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ペットと bot: Woof が Google Cloud を活用した AI chatbot でペットケアの革命をもたらす

2023年7月7日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 6 月 30 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

ペットの飼い主は誰もが、自分のペットの幸福と健康を祈っています。ところが、飼い主の注目を引こうと競い合っている商品やサービスの種類があまりに多いので、最適なものを判断するのが簡単とは言えません。

そこで登場するのが Woof です。Woof は、飼い主と地域のペットショップに最適なサービスとエクスペリエンスを提供する取り組みで、ペット業界に革命をもたらそうとしています。当社は現在、関連ペットショップのネットワークとしてブラジル最大規模にまで成長しており、ウェブサイトとアプリを通して 1 億もの世帯と 7,500 を超える事業者をつないでいます。そしてこのたび、地域のペット事業者とペット トレーナーのサポートを目的として、世界最大級のペット市場である米国に進出します。

しかし、急速な成長には、それ特有の課題が伴います。お客様にカスタマイズされた分析情報を提供し続けながら、ナレッジベースとインフラストラクチャをスケーリングするにはどのようにすればよいのでしょうか。この課題こそが、Woofer 開発のきっかけでした。Woofer は、独自のパーソナリティとユーモアのセンスを持ち、ペットの行動と健康を把握する仮想の犬のコンサルタントです。Woofer とチャットすることで、お客様はカスタマイズされたおすすめに基づいて、最適な商品を選ぶことやアドバイスを得ることができます。Woofer は、「もしペットが話せるとしたら、何と言ってくるだろうか?ペットが話せるとしたら、どんなふうになるだろうか?」という誰もが持つ疑問への答えです。

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Woof、最高技術責任者 / 最高製品責任者 David Jourdain 氏

仮想アシスタントをトレーニングする方法

納得のいくパーソナリティを作り上げるために、Woofer には高度な ML インフラストラクチャが必要でした。多数のクラウド プロバイダを詳細に検討した結果、Woof のスケーラビリティと機能の要件を満たすことができると判断した Google Cloud を開発パートナーとして選択しました。また、Google Cloud は、他の選択肢と比べて、費用対効果が特に優れていました。

プロジェクトを実際に開始したのは、2022 年に Woof が Google for Startups Cloud Academy のブラジル初のコホートに参加したときでした。この 3 か月にわたるプログラムでは、スタートアップが Google Cloud のエキスパートおよび AI 業界のリーダーと直接連携して、新しいユーザーの獲得、データ分析に基づく売上向上、AI / ML テクノロジーの活用に取り組みます。Google のメンターと連携することで、Woof のチームは、テクノロジー要件を定義する方法を学ぶことができました。また、開発チームがプロダクトのロードマップを作成して開発スプリントを実行していく際に Google Cloud のガイダンスを活用できました。

最初に、マーケティング チームが Woofer のプロフィールとパーソナリティを設定しました。これは、調査に基づいて行うべき重要な第一歩でした。調査では、ユーモアのセンスとユニークなアイデンティティがお客様の好奇心と欲求の引き金になることがわかっていました。そのため、マーケティング チームは、Woofer が自分のパーソナリティや気質に関する質問にどのように返答するかといった最初のインタラクションと、特定の品種や種に関連したおすすめの商品やサービスを設定しました。

このプロセスはきわめて効率的に実施されました。開発のパスが明確でシンプルであったうえに、Google Cloud のテクニカル サポートも受けることができたため、会話型 AI を 20 日もかからずに準備できました。

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Woof チームメンバー

犬と ML の出会い

自然言語の理解と処理の高度な機能がなくては、Woofer という chatbot は実現しませんでした。DialogFlow CXAutoMLVertex AI といった Google Cloud のソリューションが大いに役立ったのです。

DialogFlow CX を使うことで、Woofer は 24 時間 365 日、トピックをシームレスに切り替え、フォローアップの質問に対応し、チャネル全体で運用できます。また、Woofer のデベロッパーは、AutoML で高品質なカスタムの ML モデルを使用して、労力を ML に関する事前の知識習得も最小限に抑えて、Woofer をトレーニングできました。そして、完成のための最後の要素として Vertex をデプロイし、ML モデルの構築とデプロイの迅速化と効率化を図りました。

他の重要な Google Cloud ソリューションとしては、BigQuery Looker Studio があります。これらを使用して、全社にわたるビジネス インテリジェンス ダッシュボードを設定し、チーム全体が KPI とパフォーマンスをリアルタイムでモニタリングできるようにしました。また、Firebase を使用して、アプリとウェブ プラットフォーム間のシングル サインオン経由の認証を管理しています。

chatbot の新たな犬種

お座り、待て、よし!Woofer は、お客様が十分な情報に基づいて、利用するペット用品やサービスを決断できるようサポートします。Woofer は地域のペット事業者にもメリットをもたらします。地域の事業者は、顧客とつながることができ、また、頻繁に尋ねられるよくある質問や商品に関する質問への対応を Woofer に任せることで、スタッフによる対応時間を低減できます。

当社の取り組みをサポートしてくれている Google Cloud のエキスパートの方々には感銘を受けています。Google Cloud のエキスパートとの共同作業はとても充実していて、彼らも当社チームの重要な役割を担う気持ちで取り組んでくれています。彼らは、テクノロジーを最大限に活用できるようにサポートするだけでなく、今後のプロダクト リリースに対する知見を得られるように、幅広い Google Cloud コミュニティや技術関連のイベントを紹介してくれます。

現在、当社は Google Cloud チームと連携して、Woofer と同様のテクノロジーをビジネスの別の部門に採用する取り組みを進めています。これには、スポンサー主催のキャンペーンやブランドの立ち上げのほか、金融および運用の重要なデータやダッシュボードを提供する投資家向け広報活動の仮想の担当者の構築などがあります。

Google Cloud で当社の AI を実行することのさまざまな可能性とともに、リードを外した Woofer によって、米国とブラジルのペットの飼い主と事業者の新しい機会が見つかることを楽しみにしています。

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Woof チームメンバー

Google Cloud によるスタートアップのサポートについては、こちらのページでプログラムの詳細をご確認ください。また、こちらから更新情報の配信にご登録いただいた方には、コミュニティ活動、デジタル イベント、スペシャル オファーなどの情報をお届けします。


- Woof、最高技術責任者 / 最高製品責任者 David Jourdain 氏


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