Cloud Monitoring の合成モニタリングの一般提供を開始
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 11 月 7 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
ユーザーの信頼を築けるかどうかは、信頼性の高いシステムとシームレスなエンドユーザー エクスペリエンスにかかっています。ダウンタイムやユーザー エクスペリエンスの低下が生じると、信頼が損なわれ、組織の評判と収益が危機にさらされる可能性があります。そのため、アプリケーションにエンドユーザー エクスペリエンスの質を事前に評価できる機能が備わっていることは、ビジネスを成功に導くうえで非常に重要です。
Google は 2023 年 7 月に合成モニタリングを導入しました。これは、自動化された Node.js スクリプトを使用してアプリケーションやサービスのユーザー操作をシミュレーションする、新しいプロアクティブなモニタリング機能です。これにより、定期的に実際のユーザーの視点からウェブ アプリケーション、API、主要なビジネス ワークフローの可用性、整合性、パフォーマンスをテストできます。
このたび、合成モニタリングの一般提供が開始いたしました。また、今回のリリースに伴い、合成モニタリングに 3 つの新機能が追加されています。
- Terraform のサポート
- Cloud Trace および Cloud Logging とのインテグレーション
- Mocha テスト フレームワーク用の UI テンプレート
合成モニターの仕組み
合成モニタリングは、世界中にある Google Cloud データセンターからアプリケーション エンドポイントに対して自動化されたテスト スクリプトを実行することで機能します。このテスト スクリプトは、ウェブサイトへのログイン、商品の検索、カートへの商品の追加など、アプリケーション内のクリティカル ユーザー ジャーニーをシミュレートします。合成モニターを構成する場合は、Cloud Monitoring を介して配信および管理されるオープンソース フレームワークを使用して Node.js でコードを実行する Cloud Functions の関数を作成します。
その後、スクリプトの結果が収集および分析され、アプリケーションの可用性、整合性、パフォーマンスが判断されます。問題が検出された場合は、適切なチームにアラートを通知するように構成できるため、エンドユーザーに影響が及ぶ前に問題を修正できます。
新しい合成モニターを作成する
Google Cloud の合成モニター サービスは使いやすく、数分で構成できます。任意の URL または API エンドポイントの合成モニターを作成でき、さまざまな事前構築済みのスクリプトから適切なスクリプトを選択することも、独自のスクリプトを作成することも可能です。
利用を開始するには、[Monitoring] > [合成モニタリング] で [+ 合成モニターを作成] > [Custom synthetic monitor] を選択します。合成モニターに名前を付け、実行頻度やその他の設定を行います。


次に、合成モニターのターゲットとなる Cloud Functions の関数を作成します。[関数を作成] をクリックすると、Cloud Functions の関数を構成するための画面が表示されます。このステップでは、関数に名前を付けたり、詳細設定を管理したりできます。たとえば、内部 VPC ネットワークへのアクセスを可能にする関数の機能を管理できます。実行する関数のサンプルコードも表示されます。
Google Cloud の合成モニタリングはスケーラビリティに優れています。1 つのアカウントで数千もの URL または API エンドポイントをモニタリングできます。合成モニターは Google Cloud を活用した機能であり、確かな信頼性と正確性を備えています。
このリリースでの新機能
1.Terraform のサポート
一般提供開始に加えて、Terraform がサポート対象になったことも発表いたします。Terraform は、コードを使用してクラウド インフラストラクチャを定義およびプロビジョニングできるオープンソースの Infrastructure as Code(IaC)ソフトウェア ツールです。Terraform を使用した合成モニターの作成を開始するには、こちらのリンクにアクセスしてください。


2.Cloud Trace および Cloud Logging とのインテグレーション
合成モニターによって行われた送信 HTTP リクエストのトレースデータとログデータを収集することも可能になりました。トレースデータとログデータを使用すると、失敗したコードの行、エラーの種類、エラー メッセージを把握することで、すばやくパフォーマンスの問題を特定し、ウェブ アプリケーションのエラーをトラブルシューティングすることができます。合成モニターでトレースデータとログデータを収集できるようにする方法の詳細については、こちらのリンクにアクセスしてください。


3.Mocha テスト フレームワーク用の UI テンプレート
Mocha は、そのシンプルさ、柔軟性、拡張性で人気の JavaScript テスト フレームワークです。Mocha フレームワークを使用したテストの作成を簡単にするために、既存の汎用テンプレートとともに、作成フローに Mocha ベースの UI テンプレートが追加されています。


詳細情報
合成モニターを初めて作成する場合の詳しい情報と手順については、ドキュメントをご覧ください。
また、今回ご紹介した新機能についてご不明な点やフィードバックなどがございましたら、Cloud Operations コミュニティのページでお知らせください。
-シニア プロダクト マネージャー Amol Devgan
-ソフトウェア エンジニアリング テクニカル リーダー Daniel Koss