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コンピューティング

新しいコンピューティングのイノベーションとサービスで企業の変革を推進

2025年5月8日
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Nirav Mehta

VP, Google Cloud Compute Platform

Salil Suri

Director, Product Management, Compute Engine

※この投稿は米国時間 2025 年 4 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

過去 12 か月間で、Google Cloud は Compute Engine プラットフォームの目覚ましい強化を実現しました。その大きな原動力となったのが、新しい第 4 世代のコンピューティング インスタンスと Hyperdisk ブロック ストレージ、そしてカスタマー エクスペリエンスの大幅な向上です。Google Cloud のコンピューティング ポートフォリオは、あらゆるワークロードにおけるパフォーマンスと費用を最適化する一方で、エンタープライズ クラスのスケーラビリティ、信頼性、セキュリティ、ワークロードの一貫性を実現して、効率的な成長とイノベーションへの投資を促進します。このたび Google Cloud Next 2025 で発表される内容について見ていきましょう。

あらゆるワークロードに対応する、新たに進化したコンピューティング機能

C4D は vCPU あたりのスループットを 80% 向上させ、パフォーマンスを強化

Google の新しい C4D VM は、AMD の第 5 世代 EPYC プロセッサを基盤とし、Google Titanium の最新技術との組み合わせにより、コア周波数の向上(最大 4.1 GHz)を実現します。C4D は、一般的な幅広いコンピューティング ワークロードにおいて、前世代と比較してパフォーマンスが大幅に向上しています(SPECrate®2017_int_base ベンチマークの推定結果で C3D と比較して最大 30% 向上)。これにより、ビジネス クリティカルなアプリケーションのニーズを、より少ないリソースで満たすことができます。

データベースの場合、C4D は C3D と比較して、MySQL での秒間クエリ数が最大 55% 増加し、Redis ワークロードのパフォーマンスが 35% 向上します。ウェブサービス ワークロードでは、前世代と比較して vCPU あたりのスループットが最大 80% 向上し、ページのレンダリングが高速化するほか、エンドユーザーにとってもよりスムーズな体験が得られます。C4D は Confidential Computing を提供し、業界標準の 49 のシェイプで利用可能です。サイズは 2 vCPU~384 vCPU、メモリ構成は 3 種類で、最大 3 TB の DDR5 メモリを選択できます。また、Google 初の AMD ベースのベアメタルのプロダクトと新しい Titanium LSSD も含まれます。Compute Engine と Google Kubernetes Engine(GKE)で、プレビュー版が利用可能になった C4D を今すぐお試しください

AppLovin は、モバイル広告のグローバル リーダーとしてクライアントに優れたパフォーマンスを提供するため、常に最先端のインフラストラクチャのイノベーションを模索しています。Google Cloud の C4D VM はまさにその目標を達成するための鍵となり、前世代と比較して約 40% の改善を実現し、大幅な効率化とレイテンシの短縮を可能にしました。」- AppLovin、CTO、Basil Shikin 氏

これまでにない機能と柔軟性を実現する C4 VM

ゲーム、推論、大規模データ処理、リアルタイム ワークロードなど、要求の厳しい低レイテンシのタスクに対応するため、C4 マシンシリーズが拡張され、より大きなシェイプ、ローカル SSD、ベアメタルなどの新しい機能と構成を選択できるようになりました。これらの新しい C4 シェイプは、最新の第 6 世代 Intel Granite Rapids CPU のみを基盤としており、Compute Engine VM の中で最高周波数(最大 4.2 GHz)を誇ります。

Titanium ローカル SSD を搭載した C4 シェイプは、データベースやキャッシュ レイヤなどの I/O 集約型ワークロードのパフォーマンスを向上させ、ローカル SSD のレイテンシを最大 35% 短縮します。新しい C4 ベアメタル インスタンスは、前世代と比較して、一般的なコンピューティングで最大 35%、ML レコメンデーション ワークロードで最大 65% のパフォーマンス向上を実現します。新しい大規模な C4 VM シェイプは、最大 288 vCPU までスケールでき、2.2 TB の高パフォーマンス DDR5 メモリを搭載し、キャッシュ サイズが大きくなったことで、データベース、データ分析、メモリ制約のあるその他のワークロードのスケーラビリティを向上させます。プレビュー版へのアクセスは、こちらからリクエストできます。

