このページでは、Cloud Data Loss Prevention(DLP)の料金について説明します。このページの料金は米ドル(USD)表記となっています。
Cloud DLP のサービスを利用するには、事前にすべてのアカウントのお支払い情報を登録していただく必要があります。お支払い情報を設定するには、Google Cloud Console のプロジェクトのお支払いページにアクセスしてください。
Cloud DLP の料金は、下記の価格表に基づき使用量に応じて請求されます。各請求期間の最終日に、その期間中の使用量と料金を記載した請求書が作成されます。このページの料金は米ドル(USD)表記となっています。
Google Cloud 料金計算ツールを使用することで、スキャンするコンテンツの種類と量に基づいて Cloud DLP の費用を見積もることができます。
検査と変換の料金
Cloud DLP では、データを検査、変換するための機能セットが用意されています。どのような場合でも、料金はご利用いただいた分にしか発生しません。前払い料金は設定されていません。
サポートされている機能
Cloud DLP では、次の表にまとめられた機能をサポートしています。
機能 | 説明 |
---|---|
組み込み infoType 検出器による検査 | それぞれの組み込み分類子が名前、電話番号、メールアドレス、社会保障番号などの各種データ要素を検出します。 |
カスタム infoType 検出器による検査 | カスタム定義された辞書を使用して新しい要素を分類するか、事前定義された infoType を拡張できます。 |
画像の秘匿化 | 画像からテキストを抽出して分類し、結果を長方形のボックスでマスキングした新しい画像を生成します。 |
匿名化 | 表形式またはフリーテキスト形式のデータを変換し、列、レコード、infoType の結果ごとにマスキング、秘匿化、難読化を行います。 |
ストレージ検査ジョブの料金
Cloud DLP のストレージ ジョブは、検査されたバイト数に基づいて次の料金表に従って課金されます。
1 か月間に検査されたストレージ データ | ギガバイト(GB)あたりの料金 |
---|---|
1 GB まで | 無料 |
1 GB~50 テラバイト(TB) | $1.00 |
50 TB 超 | $0.75 |
500 TB 超 | $0.60 |
Google Cloud 内に保存されているコンテンツの検査の詳細については、ストレージとデータベースに含まれる機密データの検査をご覧ください。
コンテンツ メソッドの検査および変換の料金
次の表に、コンテンツ メソッドと、各メソッドに課金が発生する場合がある料金タイプを示します。
API メソッド | コンテンツ検査 | コンテンツ変換 |
---|---|---|
projects.image.redact |
○ | × |
projects.content.inspect |
○ | × |
projects.content.deidentify |
○ | ○ |
projects.content.reidentify |
○ | ○ |
コンテンツ検査メソッドの料金
Cloud DLP のコンテンツ メソッドの料金は、検査されたバイト数に基づいて次の料金表に従って課金されます。
1 か月間に検査されたコンテンツ データ | GB あたりの料金 |
---|---|
1 GB まで | 無料 |
1 GB 超 | $3.00 |
1 TB 超 | $2.00 |
コンテンツ変換メソッドの料金
Cloud DLP のコンテンツ メソッドの料金は、変換されたバイト数に基づいて次の料金表に従って課金されます。
1 か月間に変換されたコンテンツ データ | GB あたりの料金 |
---|---|
1 GB まで | 無料 |
1 GB 超 | $2.00 |
1 TB 超 | $1.00 |
米ドル以外の通貨でお支払いの場合は、Cloud Platform SKU に記載されている該当通貨の料金が適用されます。
コンテンツ検査、コンテンツ変換のいずれも、リクエスト 1 件あたり 1 KB 未満でも 1 KB として課金されます。
その他の有料機能と無料機能
注: Cloud DLP によって直接課せられる請求料金以外に、他の Google Cloud プロダクトを呼び出すように構成されたリクエストによっても料金が発生する場合があります。たとえば、Cloud Storage オブジェクトを検査するよう指示された projects.content.inspect
メソッドによって、Cloud Storage 料金が発生するような場合です。
メソッドの中には、その構成内容によって検査、変換、またはその両方の課金が発生するものがあります。これに当てはまるのが projects.content.deidentify
と projects.content.reidentify
の 2 つのメソッドで、たとえば変換だけ構成して検査を構成しない場合があります。逆に検査だけ構成する場合は、変換の課金は発生しません。
RedactConfig
変換や ReplaceWithInfoTypeConfig
変換などの単純な秘匿化については、infoType 検査も構成されていれば、変換されたバイト数としてカウントされません。
料金設定に関する事例
このセクションでは、Cloud DLP の使用事例と、各事例に対する料金の計算方法をご紹介します。
事例 1: コンテンツ メソッドを使用したデータの検査と変換
1 GB を超える構造化(表)データがあるとします。これを DLP API にストリーミングして、50 種類の組み込み infoType 検出器を検査し、見つかった一致を暗号トークン化による変換で匿名化するよう、Cloud DLP にリクエストします。匿名化を行ったところ、Cloud DLP によってデータの約 1%(約 10 MB)が一致、変換されました。
料金
- 検査: 1 GB のデータ × GB あたり $3.00 = $3.00
- 変換: 0.01 GB × GB あたり $2.00 = $0.02
- 合計: $3.02
事例 2: コンテンツ メソッドを使用した構造化データの変換のみ
暗号トークン化による変換によって、1 GB のテーブルを 3 つの列(user_id
、email
、phone_number
)に変換するとします。この 3 列は、テーブルの約 30% を占めます。変換する列全体を指定するため、検査は不要です。
料金
- 検査: 0 GB のデータ = $0.00
- 変換: 0.3 のデータ × 1 GB あたり $2.00 = $0.60
- 合計: $0.60
事例 3: ストレージ ジョブを使用したストレージ リポジトリの検査
1,000 個の BigQuery テーブルを検査するとします。各テーブルのサイズは約 1 GB で、合計のデータサイズは 1 TB です。すべてのテーブル全体をスキャンする必要がないため、サンプリングをオンにして、各テーブルにつき 1,000 行のみスキャンされるようにしました。各行のサイズは、約 10 KB です。
料金
- 検査したデータ: テーブル 1,000 個 × テーブル 1 つあたり 1,000 行 × 1 行あたり 10 KB = 合計 10 GB のスキャンを実行
- 合計: 10 GB × 1 GB あたり $1.00 = $10.00
リスク分析
リスク分析では BigQuery のリソースが使用されるため、料金は BigQuery の使用料金となります。Cloud DLP によるリスク分析の追加料金は発生しません。
リスク分析ジョブを作成するには、projects.dlpJobs.create
メソッドと以下の構成オブジェクトを使用します。
費用管理
Cloud DLP でスキャンする情報の量によっては、請求額が非常に高くなる可能性があります。費用を抑えながら目的のデータを Cloud DLP で的確にスキャンする方法については、Cloud DLP コストの管理をご覧ください。