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サステナビリティ

AI 搭載ツールが切り拓く、サステナブルなインフラとレポートの次なる潮流

2026年4月7日
Denise Pearl

Global Market Lead, Sustainability

Luke Elder

Senior Lead, Sustainability Reporting

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※この投稿は米国時間 2026 年 4 月 1 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です

生成 AI の活用が広がるなか、サステナビリティとテクノロジーが交わる領域で大きな変化が起きています。これまで報告業務を担うチームは、散在するデータの収集や手間のかかる文書作成に多くの時間を取られ、サステナビリティ戦略そのものに十分に注力できない状況にありました。ところが、AI を導入し始めた組織では、前年の実績や影響を説明するための作業に費やす時間が減り、その分、先を見据えたレジリエンス強化により多くの時間を充てられるようになっています。その結果、業務の効率化とスピード向上が進んでいます。

サステナビリティ チームは、財務データ、施設面積、エネルギー使用量、材料消費量など、複数の異なるデータソースをもとにレポートを作成しなければならないことが少なくありません。しかも、報告基準は急速に変化しています。そのため、複数のデータソースをまたいで正確性を確保するのは難しく、ひとたび誤りがあれば、その影響も大きいという特有の課題があります。Google では、この課題に対応するため、この 2 年にわたり、自社の環境報告プロセスに AI を取り入れ、その有効性を検証しながら統合を進めてきました。

Google がレポート作成に AI をどう活用しているのか

まず Google は、自社の社内報告プロセスそのものを、AI ソリューションの実験の場として活用しました。環境報告書の作成にあたっては、環境に関する記述を確認する最初のレビュー プロセスに Gemini を試験的に導入し、草案に含まれる記述を社内ポリシーやベスト プラクティスと自動的に照合しました。この自動化は、専門家の役割を置き換えるものではなく、むしろその力を引き出すものです。人のレビュー担当者は、個々の記述を毎回ゼロから確認するのではなく、AI による評価結果の妥当性を見極めることに集中できます。また、NotebookLM を活用して静的な環境報告書を対話型のナレッジベースへと変換し、利用者が複雑なデータについて質問すると、出典付きの回答を即座に得られるようにしました。

私たちのチームは、効果のあったプロンプトや、期待どおりに機能しなかったプロンプトから得た教訓も含め、実験の内容と進捗をオープンソースの AI ハンドブックに記録しました。こうした取り組みを文書化するなかで、AI は単なる効率化のためのツールではなく、より大きな成果を生み出す触媒でもあることを実感しました。レポート作成に伴う複雑で手作業の多い工程を効率化することで、ファイルやデータの管理に費やす時間を減らし、その分、世界を前に進めるための戦略の推進に、より多くの時間を充てられるようになります。

Equinix におけるサステナビリティ データレイクの構築

デジタル インフラストラクチャ プロバイダである Equinix は、Google Cloud の支援を受けながら、報告業務の変革に取り組みました。顧客から寄せられるサステナビリティ関連の要望が前年比で 46% 増加するなか、Equinix のチームは、手作業によるスプレッドシート運用ではもはや対応しきれないと判断しました。そこで必要とされたのが、リアルタイムの意思決定を支える仕組みでした。

Equinix は BigQuery 上にサステナビリティ データレイクを構築し、世界 240 箇所以上の拠点からデータを自動的に取り込めるようにしました。これにより、従来は手作業でのデータ クリーニングに数週間を要していた報告サイクルが、必要なときにすぐ活用できるインサイトを提供する仕組みへと生まれ変わりました。

「私はもはや単なるデータ アナリストではなく、戦略アドバイザーとしての役割を担っています」と、Equinix のサステナビリティ担当シニア マネージャーである Alexa Cotton 氏は述べています。「当社のサステナビリティ データは、今や戦略的な資産であり、年間経常収益(ARR)の 60% 以上に影響を与えています。私たちは事後対応型の姿勢から脱却し、エネルギーとコストの双方を削減できる自動化されたアクションに目を向けるようになりました。」

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サステナビリティを設計段階から組み込む: Well-Architected Framework(WAF)の活用

Equinix は、AI による革新を実現するには、まず強固なデータ基盤が不可欠であることを示しました。また、レガシーな業務プロセスのモダナイズは、適切なアーキテクチャに基づいて進めることで、効率向上にもつながることを実証しました。

Equinix は BigQuery を活用したサーバーレス アーキテクチャへ移行し、コスト、パフォーマンス、環境負荷という 3 つの面で成果を上げました。

  • サーバーレスの弾力性を生かすことで、必要な分のコンピューティング リソースだけを使い、その分だけを支払う運用を実現した結果、「ゾンビ」サーバーは不要となり、無駄なエネルギー消費も削減されました。

  • BigQuery はワークロードのスケーリングと最適化をプログラムによって自動的に処理するため、リソース配分における人的ミスを抑えつつ、データレイクが拡大しても、無駄を最小限に抑えながら高い性能を維持できます。

  • Google のカーボン インテリジェントなデータ インフラストラクチャを活用することで、「ワット当たりのパフォーマンス」を根本から改善し、報告業務という要件を、運用効率の高さを示す好例へと変えました。

これらは、Google の Well-Architected Framework における「4 つの M」、すなわち Machine、Model、Mechanization、Map を体現する優れた事例です。

アンビション ループ

Equinix で進められている取り組みは、私たちが「アンビション ループ」と呼ぶ好循環を生み出しています。アーキテクチャ レベルで改善に取り組むことは、単にサステナビリティ レポートの要件を満たすためだけではありません。経済性の向上にも直結し、その結果としてサステナビリティの成果も高まり、最終的には報告できる実績そのものの向上へとつながっていきます。

詳しくは、Google の「AI Playbook for Sustainability Reporting(サステナビリティ レポートのための AI ハンドブック)」と、新たに追加された「WAF sustainability pillar」(WAF のサステナビリティの柱)をご覧ください。これらを手がかりに、データを AI 活用へとつなげる取り組みを始めることができます。ともに、レポートの未来、そしてよりレジリエントな世界を築いていきましょう。

- サステナビリティ担当グローバル マーケット リード Denise Pearl

- サステナビリティ レポート担当シニアリード Luke Elder

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