データセンター プロフェッショナルのための Google Cloud Platform: ストレージ

ここでは、Google Cloud Platform のストレージ サービスについて説明します。また、それらのサービスが従来のストレージ モデルとどのように関連しているかについても説明します。以下のストレージ タイプと、クラウドでそれらに相当するものについて説明します。

  • ディスク ストレージ。直接接続ストレージ(DAS)、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、ストレージ エリア ネットワーク(SAN)など
  • オブジェクト ストレージ
  • アーカイブ ストレージ。ディスクアレイ、磁気テープメディアなど

コアストレージ コンポーネント

このセクションでは、Cloud Platform によって提供されるコア ストレージ コンポーネントの概要を簡単に説明します。

ブロック ストレージ

Cloud Platform には、2 つのブロック ストレージ タイプがあります。どちらのディスクタイプも、Cloud Platform の Infrastructure as a Service(IaaS)プロダクトである Google Compute Engine と統合されており、Compute Engine 仮想マシン(VM)インスタンスにマウントできます。

  • 永続ディスク: ネットワーク接続されたボリュームであり、VM インスタンスに接続できます。
  • ローカル SSD: VM インスタンスが実行されている物理マシンに直接接続されています。

永続ディスク

永続ディスクは、仮想ブロック ストレージ ボリュームです。VM インスタンスを作成すると、インスタンスには、マシンのオペレーティング システムが含まれた単一のブート可能永続ディスクが付属します。VM のマシンタイプに応じて、最大で 128 台のボリューム、または 64 TB の永続ディスクを接続できます。

永続ディスクのパフォーマンスは、ディスクのタイプ、ディスクのサイズ、ディスクが接続される VM インスタンスの最大スループットによって異なります。各永続ディスクは HDD または SSD のいずれかにすることができます。通常、各タイプのパフォーマンス上の特性は、対応する物理的な要素に関連します。標準 HDD 永続ディスクは順次読み取り / 書き込みオペレーションに効率的で経済的です。一方、SSD 永続ディスクは高速なランダム IOPS に適しています。永続ディスクのパフォーマンスは、接続されている VM インスタンスのスループット制限に到達するまで、ディスクのサイズに従って高まります。

永続ディスクを含むマシンは、VM インスタンスを含むマシンと同じゾーンに配置され、Google のネットワーク ファブリックに接続されます。通常、Google のネットワークは秒あたり 1 ペタビットを超える全二分帯域幅を提供することができるため、それらのネットワーク接続された永続ディスクは従来のローカルで接続されたディスクと同等のスループットと I/O 特性を持つことができます。

永続ディスクは、それらが置かれているゾーン内では使用できますが、ゾーン間で複製されることはありません。永続ディスクに接続されている VM インスタンスがオフラインになると、その永続ディスクにはデータが保持されたままになりますが、アクセス不能になります。永続ティスクを使用するときに高可用性を確保するには、ワークロードが実行されているリージョンとゾーンの間に高可用性が実現するように設計する必要があります。リージョンとゾーンの詳細については、リージョンとゾーンをご覧ください。

ローカル SSD

ローカル SSD は、Compute Engine VM インスタンスと同じホストマシンに物理的に接続されています。標準永続ディスクまたは SSD 永続ディスクよりも、ローカル SSD のほうが高スループットで低レイテンシです。ただし、ローカル SSD にはいくつかの注意点があります。

  • ローカル SSD は永続ディスクよりも柔軟性がありません。永続ディスクとは異なり、ローカル SSD のサイズは 375 GB までに制限されています。特定の非共有コア VM インスタンスに接続できるボリュームは、最大で 8 つです。また、ローカル SSD を共有コア VM インスタンスに接続することはできません。さらに、ローカル SSD はブートデバイスとして使用できません。
  • 通常、ローカル SSD は永続的ではありません。VM インスタンスを再起動してもデータは存続しますが、インスタンスを停止すると、データは失われます。

オブジェクト ストレージ

Google Cloud Storage はホステッド オブジェクト ストレージ サービスであり、さまざまなサイズの大量のバイナリ オブジェクトや blob の保存とアクセスを行えます。Cloud Storage バケットは、Cloud Platform で使用可能な、最もスケーラブルで耐久性の高いストレージ オプションです。アプリケーションでブロック ストレージが不要な場合、Cloud Storage バケットにデータを保存することを強くおすすめします。

Cloud Storage には、4 つのストレージ クラスがあります。すべての Cloud Storage クラスで、あらゆるデータにすばやくアクセスすることができ、同じセットの API 呼び出しがサポートされています。

