API を通してサードパーティのデベロッパーに通信機能を公開する新しいサービス
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2024 年 2 月 29 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
この数年にわたり、全世界の多くの通信サービス プロバイダ(CSP)が、標準化された API を通してネットワーク サービスの公開と収益化を行う取り組みに力を入れてきました。近年、CAMARA 仕様(Linux Foundation 傘下のプロジェクト)に従ってあらゆる CSP が共通の標準サービスを提供できることを目指す GSMA 主導の相互連携に向けた取り組みの GSMA Open Gateway など、業界全体を巻き込んだ取り組みが加速しています。
Google Cloud では、CSP、独立系ソフトウェア ベンダー(ISV)、CAMARA アライアンス パートナーなどの幅広いパートナーシップを通して、これらの API をクラウド デベロッパー エコシステムから利用しやすいものとする取り組みを進めてきました。そのような事例の一つとして、ClearX は Google Cloud と連携し、ネイティブ API 公開サービスを開発しています。デベロッパーはこのサービスを通して、通信エコシステム全体にわたるさまざまな通信およびネットワーク API を集約された形で手軽に利用できるようになります。
Google Cloud と Open Gateway イニシアチブ(OGI)のブランド提携によるこのサービスを通して、デベロッパーは、CSP が公開するこの新しいネットワーク API ファミリーを簡単に探索し、オンボーディングして、その使用を管理することができます。このサービスのプレビュー版に CAMARA API を統合して提供する最初の CSP となったのが Telefónica です。他の多くの通信事業者もこのサービスを通した API の統合を予定しており、これによりデベロッパーはアプリケーションのソースコードを変更することなくあらゆる CSP に対応できる、シンプルなエクスペリエンスを享受することができます。
CSP パートナー各社とともに、市場のニーズに応える API 収益化のユースケースに関するイノベーションを推進し、それらを実際のサービスとして提供できることを大変喜ばしく思っております。その手始めとして、SIM Swap API と Number Verify API を利用した、不正対策アプリケーションおよび検証サービスを提供いたします。
「通信業界は、Open Gateway による連携を通して、世界中のデベロッパーが標準の CAMARA API により各社の独自機能を利用できるよう取り組みを進めています。Google Cloud は、使用している環境はそのままに幅広いデベロッパーにアクセスできる、理想的なプラットフォームです。CSP がこのエコシステムに API を統合することにより、デベロッパーは使い慣れたクラウド ダッシュボードから、一貫性のある形で標準 API を利用できるようになります。これによりイノベーション、コラボレーション、そしてビジネスチャンスの新たな波が起きることを期待しています。」 - Telefónica、Open Gateway グローバル ディレクター David del Val 氏
「Open Gateway と CAMARA は、デベロッパーが新しいネットワーク機能を活用してイノベーションを推進できる優れた取り組みです。あらゆるデベロッパーが、シンプルで使いやすい API を通して、独自のカスタマー エクスペリエンスや『サービスとしてのネットワーク』といったユースケースでこれらの機能を活用することができます。Google Cloud には、CAMARA API の公開を積極的にサポートしていただき、感謝しております。Google Cloud と ClearX により提案されたこのデベロッパー向けサービスは、新しい API を迅速かつシームレスに利用できる素晴らしい仕組みです。」 - Orange、通信 API プログラム ディレクター Otilia Anton 氏
Google では Mobile World Congress(MWC)2024 に向け、このサービスの初めてのデモを設計しました。
1. まず、アプリケーション デベロッパーは、Google Cloud コンソールで簡単にネットワーク API を探すことができます。
2. 次に、デベロッパーは必要な CSP API に移動します。このプレビュー版ではブランド名は Open Gateway イニシアチブとなっています。API 詳細ページには、API の料金や、Google Cloud Marketplace 上で直接 API を利用するうえでデベロッパーのエコシステムが必要とするその他あらゆる情報が表示されます。
3. サービスに登録すると、デベロッパーは OGI プラットフォームにオンボーディングされます。
4. デベロッパーとそのアプリケーションのオンボーディング プロセスを管理するのは OGI プラットフォームです。オンボーディングには、TM Forum の標準に準拠した認証情報や認可プロセスの設定、デベロッパー アプリケーションの設定などが含まれます。デベロッパーは、アプリケーションで OGI SDK を実装するために必要な認証情報とコードサンプルを受け取ります。SDK とアプリケーションの認証情報を埋め込むと、アプリケーションが利用可能となります。標準の API を呼び出すことにより、オンボーディングされたすべての CSP の機能を利用することができます。1 回の認証と API 呼び出しで、プラットフォームに統合されたあらゆる CSP の機能を利用できます。
5. API の利用料金は、Google Cloud のサービスを利用する際の既存の請求と支払いの仕組みを通して支払います。
MWC バルセロナ 2024 で 2 月 28 日に開催される Open Gateway DevCon では、ライブ コーディング セッションが用意されています。このセッションは、アプリケーション デベロッパーやその他業界から参加されている皆様に、このサービスのプレビュー版を体験していただける機会となっております。
Google Cloud における CSP とのパートナーシップの取り組みについて詳しくはこちらもご覧ください。
-Google Cloud、通信ソリューションおよびパートナーシップ責任者 Sridhar Gollapudi