Google + Wiz: マルチクラウド セキュリティの強化

Thomas Kurian
CEO, Google Cloud
※この投稿は米国時間 2025 年 3 月 19 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
本日、Google Cloud は Wiz の買収に関する正式な契約の締結を発表しました。これにより、企業や行政機関は、自社を保護する方法についてより多くの選択肢を手に入れることになります。Google は Wiz と連携して、お客様に最新の IT 環境を保護する包括的なセキュリティ プラットフォームを提供できることを楽しみにしています。
買収に関するいくつかの質問にお答えします。
なぜ今のタイミングなのでしょうか?
毎日ニュースで目にし、Mandiant のコンサルタントがお客様とともに最前線で目の当たりにしているように、サイバーセキュリティ リスクは加速し続けており、侵害の件数と深刻さは増加し続けています。
一方、デジタル化を進める組織が増えるにつれ、デプロイの大半がマルチクラウドまたはハイブリッドになり、管理上の複雑さが課題になっています。同時に、ソフトウェアと AI プラットフォームがプロダクトやオペレーションに深く組み込まれるようになり、民間企業や行政機関、その他の公共部門の組織に新たなリスクをもたらしています。
サイバーセキュリティに対する従来のアプローチでは、この進化する状況に対応することが困難です。最新の IT 環境を備えた組織には、複数のクラウド、ハイブリッド環境、オンプレミス環境にまたがるサイバーセキュリティ ソリューションが必要です。このソリューションは、AI モデルに対する脅威や AI モデルからの脅威から保護できることに加え、AI を使用して防御を拡張でき、ソフトウェア開発と運用をセキュリティ ポートフォリオに完全に統合できるものである必要があります。
現在の Google Cloud のセキュリティ ソリューションとはどのようなものですか?
現在、Google は SaaS ベースのサービスとサイバーセキュリティ コンサルティングの両方を使用し、お客様のセキュリティ チームの一員として攻撃者の検知や攻撃者への対応をサポートしています。以下に例を示します。
- Google Threat Intelligence は、セキュリティ チームが脅威を理解し、対応方法を把握できるように、詳細でタイムリーかつ実用的な脅威インテリジェンスを提供します。
- Google Security Operations では、セキュリティ テレメトリー データを収集し、脅威インテリジェンスを適用して優先度の高い脅威を特定し、ハンドブックの自動化、ケース管理、コラボレーションで対応を促進できます。
- Mandiant コンサルティングは、最前線から得られた専門知識と世界中の攻撃者の行動パターンに関する深い理解を提供するサービスで、組織のサイバーイベントへの備えと対応を支援します。Google Cloud のチームは、世界最大規模のセキュリティ侵害に対応しています。
Wiz はどのようなことを行っていますか?
Wiz は、Google が現在提供しているサービスとは異なります。Wiz は、すべての主要なクラウドとコード環境に接続して、インシデントの発生を未然に防ぐ、シームレスなクラウド セキュリティ プラットフォームを提供します。
Wiz のソリューションでは、お客様の環境を迅速にスキャンし、コード、クラウド リソース、サービス、アプリケーションの包括的なグラフと、それらの間の関係を構築します。潜在的な攻撃経路を特定し、その影響に基づいて最も重大なリスクを優先順位付けすることで、企業のデベロッパーがデプロイ前にアプリケーションを保護できるようにします。また、セキュリティ チームがデベロッパーと連携してコード内のリスクを修正したり、進行中の攻撃を検出してブロックしたりするのにも役立ちます。
つまり、スタートアップ、企業、行政機関、公共部門の組織は、包括的に自らを保護できるようになります。Wiz は革新的なリーダーであり、過去 12 か月間に、コードからクラウドへのセキュリティやクラウドネイティブなランタイム防御など、新しいカテゴリのサイバーセキュリティ ソリューションを生み出し、その影響力をさらに強化しています。
Wiz と Google Cloud の連携によるメリットは何ですか?
Wiz と Google Cloud は、あらゆる種類と規模の組織が、すべての主要なクラウドにおいてエンドツーエンドで自らを容易かつ迅速に保護できるようにすることで、セキュリティを改善するというビジョンを共有しています。
Google Cloud は、クラウド インフラストラクチャのリーダーであり、AI の深い専門知識と業界をリードするセキュリティ イノベーションの実績を有しています。Wiz にこの機能を導入することで、ソリューションをさらに改善し、スケーラビリティを高め、さらに多くの組織をより迅速に保護できるようになります。
これにより、マルチクラウド サイバーセキュリティの導入、マルチクラウドの利用、クラウド コンピューティングの競争と成長が促進されます。
Wiz はすでに Google Cloud の重要なパートナーであり、両社が協力することで、お客様がクラウド セキュリティの基盤を強化し、次のような将来の要件を解決するポートフォリオの構築をサポートできると考えています。
- 統合セキュリティ プラットフォーム: Wiz の Cloud Security Platform と Google Security Operations を組み合わせた次世代の統合セキュリティ プラットフォームです。開発のあらゆる段階でクラウドネイティブ アプリケーションを守り、コード、CI / CD システム、インフラストラクチャを保護します。
- 脅威インテリジェンス: 正確な脅威インテリジェンスにより、お客様は攻撃者の視点から自社システムを可視化できます。
- 新しい脅威からの保護: モデルに対する脅威やモデルから生じる脅威など、AI の導入に伴って発生する新しい脅威から保護します。
- サイバーセキュリティ専門家:
- AI エージェント: セキュリティ チームの拡張機能として役立つ AI を活用したサイバーセキュリティ エージェントを使用します。
- Mandiant: インシデント対応、戦略的な準備対応、技術面での保証、マネージド防御といった Mandiant の専門知識を活用して、サイバーセキュリティ チームを補完します。
- 測定可能な防御: セキュリティ管理の強度をプロアクティブにテストして検証することで、サイバー防御の有効性を測定できます。
Google Cloud のお客様とパートナーにとっての価値は何ですか?
Google は、お客様がエンタープライズ システムのセキュリティを強化し、オンプレミスとマルチクラウド環境全体で強固なセキュリティ ポスチャーを維持する費用を削減できるようにすることを目指しています。
Wiz のプロダクトは引き続き機能し、Amazon Web Services、Microsoft Azure、Oracle Cloud プラットフォームなどの主要なクラウドすべてで利用可能であり、さまざまなパートナー セキュリティ ソリューションを通じてお客様に提供されます。また、パッケージ化されたアプリケーション、SaaS アプリケーション、仮想環境やオンプレミス環境で実行されるアプリケーションのサポートも継続していきます。
Google Cloud は今後も Marketplace で他の主要なクラウド セキュリティ プロバイダと連携し、お客様に選択肢を提供していきます。システム インテグレータ、販売代理店、マネージド セキュリティ サービス プロバイダが、お客様に幅広いソリューションとサービスを提供できるようにし、技術パートナーに新しいインテグレーションの機会を提供します。Google は、業界標準とオープンソース コミュニティに対する長期にわたる全面的な取り組みを維持していきます。
買収はいつ成立しますか?
この買収は、規制当局の承認など、慣習的な成立条件に従います。詳細については、共同プレスリリースと Wiz のブログをご覧ください。
Wiz チームを迎え入れ、世界中の企業や行政機関に優れたサイバーセキュリティ ソリューションの選択肢を提供できることを嬉しく思います。
-Google Cloud、CEO、Thomas Kurian