Google Cloud Platform を利用し、エンジニアの技量を競う“ヒダッカソン”を実施

スマートフォン向けアプリゲームの開発でも知られるサイバーエージェント グループが社内ハッカソンで Google Cloud Platform を活用。変化が激しい“現場”の 1 つとして知られるゲーム業界のエンジニアは Google Cloud Platform をどのように評価したのでしょうか?

岩上裕樹さん、白井英さん

写真左から
株式会社グリフォン
エンジニア 岩上裕樹さん
株式会社サイバーエージェント
SGE(Smartphone Games & Entertainment)事業統括室 CTO 白井英さん

ゲーム部門のエンジニアをもっと評価するために

株式会社サイバーエージェントは、インターネット広告事業、メディア(Ameba)事業、ゲーム事業を三本柱とする企業。国内ナンバーワンという広告事業やAmebaが有名ですが、ゲーム事業も複数のヒットタイトルを提供しています。

そんな同社が昨年から取り組み始めた社内ハッカソンイベントが「ヒダッカソン」(同社副社長・日高裕介さんのお名前から命名)。ゲーム事業に関わる子会社 9 社が所属するSGE(Smartphone Games & Entertainment)という組織のエンジニアを集めて行う、やや特殊なハッカソンで、サーバサイドとネイティブの 2 部門において、その技量を競うというものです。その経緯と狙いについて、同社ゲーム部門を統括する白井英さんは以下のように語ります。

「弊社独自の取り組みとして新規事業や事業課題解決案などサイバーエージェントのあした(未来)につながる案を考える『あした会議』という 1 泊 2 日の合宿があるのですが、昨年 SGE 事業部の新卒版で、ゲーム部門を支えるエンジニアをもっと評価するべきではないか、目立たせるべきではないかという声が上がったんです。そこで社内のエンジニアを集結させ、用意した“お題”に時間内でどこまで対応できるかという開発競争を実施しました。第 2 回目となる今年はさらに参加人数が増え、サーバサイド部門 78 名、ネイティブ部門 70 名、のべ約 150 名で開発力を競ってもらいました」

サーバトラブルは皆無、そして全く落ちないレスポンス

そのサーバサイド部門の“戦場”となったのが Google Cloud Platform(Google Compute Engine)。昨年は他社のクラウドサービスを利用したのですが、今回はイベントに変化を付けていきたいということもあって Google を採用。「大陸クエスト」という架空のゲームに必要となる 37 個の API を仕様書に基づきどんどん作っていくという競争を行ないました。

「サーバ関連のトラブルは皆無。競技的な面でも非常に重要なところなので、ここはさすが Google さんと感心しています。ちなみにプランは n1-highcpu-4 を使いました。できあがった API の判定プログラムなどでそれなりの負荷をかけているにも関わらず全くレスポンスが落ちなかった点もよかったですね」(白井さん)

結果、サーバサイド部門で優勝したのは新卒一年目の若手エンジニア。実は昨年の優勝者も新卒者だったとのこと。「ベテラン エンジニアは現場ではもうレビュー側に回ったりしているので、瞬発力的なものではもう若手に敵わないところがあるのかもしれませんね。かくいう私も去年は 10 位だったのですが、今年はかすりもしませんでした(笑)」(白井さん)

ここ 2 回のヒダッカソンを通じて、社内エンジニアを目立たせるという目的はある程度果たせたと語る白井さん。また、それ以外にもエンジニア間の交流が促されるなど、多くのプラスの成果があったそうです。

「これからも年に 1 度くらいのペースで続けていきたいですね。次回は参加エンジニア同士でお題を出し合うなど、競技の仕組み自体をちょっと変えてみようかなどと画策しています。その際は、ぜひまた Google Cloud Platform を使わせていただければ」(白井さん)

良い意味で何も変わらない Google Compute Engine

昨年のヒダッカソン・サーバ部門優勝者で、今回、両部門に参加した株式会社グリフォン所属の若手エンジニア岩上裕樹さんは、大会を次のように振り返ります。

「ヒダッカソンの良いところは、純粋に開発だけに集中できるところです。今は、リーダーもやっているので、普段の業務ではプログラミングのみに集中することはあまりないので、非常に楽しかったですね。サーバ部門では、プラットフォームが Google に変わると聞いて身構えていたのですが、実際に使ってみると、良い意味で何も変わりませんでした。むしろインスタンスの立ち上げが簡単など、感心する点も多かったです。機会があれば業務でも使ってみたいと思いました」(岩上さん)