HPC ワークロードでの大幅なパフォーマンス向上を実現する H4D

H4D VM を使用すると、HPC ワークロードをスケールして、これまで以上に迅速に分析情報を取得できます。これらの VM は第 5 世代 AMD EPYC CPU を基盤としており、12,000 FLOPS を超えるノード全体での VM パフォーマンス、コアあたりのパフォーマンス、950 GB/秒を超えるメモリ帯域幅は、いずれも最高水準を誇ります。H4D VM は 200 Gbps の低レイテンシの Titanium RDMA ネットワーク帯域幅を実現し、10,000 を超えるコアを持つクラスタをサポートしており、今後さらなるスケールの向上も計画されています。詳しくは、Google の科学的革新に関するブログ記事をご覧ください。または、H4D プレビューにご登録ください。

「第 5 世代 AMD EPYC を搭載した Google H4D VM が実現する世代間のパフォーマンス向上は、実に驚くべきものです。Altair Radioss は、自動車事故の分析など、コンピューティング負荷が高く、高度に非線形なシミュレーションで、驚異的な 3.6 倍の高速化を実現します。この飛躍的な進歩により、デジタル スレッドの時代においてお客様にとって不可欠なより高速かつ高精度のシミュレーションが可能になります。」- Radioss Development and Altair Solvers HPC、シニア バイス プレジデント、Eric Lequiniou 氏

要求の厳しい SAP ワークロードにおいてパフォーマンスを 2 倍に向上させる M4 VM

Compute Engine の 99.95% のメモリ最適化単一インスタンス SLA に裏打ちされた M4 VM は、従来のメモリ最適化 M3 と比較して、コスト パフォーマンスが最大 65%、SAP Application Performance Standard(SAPS)が 2.25 倍向上します。第 5 世代 Intel Xeon スケーラブル プロセッサを基盤とする M4 VM は、744 GB~3 TB のビジネス クリティカルなインメモリ SAP HANA ワークロードと SAP NetWeaver アプリケーション サーバーの認定 VM です。

ストレージ使用量の多いワークロード向けの Z3

データ ウェアハウス、SQL、NoSQL データベースなどの I/O 集約型ワークロード向けに、Z3 ストレージ最適化ファミリーに新しい Titanium SSD が搭載され、インスタンスあたり 3 TB~18 TB の 9 種類の新しい小型シェイプが提供されるようになりました。また、新たに導入されるストレージ最適化ベアメタル インスタンスは、最大 72 TB の Titanium SSD を搭載し、物理サーバー CPU への直接アクセスが可能です。プレビュー版にご興味がございましたら、こちらからご登録ください。

Nutanix Cloud Clusters が Google Cloud で利用可能に

新しい Z3-metal インスタンスを選択した Nutanix との提携により、Nutanix Cloud Clusters(NC2)on Google Cloud がリリースされます。Nutanix NC2 は、プライベート クラウドとパブリック クラウドのアプリ、データ、AI の実行、管理、運用を簡素化するハイブリッド クラウド プラットフォームです。NC2 の共通運用モデルにより、ワークロードを一貫した方法で簡単に管理できるため、お客様の Google Cloud への移行を加速させ、アプリのモダナイゼーションを支援します。詳細をご確認のうえ、公開プレビュー版にご登録ください。

「Nutanix Cloud Clusters on Google Cloud の限定公開プレビュー版を発表できることを嬉しく思います。これは、柔軟なハイブリッド クラウド ソリューションを提供するという Nutanix の取り組みにおいて重要なマイルストーンとなります。Google Cloud の Z3 インスタンス タイプは、Nutanix がエンタープライズ アプリケーションのパフォーマンスと復元力を高めるうえで最適な基盤です。Google Cloud とのパートナーシップにより、共通のお客様の選択肢が広がり、クラウドへの移行がよりシンプルになることを期待しています。」- Nutanix、プロダクト管理担当バイス プレジデント、Saveen Pakala 氏

クラウドで VMware 環境を最適化するためのオプションがさらに充実

Google Cloud VMware Engine は、既存の VMware 資産の Google Cloud へのリフト&変革を行うための最も迅速な手段の一つです。このたび、18 のノードシェイプが追加され、VMware Engine v1 と v2 のノードシェイプの総数は 26 に増加しました。これは競合他社の 6 倍に相当します。これにより、お客様がワークロードのニーズに合わせて容量を調整し、TCO を最適化するために、業界で最も幅広いオプションが提供されます。

