burney 氏



