GKE と Gemini CLI の組み合わせで広がる可能性
Adam Parco
Senior Engineering Manager, Google
Allan Naim
Director of Product Management, Google
※この投稿は米国時間 2025 年 11 月 1 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
クラウドネイティブ開発は常に進化しており、Google は、強力かつ直感的なツールで開発者と運用担当者を支援することに専念しています。
GKE Gemini CLI 拡張機能がオープンソース化されました。今回は、Gemini CLI と Google Kubernetes Engine(GKE)がどのように連携し、どのような新しい可能性を生み出すのかをご紹介します。この拡張機能により、GKE が Gemini CLI エコシステムに直接統合され、他の MCP クライアントからも MCP サーバーとして利用できます。これにより、開発者には次のようなメリットがあります。
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リソース: GKE 固有のコンテキストを Gemini CLI の操作にシームレスに統合し、より簡潔で自然なプロンプトを実現します。
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プロンプト: Gemini CLI のスラッシュ コマンドと統合された詳細なプロンプトを提供し、一般的でありながら複雑なワークフローも簡単に完了できます。
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強力なツール: 直感的なコマンドで GKE の機能を活用し、複雑な操作を簡素化します。Cloud Observability などのコンパニオン プロダクトとの統合も、特定のコンテキストとツールの追加により強化され、GKE 利用時の他の GCP プロダクトとのシームレスな互換性を確保しています。


定期的なリリースを通じて、GKE および GKE MCP サーバー向けの Gemini CLI 拡張機能の改善と強化を続けています。
お客様からは、すでにこの 2 つの連携について次のような声が寄せられています。「GKE と Gemini CLI の統合に強い関心を寄せています。この統合は、現実世界の課題を解決するためのエキサイティングな道筋を描いており、Google と協力してその未来を共に形作っていくことを楽しみにしています。」- Macquarie Bank エンジニアリング AI およびアーキテクチャ担当責任者 Jason O'Connell 氏
Gemini CLI が開発者にとって不可欠なツールになった理由
コマンドラインから直接 AI を活用する開発者にとって、Gemini CLI は瞬く間に欠かせないツールとなりました。詳細は、Gemini CLI に関するこちらのブログ投稿をご覧ください。この強力な AI エージェントは、コアツールへのアクセス機能を備え、幅広い標準機能を提供します。これにより、複雑なタスクを合理化し、開発ワークフローを加速できます。生産性を高めるインテリジェントなツールが持つ変革力を示しています。Gemini CLI は、GitHub で最も多くのスターを獲得したエージェント CLI となり、100 人を超えるコミュニティ コントリビューターが関わる数十回のリリースを重ねています。
Gemini CLI の主な強みの一つは、その拡張性です。Gemini CLI 拡張機能は、MCP サーバー、コンテキスト ファイル、カスタム コマンドをシンプルなパッケージにまとめ、Gemini にあらゆるツールの使い方を教えます。この革新的なアーキテクチャにより、多様な拡張機能をシームレスに統合でき、開発者は AI を活用したワークフローを自在にカスタマイズして新たな可能性を切り開くことができます。
GKE: 次世代のワークロードを支える原動力
Google Kubernetes Engine(GKE)は、コンテナ化されたアプリケーションのデプロイ、管理、スケーリングを求める企業にとって、引き続き中核的なプラットフォームです。その堅牢で柔軟なインフラストラクチャにより、今後さらに重要性が高まる AI モデルのトレーニングや推論タスクなど、高度で要求の厳しいワークロードに最適な選択肢となっています。これまで GKE は、専用のリソースやプロンプト、ツールを持たず、Gemini CLI に組み込まれた Gemini 基盤モデルを活用してきました。
新しい GKE Gemini CLI 拡張機能は、驚くほど簡単に利用を開始できます。次の簡単なコマンドを実行して Gemini CLI にインストールするだけです。
他の MCP クライアントを使用している場合は、こちらでインストール手順を確認できます。
GKE + Gemini CLI: 推論の CUJ を実現
GKE と Gemini CLI を組み合わせることで、一般的な推論ユースケースで優れた効果を発揮します。GKE 上での AI モデルのデプロイと管理は、まるでコマンドラインと会話しているかのように自然です。
この強力な組み合わせがワークフローをどのように変革できるのかを、次の例で見てみましょう。
シナリオ: ML エンジニアとして、推論モデルをデプロイしたいと考えています。ビジネス要件を満たすために、どのモデルやアクセラレータを使用すればよいかわかりません。そこで、GKE MCP サーバーで構成された Gemini CLI に、レイテンシ要件 1,500 ミリ秒でモデルをデプロイするよう指示します。Gemini CLI は、モデルとアクセラレータの検出から、ビジネス要件に基づいたデプロイ可能な Kubernetes マニフェストの生成までのプロセスを自動化します。この動的なワークフローにより、作業の手間が大幅に軽減されました。


使ってみる
GKE と Gemini CLI を組み合わせることで、開発者は Kubernetes 上で AI を活用する際に、これまでになく効率的でパワフルな開発環境を体験できます。皆さんがこれらのツールを使って生み出す革新的なソリューションを楽しみにしています。Gemini CLI をダウンロードし、GKE Gemini CLI 拡張機能をインストールして、ぜひ試してみてください。ご意見もお聞かせください。
-Google シニア エンジニアリング マネージャー Adam Parco
-Google プロダクト管理担当ディレクター Allan Naim
