ネットワーク API からネットワーク AI エージェントへ - エージェントでつながる未来を Nokia とともに構築
Sridhar Gollapudi
Telco Market Lead, Google Cloud
Mikko Jarva
Head of Portfolio & Architecture, Network Monetization Platform, Nokia
※この投稿は米国時間 2026 年 3 月 4 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
通信業界は「エージェントの時代」という、これまでで最も大きな変革期を迎えようとしています。サイロ化された自動化ツールから、ワークフロー全体を自動化できる完全なエージェント エコシステムへと、進化を遂げようとしています。
今週、バルセロナで開催される Mobile World Congress(MWC)で、Google は、Nokia の Network as Code(NaC)プラットフォームを Google Cloud の最適化されたエージェント AI スタックと統合することを発表します。これは、ネットワーク API から完全なエージェント エコシステムへの変革をもたらす取り組みです。これにより、通信事業者には、自然言語と目標指向のタスク自動化を通じてネットワークを自律的に監視、プログラム、最適化できる AI エージェントの利用が可能になります。
AI ネットワークの進化を支える 3 本の柱
エージェント時代のニーズに応えるために、AI とネットワークは「接続された」関係から「深く統合された」関係へと変わりつつあります。この進化は、次の 3 つの異なる分野で展開されています。
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自律型ネットワーク: ネットワークは、手動で管理されるユーティリティから、コントロール プレーンとデータプレーンに AI が直接組み込まれた自律型オーケストレーション システムへと移行しています。初期の構築と計画段階から、リアルタイムの障害検出と根本原因の分析段階まで、あらゆるフェーズにインテリジェンスを統合することで、ネットワークは「セルフヒーリング ファブリック」として機能します。この移行により、インフラストラクチャがエージェント時代のプログラマブルで高忠実度のデータニーズに対応できるようになり、ネットワーク消費の増加が組織に影響を及ぼす前に、需要予測によるスケーリングが可能になります。
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AI に最適化されたネットワーク: AI エージェントが日常生活の「デジタル雑務」をこなすにつれ、ネットワークは大量のアップリンク データと「最初のトークンまでの時間」を短縮する低レイテンシ要件に対応できる設計が必要になります。テクノロジーを作業ではなく魔法のように感じさせるには、モバイル ネットワークが極めて動的に、Google Distributed Cloud(GDC)など、直近のコンピューティング ノードとプロアクティブにやり取りして、エッジでのタスクを処理する必要があります。この局地的なオーケストレーションは、バックグラウンドでトラフィックとコンピューティングのレイテンシを管理し、ユーザーが遅延をまったく知覚できないほど迅速な AI アシスタントの応答を可能にします。
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ネットワークをプログラミングする AI エージェント: プログラマブル ネットワークの実現は、企業や通信事業者に価値をもたらすことが長年期待されてきました。デベロッパー エクスペリエンスを変革するエージェント AI は、まさにこの積年の願いを叶える救世主です。統合 API フレームワークを通じた RAN からコアへの機能公開により、AI エージェントは自然言語プロンプトを複雑なインテント主導のネットワーク構成に変換できるようになりました。これにより、自律システムはエージェント間でタスクを調整してデータを交換できるようになり、その結果、ネットワークはアプリケーションの特定のニーズにリアルタイムで動的に適応できます。
Nokia の Network as Code プラットフォームは、現在 70 社以上のパートナーと 20 以上のネットワーク API を接続していますが、この NaC プラットフォーム が Gemini モデルおよび Google Cloud のエージェント フレームワークとの統合により、エージェント対応型として生まれ変わります。A2A や MCP などの標準化されたインタラクション プロトコルを活用することで、これらの専門エージェントは単純な自動化を超えてアクティブな推論を行うようになり、意図を解釈して複雑なネットワーク タスクを自律的に管理できるようになります。
技術的な橋渡し: Nokia と Google Cloud の統合の仕組み
単純な API からネットワーク AI エージェントへの進化は、Google Cloud のインテリジェンスと Nokia のネットワーク エキスパティーズをつなぐ 3 層構造の統合によって実現します。
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公開レイヤ(Nokia Network as Code): NaC プラットフォームが、複雑な 5G コアと RAN の機能を、標準化されたノースバウンド API(CAMARA/GSMA Open Gateway)に抽象化します。デベロッパーは Google Cloud Marketplace を介してこれらの Nokia API にアクセスすることで、グローバルなモバイル ネットワークにアクセスして Network as Code ポータルを活用できます。これにより、基盤となるテクノロジーを操作することなく、ネットワーク機能への標準化されたアクセスを確保できます。
