Python 用 Cloud Logging の設定

Python アプリケーションから Cloud Logging にログを書き込むには、標準の Python ロギング ハンドラを使用するか、Python 用の Cloud Logging API クライアント ライブラリを直接使用します。標準の Python ロギング ハンドラを使用する場合は、Cloud Logging ハンドラを Python ルートハンドラに接続する必要があります。このドキュメントでは、そのアプローチについて説明します。

始める前に

  1. Google Cloud アカウントにログインします。Google Cloud を初めて使用する場合は、アカウントを作成して、実際のシナリオでの Google プロダクトのパフォーマンスを評価してください。新規のお客様には、ワークロードの実行、テスト、デプロイができる無料クレジット $300 分を差し上げます。
  2. Google Cloud Console の [プロジェクト セレクタ] ページで、Google Cloud プロジェクトを選択または作成します。

    プロジェクト セレクタに移動

  3. Google Cloud プロジェクトで課金が有効になっていることを確認します

  4. Cloud Logging API を有効にします。

    API を有効にする

  5. Google Cloud Console の [プロジェクト セレクタ] ページで、Google Cloud プロジェクトを選択または作成します。

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  6. Google Cloud プロジェクトで課金が有効になっていることを確認します

  7. Cloud Logging API を有効にします。

    API を有効にする

  8. Python 開発用に環境を準備します。

    Python 設定ガイドに移動

ライブラリをインストールする

Python 用 Cloud Logging ライブラリをインストールするには、Python 用クライアント ライブラリをインストールするをご覧ください。このライブラリによって、標準の Python ルートハンドラに Cloud Logging ハンドラを接続できます。このライブラリを使用して、API リクエストを Cloud Logging に送信することもできます。

インストールの詳細については、Python 用 Cloud Logging ライブラリのドキュメントをご覧ください。公開バグトラッカーを使用して問題を報告することもできます。

標準の Python ロギング ハンドラを使用してログを書き込む

標準の Python ルートハンドラを使用して書き込まれたすべてのログエントリを Cloud Logging に送信するには、次の操作を行います。

  1. setup_logging メソッドを呼び出して、Cloud Logging ハンドラを Python ルートロガーにアタッチします。

    # Imports the Cloud Logging client library
    import google.cloud.logging
    
    # Instantiates a client
    client = google.cloud.logging.Client()
    
    # Retrieves a Cloud Logging handler based on the environment
    # you're running in and integrates the handler with the
    # Python logging module. By default this captures all logs
    # at INFO level and higher
    client.setup_logging()

    ロギング ハンドラを構成する方法については、ロギング標準ライブラリとの統合をご覧ください。

  2. Python ルートロガーを使用してログデータを書き込みます。

    # Imports Python standard library logging
    import logging
    
    # The data to log
    text = "Hello, world!"
    
    # Emits the data using the standard logging module
    logging.warning(text)

    デフォルトでは、アプリケーションによって書き込まれた、重大度が INFO 以上のあらゆるログは、Cloud Logging に送信されます。

    App Engine または Google Kubernetes Engine から Logging にメッセージを記録している場合、ハンドラがこれらを、環境で対応するリソースタイプに送信します。それ以外の場合、ログは Global リソースタイプの python ログの下に一覧表示されます。

Cloud Logging クライアント ライブラリを使用してログを書き込む

Python 用 Cloud Logging クライアント ライブラリを直接使用する方法については、Cloud Logging クライアント ライブラリをご覧ください。

Google Cloud での実行

Python 用 Cloud Logging ライブラリを使用してログを書き込むアプリでは、基盤となるリソースのサービス アカウントにログ書き込み(roles/logging.logWriter IAMのロールが必要です。ほとんどの Google Cloud 環境では、このロールを持つようにデフォルトのサービス アカウントが自動的に構成されます。

App Engine

App Engine では Cloud Logging が自動的に有効になり、アプリのデフォルトのサービス アカウントにログエントリを書き込む IAM 権限がデフォルトで付与されます。

詳細については、ログの書き込みと表示をご覧ください。

Google Kubernetes Engine(GKE)