スケールと効率性の向上を実現するストレージとプラットフォームの機能

Google Cloud の第 4 世代のコンピューティング、ネットワーキング、ブロック ストレージのポートフォリオは、高度に差別化された複数のテクノロジーを基盤として構築されています。Titanium は、特定用途向けのカスタム シリコンと複数層のスケールアウト オフロードからなるシステムであり、CPU の負荷を軽減することでパフォーマンス、信頼性、セキュリティを強化して、ワークロードの効率を最大限に高めます。上述の複数の発表で紹介されているように、Titanium は Google Cloud のコンピューティング、ストレージ、ネットワーキングの各サービスに統合されています。

また、先日の Titanium ML アダプタの更新により、NVIDIA ConnectX-7 ネットワーク インターフェース カード(NIC)を安全に統合し、GPU 間の非ブロッキング帯域幅を 3.2 Tbps に引き上げられるようになりました。さらに、Titanium オフロード プロセッサについては GPU クラスタを Jupiter データセンター ファブリックと統合し、クラスタのスケールを拡大しました。

Hyperdisk による次世代のブロック ストレージ

Hyperdisk は、Google Cloud のワークロードに最適化された高パフォーマンスのブロック ストレージです。費用効率と使いやすさに優れ、ワークロードの包括的なデータ保護機能を提供します。Hyperdisk ストレージ プールは、容量とパフォーマンスを各ワークロードで個別に調整するなど、独自の機能によって、シン プロビジョニングとデータの削減を可能にし、TCO の削減と大規模な管理の簡素化を実現します。お客様が移行するワークロードのサイズ拡大に伴い、Google Cloud はストレージ プールを拡張し、1 つのプールに最大 5 PiB のデータを保存できるようにしました。これは、従来の 5 倍のデータ量です。

さらに、Hyperdisk Exapools も導入されます。これは、特に大規模で要求の厳しい AI トレーニング ワークロード専用に構築されたストレージ プールの新しいバリアントです。Hyperdisk Exapools を使用すると、数エクサバイトの容量と 1 秒あたり数テラバイトのスループットを実現するブロック ストレージをプロビジョニングして管理できます。また、シン プロビジョニングとデータ削減を活用して TCO を削減し、管理を簡素化することもできます。Exapools は、2025 年第 2 四半期(今四半期中)にプレビュー版として提供される予定です。

Hyperdisk ML には、GKE Volume Populator を使用した Cloud Storage からのハイドレート、最新の Compute Engine インスタンスへのアタッチ、Hyperdisk ML からのデータ読み込みの高速化による最新の TPU VM ファミリーでのトレーニング / 推論の実行などの新機能も追加されています。詳しくは、こちらの AI インフラストラクチャに関するブログ記事をご覧ください。

使用パターンに合わせてリソースを割り当て

マネージド インスタンス グループ(MIG)を使用することで、要求の厳しいコンピューティング タスクの効率性、柔軟性、制御性を高めることができます。MIG は、単一のエンティティとして管理できる仮想マシンの集合です。たとえば、複数の VM タイプを使用するように MIG を構成すると、需要が大きい期間や急速に増大する期間においても、容量が自動的に検出されます。また、事前初期化済み VM を含む MIG 内の停止または一時停止された VM を使用することで、費用を削減し、アプリケーションの起動を高速化できます。さらに、Vertex AI と Autopilot での確約利用割引(CUD)と予約の共有の導入により、インフラストラクチャを一度購入するだけで複数のサービスで利用できるようになりました。

最適化されたコンピューティングでイノベーションに投資

すべてのワークロードで最高のパフォーマンスと柔軟性を実現できるインフラストラクチャを提供することは、Google の最優先事項の一つです。汎用 VM から HPC、SAP、データベース向けの専用ソリューションまで、Google Cloud はお客様のニーズに合わせて、ワークロードに最適化されたソリューションを提供し、ビジネスが必要とするイノベーションの実現を支援します。ご不明な点がございましたら、こちらまでお問い合わせください。

-プロダクト管理担当シニア ディレクター、Nirav Mehta
-Compute Engine、プロダクト管理担当ディレクター、Salil Suri

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