  • Multi-Regional では、Cloud Storage クラスの中で最も高い可用性を実現できます。このクラスは、大規模なコンテンツ ストレージとメディア ファイル処理の両方に適しています。
  • Regional では、特定のリージョンでコンピューティング リソースとストレージ リソースをペア設定できます。この特性により、Regional は、データ分析、機械学習、およびメディア処理などのコンピューティング ワークロードに適しています。
  • Nearline と Coldline では、バックアップとアーカイブのユースケース用に、コスト効率の良いストレージを使用できます。

サービスモデルの比較

このセクションでは、最も一般的なデータセンター ストレージ モデルと、Cloud Platform のストレージ オファリングを対比させ、クラウド サービスと従来のデータセンター テクノロジーの相違について説明します。

直接接続型ストレージ(DAS)

データセンターでは、「直接接続型ストレージ(DAS)」は物理サーバーに直接接続された物理ボリュームで、「ローカル ディスク」と呼ばれることもよくあります。このボリュームは、ブートディスクと同様に内部で接続することも、外部ハードディスクと同様に外部で接続することもできます。ローカル ディスク上のデータに他のサーバーがアクセスできるようにする場合は、そのサーバーのオペレーティング システムがネットワークでディスクを共有できるように、明示的に許可する必要があります。

クラウドでは、ローカル ディスクと DAS は必ずしも同義ではありません。たとえば、Cloud Platform ではローカル SSD と永続ディスクはどちらも、ローカル ディスクを必要とするワークロードをサポートできます。

  • 永続ディスクは、バックグラウンドでネットワークに接続されていますが、デフォルトでは Compute Engine の DAS と似ています。どちらの永続ディスクタイプでも、各ユースケースで高いパフォーマンスを得られ、両方ともローカル SSD よりもコストが下がるため、大部分のワークロードに適しています。
  • ローカル SSD は従来の DAS とより直接的に似ており、ストレージとパフォーマンスの要件が高いワークロードに適しています。ただし、ローカル SSD は永続的ではありません。これらをブートディスクとして使用することはできません。永続的なローカル ストレージが必要なワークロードには使用しないでください。

ネットワーク接続型ストレージ(NAS)

データセンターでは、「ファイラー」とも呼ばれる「ネットワーク接続型ストレージ(NAS)」デバイスによって、アプリケーションはマシン間で共有されているファイルを読み取ったり、更新したりすることができます。通常、ファイラーでは、クライアント マシンがファイル システムをマウントし、ローカルでホストされているかのようにファイルにアクセスできるようにするプロトコルが使用されます。

現在、Cloud Platform ではサービスとしてのネイティブ ファイラー ソリューションは提供されていませんが、さまざまな方法でファイラーを Cloud Platform で実行することができます。詳細については、Google Compute Engine でのファイル サーバーをご覧ください。

ストレージ エリア ネットワーク(SAN)

データセンターで「ストレージ エリア ネットワーク(SAN)」は、ブロックレベルのアクセスと内部管理層の両方を提供するリモート ストレージ ユニットであり、これを使用して、個々の論理ユニット番号(LUN)をリソースにプロビジョニングできます。SAN に接続する場合、ユーザーはファイラーの場合と同様に、ディスクが接続されたサーバーに接続するのではなく、SAN 自体をディスクとしてマウントします。

Cloud Platform では、永続ディスクを使用して、SAN が必要なワークロードをサポートできます。SAN コンテキストで使用される場合、永続ディスクは論理ユニット番号(LUN)デバイスを介してアクセスする論理ディスク ボリュームと類似しており、同様の方法でプロビジョニングできます。LUN ベースの論理ディスク ボリュームの場合と同様に、複数の永続ディスクを単一の VM インスタンスにマウントできます。また、単一の読み取り専用永続ディスクを複数の VM インスタンスにマウントすることもできます。

永続ディスクは特定のゾーンに対してローカルであるため、必要に応じて、マシンのアクセスを制限するための手法として、LUN ゾーニングを引き続き使用することができます。

SAN を Cloud Platform に移動すると、クラウドに特有ないくつかの利点をさらに得ることもできます。

  • 永続ディスクベースの SAN には、ストレージの上限がほとんどありません。物理ストレージの容量不足を心配せずに、新しい永続ディスクを状況に応じてプロビジョニングできます。ただし、個々の VM インスタンスは 128 台の永続ディスクまたは 64 TB のブロック ストレージに制限されています。
  • 所定の LUN に接続できる VM インスタンスの数を最適化するなど、物理ハードウェアの考慮事項を心配する必要はありません。
  • 永続ディスクはデフォルトでレプリケートされるため、最適な RAID レベルの選択について心配する必要はありません。

アーカイブ ストレージ

データセンターでは、業務上または法律上、長期間保持する必要のあるアーカイブ データに対して、磁気テープメディア、ストレージ ディスクアレイ、あるいはそれら両方など、標準の「アーカイブ ストレージ」を使用します。これらの各ストレージ タイプには、以下の欠点があります。

