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DevOps & SRE

VMO2、DORA による継続的な改善を実現し、DevOps Awards を受賞

2023年7月20日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 7 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

このブログ投稿では、DevOps の実績により、2022 年の DevOps Awards の「DORA による継続的な改善」の賞を獲得した VMO2 を紹介します。2021 年 6 月、英国で最大かつ最も信頼性の高いモバイル ネットワークと、幅広く利用可能で最速のブロードバンドを提供するブロードバンド ネットワークとの合併により、Virgin Media O2(VMO2)が誕生しました。それ以来、VMO2 は、Upgrading the UK(英国をアップグレードする)という使命の下、英国でブロードバンド、モバイル、テレビ、家庭用電話にわたって 4,770 万人のユーザーを獲得しました。2022 年の DevOps Awards 受賞者と、それらの受賞者が DORA の指標と実践法を活用してビジネスを成長させた方法について詳しくは、こちらをご覧ください。

DORA DevOps Award 受賞経験者として、当チームは、DevOps によって一貫性のある生産的な作業環境が生み出される仕組みを深く理解しています。受賞後は、学び得たことを全社のチームにも広く行き渡るように共有しています。また、カンファレンスでのプレゼンテーションやブログの投稿も行うようになり、当チームが実現した DevOps の進化を多くの人々に伝えています。

このような変革すべてをもってしても、学習し、成長すべき点に終わりはなく、特に、通信事業の状況が複雑であった点はさらに改善する必要がありました。従来のインフラストラクチャに密結合のデータ依存関係が残っていたうえ、多くのアウトソーシングを必要とする複数の重複するプロセスがあったほか、2 社の巨大な通信事業者の合併により生じた問題もまだいくつか残っていました。システムの見直しで、実行しているサーバーとクラスタがさまざまな主要プロバイダから提供されていることもわかりました。

目標

このような技術的負債を解消するために、VM 側でこれらのソースシステムのうち最も重要なものを Google Cloud に移行する一方で、基礎となるテクノロジーと文化を改善する必要がありました。具体的には、次の項目を目標としました。

  • 組織全体から複雑さを取り除く

  • お客様にカスタマイズとサポートを提供する

  • 費用対効果の最も高い方法で、将来を見据えたインフラストラクチャを構築する

ソリューション

この目標を達成するために、Google Cloud と緊密に連携し、DevOps、MLOps、分析エンジニアリングの 3 つの主要な柱を中心とした戦略を組み立てました。

DevOps 分散化の取り組みでは、個々のチームが構築のすべての取り組みを担っていた集中型モデルから分散型モデルに転換し、200 人を超えるエンジニアとアナリストを含めた 28 のチームが毎日連携して構築するようになりました。各チームが独自のデータ プロダクトに取り組みます。これらのデータ プロダクトはほとんどが独立したコードベースかデータモデルを使いながらも、すべて共通のライブラリ、ベスト プラクティス、原則を活用します。新しいベスト プラクティスを見つけたチームは、それを他のチームと共有し、成長と共同作業の文化を促進しています。

2022 年初期に MLOps の取り組みを開始してから、いまやデータ サイエンティストとデータ エンジニアの数は 50 人を超え、Vertex AI パイプラインベースの社内プラットフォームを全社に導入したこともあり、本番環境への移行までの時間の短縮とスケーラビリティの向上につながっています。

  • 製品化までの時間: CDC によって追跡した元データを BigQuery および導入した dbt(データ モデリング ツール)クラウドで使用することで、8 人のチームなら、160 人のアナリストがセルフサービス ツールを使用して、データを待たずに情報に基づいた処理を行えるようサポートできます。

  • データの取り込み: 取り込みを効率化するために、Vortex プラットフォームを導入し、複数の形式のサードパーティ データを取り込んでバッチおよびストリーミング処理できるようにすると同時に、他のチームと連携して、Ab Initio と Cloud Composer を使用して内部データソースを取り込めるようにしました。

  • 機能の展開: ML のテンプレートと MLOps のベスト プラクティスが含まれるリポジトリおよび共有の MLOps Python パッケージを使用することで、スケーラブルなソリューションを CI / CD を実践しながら迅速かつ安全にデプロイできます。

分析エンジニアリング チームが dbt を使用して、データの信頼性とアクセスしやさの維持という責務を果たすことで、当チームメンバーは制御された環境で安心して開発作業を進め、データからより多くの価値を引き出すことができます。このことや、その他のさまざまな取り組みにより、チームの本番環境領域では、毎日 250 TB のデータが処理され、作成したデータモデルに対して 60,000 件のクエリが実行され、91,000 行の dbt コードが処理されています。

結果

継続的な改善へのこの取り組みは、費用削減、収益創出、顧客満足度の向上を通した価値創出において、有益な結果をもたらしています。短期的には、以下のような成果が出ています。

  • 商用エンジンとレコメンデーション エンジンにより、デジタル店舗のコンバージョン率(CVR)は従来の 458% を実現し、平均収益も 3 倍に増加しました。また、関連プロダクトのおすすめにより、CVR がさらに 6% 上昇しました。

  • ネットワーク エンジニアの作業時間を 3,000 日分削減できたことにより、800,000 ポンドの費用削減につながりました。

  • 社内の着信転送によって、サードパーティとの現在の取引額の 50% 年間支出の 10% に充てることができるようになりました。

こういった即時の効果に加えて、次のように、当社の今後の成長機会を創出する中長期的な効果も見えています。

  • オムニチャネルのデータ プロダクト主導のソリューションを通して、お客様が選択したチャネルでの初回解決率を高め、そういったソリューションのデジタル チャネルのシェアを 2026 年までに 80% にまで拡大するための取り組みを進めます。

  • 当社がネットワークに投資する際には、より適切な意思決定を行えるようにサポートします。これは、英国をアップグレードする 40 億ポンドのプログラムの一環です。

  • Virgin Media O2 のお客様にモバイルと固定のサービスを集約して提供することで、処理の廃止、作業効率の向上、実践法や技法の共有を通して、数百万ポンドの節約につなげます。

2022 年 DevOps Award 受賞者を紹介するシリーズの今後のブログにも引き続きご注目ください。DORA リサーチについて詳しくは、2022 年の State of DevOps Report をお読みください。


- VMO2、高度分析およびデータ サイエンス担当ディレクター Alberto Rey Villaverde 氏

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