GKE は、デフォルトのサービス アカウントにログ書き込み(roles/logging.logWriter IAM ロールを自動的に付与します。このデフォルトのサービス アカウントで Workload Identity を使用して、ワークロードが特定の Google Cloud API にアクセスできるようにする場合、追加の構成は必要ありません。ただし、カスタム IAM サービス アカウントで Workload Identity を使用する場合は、カスタム サービス アカウントにログ書き込みロール(roles/logging.logWriter)があることを確認してください。

必要に応じて、クラスタの作成時に次のコマンドを使用して logging.write アクセス スコープを追加することもできます。

gcloud container clusters create example-cluster-name \
    --scopes https://www.googleapis.com/auth/logging.write

Compute Engine

Compute Engine VM インスタンスを使用する場合は、各インスタンスに cloud-platform アクセス スコープを追加します。Google Cloud Console から新しいインスタンスを作成する場合は、[インスタンスの作成] パネルの [ID と API へのアクセス] のセクションで作成します。Compute Engine のデフォルト サービス アカウントまたは別のサービス アカウントを使用し、[ID と API へのアクセス] セクションの [すべての Cloud API に完全アクセス権を許可] を選択します。どのサービス アカウントを選択する場合でも、Google Cloud コンソールの [IAM と管理] でログ書き込みロールが付与されていることを確認してください。

ローカルやその他の場所で実行する

自分のワークステーション、データセンターのコンピュータ、別のクラウド プロバイダの VM インスタンスでライブラリを実行するなど、Google Cloud の外部で Python 用 Cloud Logging ライブラリを使用するには、Google Cloud プロジェクト ID と適切なサービス アカウント認証情報を Python 用 Cloud Logging ライブラリに直接提供する必要があります。

既存のサービス アカウントの場合は、次の操作を行います。

  1. サービス アカウントに IAM のログ書き込み(roles/logging.logWriter IAM。ロールを付与します。IAM ロールの詳細については、アクセス制御をご覧ください。

  2. アプリケーションのデフォルト認証情報を設定します

サービス アカウントをお持ちでない場合は、サービス アカウントを作成します。このプロセスについては、サービス アカウントの作成をご覧ください。

認証に使用できる方法に関する一般的な情報については、用語: サービス アカウントをご覧ください。

ログを閲覧する

Google Cloud コンソールのナビゲーション パネルで、[ロギング] を選択してから、[ログ エクスプローラ] を選択します。

[ログ エクスプローラ] に移動

ログ エクスプローラでは 1 つ以上のリソースを指定する必要がありますが、リソースの選択が明確でない場合があります。その場合は、次のヒントを参考にしてください。

  • アプリケーションを App Engine にデプロイしている場合や、App Engine 固有のライブラリを使用している場合は、リソースを GAE アプリケーションに設定します。

  • アプリケーションを Compute Engine にデプロイしている場合は、リソースを GCE VM インスタンスに設定します。

  • アプリケーションを Google Kubernetes Engine にデプロイしている場合は、クラスタのロギング構成に応じてログエントリのリソースタイプが異なります。レガシー Google Cloud Observability と Google Cloud Observability Kubernetes Monitoring ソリューションに関する詳細な論議、およびどのようにこれらのオプションがリソースタイプに影響を与えるかについては、Google Cloud Observability Kubernetes Monitoring をご覧ください。

  • アプリケーションが Cloud Logging API を直接使用している場合、リソースは API と構成に依存します。たとえば、アプリケーションでリソースを指定することも、デフォルトのリソースを使用することもできます。

  • ログ エクスプローラにログが表示されない場合に、すべてのログエントリを表示するには、高度なクエリモードに切り替えて空のクエリを使用します。

    1. 高度なクエリモードに切り替えるには、ログ エクスプローラの上部にあるメニュー(▾)をクリックし、[高度なフィルタに変換] を選択します。
    2. フィルタ ボックスに表示されているコンテンツをクリアします。
    3. [フィルタを送信] をクリックします。

    個々のエントリを調べてリソースを特定します。

詳細については、ログ エクスプローラの使用をご覧ください。