  • ストレージ ディスクアレイは費用が高くなる場合があります。ハードウェア自体の初期費用に加えて、バックアップ ポリシーにより、データをオフサイトに移動する必要がある場合、第 2 のデータセンターへのバックアップの保存が必要になることがあります。このような状況によって、そのデータセンターへの接続を確立して維持するための追加費用が発生します。
  • 磁気テープメディアはストレージ ディスクアレイよりも安価ですが、管理上のオーバーヘッドが増えます。テープ アーカイブを効率的に管理するには、テープの履歴を追跡できるカタログ サーバー、テープ ライブラリ、またライブラリとそれに付随するインポートやエクスポートを管理するための sysadmin が必要です。一部の企業では、テープを安全に定期集配できる外部ベンダーも必要です。

クラウドに移行すると、ハードウェアや人的資源に関するこのような費用が削減されます。たとえば Cloud Platform では、どちらの手法も Cloud Storage NearlineCloud Storage Coldline に置き換えることができます。これらは、段階的に「コールドさ」を増すストレージ ソリューションを提供します。Cloud Storage Nearline は、1 か月間のアクセス回数は 1 回未満だが、年間で複数回アクセスされる可能性のあるデータ用に設計されています。Cloud Storage Coldline は、1 年間のアクセス回数が 1 回未満のデータ用に設計されています。

Cloud Storage Nearline と Cloud Storage Coldline は、従来のアーカイブ ストレージ方式で生じている多数の問題に対処するのに役立ちます。たとえば、磁気テープメディアの場合と異なり、Cloud Storage Nearline と Cloud Storage Coldline はいずれも耐久性と信頼性を持っています。テープが正常に機能しているかどうかを心配する必要はありません。また、オフサイトの施設からテープを取得したり、複数のテープにまたがるデータを解決したりすることを心配する必要はありません。さらに、データの複製を心配する必要もありません。デフォルトで、Cloud Storage Nearline と Cloud Storage Coldline ではデータが複製され、耐久性と可用性が確保されます。

また、Cloud Storage Nearline と Cloud Storage Coldline では、オンサイト ストレージ ディスクアレイに匹敵する低レイテンシが提供され、データの最初のバイトを取得するのに、わずか数秒しかかかりません。それにもかかわらず、ストレージ ディスクアレイとは異なり、ハードウェアの初期コストや、高額なメンテナンス契約に対して支払う必要はありません。Cloud Storage では、使用した分だけ支払います。

さらに、Cloud Storage はいくつかの一般的なカタログ管理システムと統合されています。このモデルを使用して、現在のソフトウェアを引き続き使用し、新しいアーカイブ バックアップを Cloud Storage Nearline または Cloud Storage Coldline に送信することができます。詳細については、Google Cloud Storage のパートナーをご覧ください。

料金

永続ディスクとローカル SSD

Compute Engine 永続ディスクとローカル SSD は、1 か月あたりの GB 数で価格が決まります。永続ディスクとローカル SSD の料金の詳細については、永続ディスクの料金体系をご覧ください。

Cloud Storage の Mutli-Regional と Regional

Cloud Storage の価格モデルは、従来のデータセンター ストレージの価格モデルとは大きく異なります。データセンターでは、前もって NAS または SAN ストレージ ハードウェアを購入する必要があります。それとは異なり、Google Cloud Storage は使用量で課金されます。1 か月あたりに保存したデータ量、下りネットワーク量、マルチリージョンまたはリージョンのロケーション間で転送されたデータ量、API リクエストの実行数に対して課金されます。メンテナンス費用や、独自のハードウェアを購入したために生じる可能性のあるハードウェア障害に伴う費用を心配する必要はありません。

Cloud Storage の価格設定の詳細については、Cloud Storage の料金をご覧ください。

Cloud Storage Nearline と Cloud Storage Coldline

Cloud Storage Multi-Regional ストレージ クラスと同様に、Cloud Storage Nearline と Cloud Storage Coldline は、1 か月あたりのデータ保存量、下りネットワーク、およびマルチリージョンまたはリージョンのロケーション間で転送されたデータ量によって価格が決定されます。アーカイブ クラスとして、Cloud Storage Nearline と Cloud Storage Coldline にはストレージ取得料金と最小ストレージ期間も設定されています。最小ストレージ期間が終了する前にデータを削除または変更すると、残り期間に対して課金されます。たとえば、Cloud Storage Nearline で、オブジェクトを保存してから 5 日後にオブジェクトを削除すると、残り 25 日分のオブジェクト保存に対して課金されます。

Cloud Storage Nearline と Cloud Storage Coldline の価格設定の詳細については、Cloud Storage の料金をご覧ください。

次のステップ

次へ: Cloud Platform での管理

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