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インテリジェンス レイヤ(Gemini with Network as Code): このレイヤでは、Gemini の活用が、単なる「呼び出し」から「インテント」主導型への進化を可能にします。Network as Code AI エージェントが、MCP を使用して自律的にネットワーク ツールを識別、活用し、Quality of Service(QoS)や位置情報の検証などを通じて特定のビジネス目標を達成します。
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インタラクション レイヤ(agent-to-agent): A2A プロトコルを通じて、業務処理エージェント(たとえば、物流コーディネーターなど)がネットワーク エージェントに目標を伝達します。ネットワーク エージェントは、その目標をネットワーク固有の指示形態に変換し、リアルタイムでネットワークをオーケストレートします。人が手動によるコーディングで介在する必要はありません。
Agent Development Kit(ADK)による拡張性
組織は ADK を使用した機能拡張により、真にカスタマイズされたエンタープライズ エコシステムを構築できます。ADK を使用すると、デベロッパーは企業独自のビジネスロジックと Nokia のネットワーク インテリジェンスを統合したカスタム マルチエージェント システムを構築してデプロイできます。このモジュール性により、専門分野に特化されたビジネス エージェントがネットワーク リソースを自律的に手配して独自のミッション要件を満たし、社内の企業データと外部のネットワーク機能を安全につなぐことができます。


プログラマブル ネットワークからインテント主導型エンタープライズへ
この統合の真の強みは、「API ギャップ」を埋めることにあります。Network as Code はプログラマブルな基盤として利便性を発揮しますが、さらにエージェント AI を追加することで、コード不要のユーザー エクスペリエンスが実現されます。デベロッパーは、下位レベル通信プロトコルを把握していなくても、ビジネス インテントさえ定義すれば、基盤となるコードの実行がエージェント フレームワークによって処理されます。
エージェントを活用したエンタープライズ システム事例
エージェント エコシステムでは、業務上不可欠なネットワークの接続性が低下した場合などにリアルタイムで状況を検知して、サービスに影響が及ぶ前に自律的に問題を解決したり、リソースをプロビジョニングしたりできます。実際の活用例は以下のとおりです。
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自律型ロジスティクス: ドローン活用計画の実現に向けて、フリート管理エージェントが最適化されたネットワーク接続をリクエストできます。飛行経路全体での接続性と品質、優先順位を Network as Code エージェントが自動的に確保する仕組みです。
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セキュリティの強化: モバイル サービスにおいて、顧客のサブスクリプション、デバイス、現在地に異常な点があればリアルタイムでフラグを立てるよう、エンタープライズ デバイス管理エージェントが Network as Code エージェントにリクエストできます。これにより、モバイル アセットのセキュリティ体制が迅速に強化されます。
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高精度のモニタリング: セキュリティ エージェントが、モバイル デバイスのフィードに基づくマルチモーダル AI 推論をサポートするために、専用のネットワーク スライスをリクエストできます。これにより、データが送信されると同時に帯域幅を確保できます。
通信事業エコシステムにもたらす効果
このパートナーシップは、複雑なネットワーク標準の世界と、目まぐるしく変化するクラウド デベロッパーの世界を橋渡しするものです。通信事業者にとっては、ネットワークをコストセンターのような存在からイノベーション エンジンへと生まれ変わらせる明確な道筋が示されます。ネットワーク機能を Google Cloud Marketplace に掲載して利用可能にすることで、通信事業者は 5G 投資のニーズに応じた収益化をついに実現できるようになったのです。
「ネットワークはもはやボトルネックでもブラックボックスでもなく、AI の取り組みにおけるプログラマブルでインテリジェントなパートナーたる存在です。Nokia の Network as Code に組み込まれた直感的なインテント主導型インターフェースにより、ネットワーク インテリジェンスを活用した革新的なサービスの開発とデプロイが一段と高速化され、収益化までの時間を大幅に短縮できます。」- Blocksport、CEO、Vladimir Liulka 氏
「プログラマブル ネットワークとネットワーク API の力を最大限に活用するサービスの成長と収益化には、シームレスで直感的なデベロッパー エクスペリエンスの実現が不可欠です。デベロッパー インターフェースがエージェントによって提供されるエージェント AI フレームワークは、このエクスペリエンスを実現するための重要インフラとなるものです。Nokia の Network as Code プラットフォームは、すでに Deutsche Telekom のネットワーク API と統合されており、プログラマブル ネットワークからエージェントの世界への変革を可能にするパイオニアです。」 - Deutsche Telekom、Magenta Business API、シニア バイス プレジデント、Chathurangi Wickramasinghe 博士
MWC で未来を体験
エージェントでつながる未来を構築する時代が、今まさに始まっています。MWC で Nokia と Google Cloud のブースにお越しいただき、これらのユースケースをライブでご覧ください。Network as Code プラットフォームがネットワークの複雑さをエージェント時代をリードする存在に変革する仕組みを、ぜひご自分の目でお確かめください。
- Google Cloud、通信市場担当責任者 Sridhar Gollapudi
- Nokia、ネットワーク収益化プラットフォーム、ポートフォリオおよびアーキテクチャ責任者 Mikko Jarva 氏

